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新型コロナウイルス(COVID-19) 知っておくべきこと

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新型コロナのワクチン、接種した判断は”間違い”だった?~今また出回るデマについて

 

回答:ワクチン接種を後悔しなければならないような事実は、全く確認されていません

 2021年から接種が始まった新型コロナのワクチンに関して、その後、メリットを上回るようなリスクやデメリットが判明したとか、ワクチン接種をした人の方が病気になりやすくなったとか、ワクチンを”解毒”しなければならなくなったとか、そういった事実は全く確認されていません。
 このところ、ワクチンを接種したという判断を”間違い”であったと思いこませようとするようなデマ情報(と、それに伴って謎の高額解毒アイテムや未承認薬を購入させようとする情報)が盛んに出回っていますが、過去にワクチンを接種したことに対して不安を感じる必要はありませんし、ワクチンを接種したという判断を後悔する必要も全くありません

 むしろ、重症化や後遺症を防ぐために有効なワクチン接種を済ませていることは、新型コロナウイルス感染症の流行が”日常”になった今の社会において、大きな安心材料として認識してもらうのが良いです。

※過去に広まっていた主なデマ情報に関してはこちらの記事を参考にしてください。

 

よくある誤解①:ワクチン接種が原因で、大勢の人が死んでいる?

 ワクチンは”不老不死の薬”ではありませんので、ワクチン接種をした人が何らかの原因で死亡する、という現象は必ず起こります(起こらないと怖いです)。
 そのため、「ワクチン接種が原因で大勢の人が死んでいる可能性」を検証しようと思ったら、「ワクチン接種をした人が死亡した」という事例を集めるのではなく、「ワクチンを接種した人」と「ワクチンを接種していない人」の死亡率を比較する必要があります。

 実際、そんな”薬害”が起きていたら大変なので、こうした死亡率を比較する検証……つまり”薬害”の可能性を見出すための研究は全世界で既にたくさん行われています。そして、これらの研究で一貫して確認されているのは、「ワクチンを接種した人の方が、ワクチンを接種していない人よりも、あらゆる原因による死亡率が低め」という現象です。

(その報告の一例)
Hum Vaccin Immunother.20(1):2350091,(2024) PMID:38757631
→mRNAワクチンを3~5回接種した日本人と、ワクチン非接種者の死亡リスクを比較した調査。18~64歳ではワクチン接種者と非接種者の死亡リスクに差はなく、65歳以上ではワクチン接種者の方が死亡リスクは低かった

Nat Commun.14(1):1541,(2023) PMID:36973247
→12~29歳のワクチン接種者と非接種者の、ワクチン接種後12週間の心血管死・全死因死亡率を比較した調査。ワクチン接種者と非接種者で死亡率に差はなかったが、ワクチン非接種のまま感染した人の全死因死亡率は6.8倍高かった。

Clin Infect Dis.78(3):625-632,(2024) PMID:38319989
→315万人のワクチン接種者と非接種者の、ワクチン接種後60日間の全死因死亡率を比較した調査。ワクチン接種者の方が死亡リスクは低い傾向。

Vaccines (Basel).10(7):1009,(2022) PMID:35891173
→ハンガリーの全成人国民640万人を対象に、ワクチン接種者と非接種者の死亡率を比較した調査。mRNAワクチン接種者の方が、全死因死亡率は43~52%低かった

Vaccines (Basel).11(8):1294,(2023) PMID:37631862
→世界178ヵ国で、ワクチン接種と全死因死亡率の関連を調べた調査。パンデミック以降の2年間、ワクチン接種率が高いほど全死因死亡率は低かった

 

 つまり、「ワクチン接種が原因で大勢の人が死んでいる」というような現象は、世界のどこを見渡しても全然起きていなさそう、ということになります。そのため、ワクチン接種が原因で死にやすくなるかもしれない、といった心配をする必要は全くありません。

※ワクチンに寿命を延ばす効果はないので、ワクチン接種者の方が全死因死亡率が”低い”のは、情報リテラシーや医療へのアクセスの影響が考えられます。
※ワクチンは「ゼロリスク」ではないため、ごく稀にワクチン接種が原因の死亡が起こることはありますが、「感染・重症化・死亡・後遺症リスクを軽減する」というメリットの方が圧倒的に大きいため接種が推奨されています(※火や刃物・自動車などと同じ考え方)。

 

「健康被害救済制度」で認定されている!

 この制度は、原因究明ではなく「救済」を目的とした制度のため、その認定に”厳密な医学的因果関係”を必要としません。つまり、この救済制度の認定数が「ワクチン接種が原因の死亡者数」を表しているわけではありません

※厚生労働省「健康被害救済制度の考え方」(※PDF

 日本のこの制度は、因果関係が明らかに否定されるものを除き、なるべく救済を行おうというコンセプトの世界的にも珍しい制度です。そのため、実際に認定されている率も87.4%と非常に高く、これはアメリカの0.4%、イギリスの13.9%、ドイツの14.3%、フランスの17.6%、オーストラリアの18.3%などと比べても異例の認定率の高さで運用されている1)、ということも知っておくと良いかもしれません。

1) J Korean Med Sci.39(13):e121,(2024) PMID:38599598

 

超過死亡はワクチン接種で増えた!

 その理屈は、幾重にも無理があります。以下が主な理由です。

①先述の通り、「ワクチン接種者」の方が「ワクチン非接種者」よりも死亡率は低いため、”ワクチン接種が原因の死亡”は多発していない

超過死亡の数はワクチン接種とはほとんど関連してない(全世界で一貫して強く関連しているのは、新型コロナウイルス感染症の流行)
https://github.com/hmatejx/COVID_mortality

超過死亡の増加は、ワクチン接種が始まる前から観察されている
https://exdeaths-japan.org/graph/weekly/

ワクチン接種率が高い国ほど、2021年の平均余命の減少幅は小さい
Nat Hum Behav.6(12):1649-1659,(2022) PMID:36253520

 なお、アメリカの2020~2023年の超過死亡の90%は新型コロナウイルス感染症だと評価されています2)。ちなみに、「ウイルスは存在しない」や「ワクチンは毒」といった非科学的な陰謀論に傾倒している人たちでは、高い超過死亡が観察されています3)ので、生命を大切にするのであれば、そういった言説からは距離をとることをお勧めします。

2) Am J Public Health.114(9):882-891,(2024) PMID:39024530
3) Sci Rep.13(1):18116,(2023) PMID:37872233

知っておけば惑わされない

・ワクチン接種が原因で大勢が死んでいる…みたいな可能性は、「ない」ことが確認されている

 

よくある誤解②:ワクチン接種をすると、脳卒中や心筋梗塞、塞栓症を起こしやすくなる?

 これも、もし本当にワクチン接種が原因で起きているのであれば、「ワクチン接種者」で「発症率が高い」という現象が観察されるはずです。当然、これらの”薬害リスク”についても全世界で検証が行われ続けていますが、確認されているのは「ワクチン接種によって増えることはなさそう」という現象です。

(その報告の一例)
N Engl J Med.385(12):1078-1090,(2021) PMID:34432976
→ワクチン接種者88万人と非接種者88万人の心疾患・血栓症の発生率を比較した調査。ワクチン接種者では、脳卒中・心筋梗塞・腎障害のリスクは変わらないか低かった(※心筋炎の発症率は高い)。

Clin Microbiol Infect. 30(5):666-673,(2024) PMID:38331252
→新型コロナ(オミクロン株)感染後の心臓・脳・肺・腎臓・膵臓などの病気の発生率を、ワクチン接種者760万人と非接種者40万人で比較した調査。心不全・心停止・心筋梗塞・不整脈・肺塞栓症・COPD・急性腎不全・透析・急性膵炎などの発生率は、いずれもワクチン接種者で低かった

Nat Commun.15(1):1716,(2024) PMID:38403654
→117万人の、感染後1年間の心血管疾患と全死因死亡率を調べた調査。心血管トラブルを起こす率や全死因死亡率は、ワクチン未接種者で最も高く、ワクチン接種回数が多いほど率は低くなった

JAMA.331(21):1795,(2024) PMID:38728044
→これまでに報告されたデータを踏まえた、米国科学・工学・医学アカデミーのレポート。mRNAワクチンに、心筋梗塞・不妊症・血栓症・ギランバレー症候群を誘発するような潜在的リスクはない、と結論(※ただし、稀ではあるものの心筋炎のリスクは確認)。

 

 また、そもそもこれらの疾患が増えて”死亡率”が高くなっているといった可能性も、①に記載した通り既に否定されています。そのため、ワクチン接種が原因で脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなるかもしれない、といった心配をする必要は、全くありません。

 なお、新型コロナウイルス感染症にかかると、脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクが何倍にも高まり1,2,3)、特にその症状が重症であればあるほどそのリスクは高くなる1)こともわかっています。つまり、ワクチン接種をしておけば、もし新型コロナにかかったときにも脳卒中や心筋梗塞を起こしにくくなるので、むしろ安心してもらえたらと思います。

1) Nat Med.28(3):583-590,(2022) PMID:35132265
2) Circulation.146(12):892-906,(2022) PMID:36121907
3) Cardiovasc Res.119(8):1718-1727,(2023) PMID:36652991

 

知っておけば惑わされない

・ワクチン接種をしても、脳卒中や心筋梗塞、塞栓症は増えない
・ワクチン接種をしておけば、もし感染したときに脳卒中や心筋梗塞、塞栓症を起こしにくい

 

よくある誤解③:新型コロナの後遺症は、本当はワクチンの後遺症?

 そもそも、ワクチンがまだ存在していなかった2020年の流行期から既に後遺症は既に報告されていますので、その主張は明らかにデタラメです。

(その報告の一例)
Ann Intern Med.174(4):576-578,(2021) PMID:33175566
→2020年3~7月に入院した新型コロナの患者488人を対象にした調査。32.6%に呼吸困難や咳、疲労感、味覚障害などの多様な後遺症が存在していた。

 

 また、ワクチンを接種していない人の方が、こうした後遺症を何倍も起こしやすい、という報告が多数あります。 

(その報告の一例)
BMJ Med.2(1):e000385,(2023) PMID:36936268
→新型コロナの後遺症を調査した16件の研究の統合解析。後遺症のリスクは、ワクチン接種1回で21%、2回接種で59%、3回接種で73%軽減された。

N Engl J Med.391(6):515-525,(2024) PMID:39018527
→オミクロン株流行期の後遺症リスクを、合計523万人のワクチン接種者と非接種者で比較した調査。1年間の後遺症持続率は、ワクチン接種者で3.50、ワクチン非接種者で7.76

Int J Infect Dis.136:136-145,(2023) PMID:37717649
→カナダでワクチン接種者と非接種者の後遺症リスクを比較した調査。罹患から2ヶ月後の後遺症有病率は、ワクチン接種者で3.92、ワクチン非接種者で6.56。また、後遺症の症状の数・重さも、ワクチン接種者の方が少なく、軽かった。

Hum Vaccin Immunother.19(2):2226575,(2023) PMID:37357433
→新型コロナ感染4週間後の症状を、ワクチン接種者と非接種者で比較した調査。疲労・不眠・発熱・息切れ・痛みなどが持続している率は、ワクチン接種者の方が大幅に低かった

Nat Commun.15(1):4101,(2024) PMID:38778026
→アメリカの医療システムを用いて、32万人の新型コロナ後遺症を調べた調査。後遺症を抱えている率は、ワクチン非接種者よりワクチン接種者の方が低かった

JAMA.332(1):5-6,(2024) PMID:38848092
→アメリカの全成人の6.9%にあたる1,780万人に新型コロナ罹患後の後遺症があり、その罹患率はワクチン非接種者よりもワクチン接種者の方が低かった

 

 つまり、ワクチン接種をしておいた方が、”後遺症”の症状に悩まされるリスクは低く抑えられる、ということです。現在のところ、後遺症の明確な治療方法は確立していません。そのため、後遺症に悩まされるのは嫌だなぁと感じるのであれば、むしろワクチン接種をしておいた方が良いことになります。ワクチン接種を後悔する必要は全くありません。

 

ワクチンが原因ではないことにして、治療を放棄している?

 HPVワクチンに関する啓発活動でも同様の攻撃方法が行われていますが、そもそも「原因を問わず困っている症状を何とかする」のが医療です。
 「職場でうつされた風邪は治療するけど、旅行先でうつされた風邪は治療しません」みたいなことが無いように、ワクチンが原因であるかどうかとは関係なく治療は行われますので、こういったデマ情報で不安に感じる必要はありません。

 なお、ワクチンとは関係ない症状を「ワクチン後遺症」と安易に決めつけることは、本当の原因究明や有効な治療法を遠ざけることになるため注意が必要です(可能性がゼロということではなく、疑う優先順位は低い、ということです)。

知っておけば惑わされない

・後遺症は、ワクチンが登場する前からある
・後遺症は、ワクチン接種で減らせる

 

よくある誤解④:ワクチン接種をした人の方が、「がん」になっている?

 確かに、ワクチン接種をした人の方が「がん」になっている、という論文が2024年に発表され話題になりました。が、その論文は”不正”と”捏造”によって歪められた主張であったことが確認され、既に撤回処分を受けています1)。

1) Cureus.16(4):e57860,(2024) PMID:38721172 ※撤回済みの論文

 つまり、「そんな事実は最初から何も確認されていなかった」ということなので、「ワクチン接種をしたら、がんになるのではないか?」という不安を感じる必要は全くありません。

論文が撤回されたのは「圧力」か?

 この撤回処分を「圧力だ!隠蔽だ!」と騒いでいる人たちも居ますが、実際のところは、下記のような問題点から「示されたデータで、その結論を導くことはできない」と真っ当に評価されただけです。

(指摘された問題点の例)
1.時間的な相関だけで因果関係を決めつけている(論理の飛躍)
2.統計学的有意差のなかったものまで「増えた」と結論づけている(捏造)
3.「がんによる死亡」に対し、より合理的に説明できる「検診や手術の遅れ」という既存の報告を無視している
4.喫煙や飲酒といった、「がん」に関係する要素が考慮されていない
5.Discussion部分が動物実験データと薬理作用からの類推ばかりで、自研究の限界点への言及、先行研究の参照が行われていない

 

 ちなみに、コロナ禍では日本でも一部の「がん」による死亡が増加したことは事実ですが、これは別の調査で、外出自粛の影響で「がん検診へのアクセスが悪化したこと」「抗がん剤による治療を受けなかった人が増えたこと」が、原因として最も強く関係している、ということが既に確認されています2)。

2) Int J Cancer.155(8):1422-1431,(2024) PMID:38794791

 

知っておけば惑わされない

・「がん」が増える、という論文は不正&捏造論文だった
・コロナ禍の日本で「がん」による死亡が増えたのは、受診控えが主な要因

 

よくある誤解⑤:ワクチンを接種すると不妊になる

 なりませんワクチン接種が始まった2021年春からある話ですが、この可能性は既に明確に否定されていますので、無視してもらってOKです。

(その報告の一例)
Vaccine.S0264-410X(22)01118-5,(2022) PMID:36137903
→ワクチン接種が生殖能力にどう影響するかを調査した、29件の研究の統合解析。男女の生殖能力は下記の通り、ワクチン接種者と非接種者で何も変わらなかった

 なお、新型コロナに感染した場合は、男性では症状の重さに応じて精子の質が大きく低下する1,2,3)、女性では卵巣への潜在的な悪影響の存在が示唆されている4)ため、不妊を気にするのであれば、むしろワクチン接種をして感染リスクを下げた方が合理的です。

1) Andrologia.53(9):e14157,(2021) PMID:34268784
2) J Reprod Immunol.160:104140,(2023) PMID:34991109
3) Sci Rep.14(1):8132,(2024) PMID:38584153
4) Cells.11(9):1431,(2022) PMID:35563737

 

ワクチンが「卵巣」に蓄積する?

 これも2021年からあるデマ情報ですが、その根拠だと主張されている薬物動態試験の資料の該当部分には、「主に肝臓、脾臓、副腎および卵巣への分布がみられ」という文言が確かにありますが、その後ろに投与から8~48時間がピークであること、その量も0.095%以下と極めて微量であることが記載されています1)。
 つまり、接種した微量のワクチンの、更に0.095%以下というごく微量が、接種から8~48時間をピークに一時的に「分布」はするが、その後は消失しているということです。これを「蓄積」と言うのは明らかなデタラメです

1) SARS-CoV-2 mRNA Vaccine (BNT162, PF-07302048) 2.6.4 薬物動態試験の概要文 ※該当の箇所は6ページ

 

知っておけば惑わされない

・ワクチンが「生殖能力に影響しない」ことは、多くの調査で確認済
・ワクチンが卵巣に”蓄積”することはない
・むしろ新型コロナにかかると生殖能力に悪影響が出る

 

よくある誤解⑥:ワクチン接種者から有毒物質が発せられている(シェディング)?

 これも2021年春からあるデマ情報ですが、一部界隈が”シェディング”と称している、「ワクチン接種者から何らかの有毒物質が放出され、周囲の人が健康被害を受ける」などといった現象は、現実世界では全く確認されていません。
 具体的なリスクを指摘する研究結果、可能性を示唆する調査報告などは一切存在しませんので、完全な与太話として聞き流してもらって大丈夫です。

※海外でもファクトチェックで否定済
https://leadstories.com/hoax-alert/2024/02/fact-check-covid-19-vaccine-shedding-is-not-real.html

 

ファイザーの公式資料にシェディングの根拠が載っている?

 載っていません。ワクチンの治験プロトコル資料にある「ワクチンの薬液を吸い込む・触れるなどした女性が妊娠した場合は、報告してください」という項目を、「ワクチン接種者からワクチンの成分が発せられている」と魔改造・超解釈したものが”シェディング”というデマ情報の発端の1つではあります。

Pfizer PF-07302048 (BNT162 RNA-Based COVID-19 Vaccines) Protocol C4591001 ※該当の記載は67ページ

 

 現在、この”シェディング”の話は何が出所かわからないほど拡散・改変が繰り返されており、ワクチン接種者から発せられる”有毒物質的なもの”も「ワクチンの成分」「ウイルス蛋白」「なにかしらの毒物」「悪臭」「放射線」「謎の波動」などなど、言ったもん勝ちの状態で定義すら定まっていないくらいグダグダでお粗末な話になっています。
  ワクチン接種者からワクチンの成分が放出されていて、近くにいるだけで免疫を獲得できるならなんて便利なんだろう、もう注射なんて要らない!

 もし本当にワクチン接種者の呼気や汗から有毒物質が発せられているのであれば、実際にデータをとってちゃんと論文として発表すれば良いだけなのですが、3年半も経っているのに誰もやらないのは何故ですk(ウワナニヲスr

 

知っておけば惑わされない

・ワクチン接種者から有毒物質が発せられている、なんてことは無い
・”シェディング”と称する現象は、主張している人たちの定義すらグダグダ

 

よくある誤解⑦:ワクチン接種で帯状疱疹になる?

 新型コロナのワクチン接種によって、帯状疱疹が少し増えるという報告もあります1)が、ワクチン接種者と非接種者で帯状疱疹の発症率は変わらないという報告もあります2)。
 つまり、現状では増えるのか増えないのかよくわからない、ということですが、これはもし増えたとしても”はっきりとは観察できない程度の量”である、とも言えます。ワクチン接種のメリットが上回る、という評価が変わることはありません。

1) Eur J Med Res.28(1):278,(2023) PMID:37559096
2) Open Forum Infect Dis.11(6):ofae287. PMID:38868305

 

 なお、帯状疱疹は50歳以上の人でよく起こりますが、帯状疱疹のワクチンを接種しておくことで90%以上の発症を防ぐことができます。帯状疱疹が心配な方は、こちらのワクチン接種もぜひ一度検討してみてください。

 

知っておけば惑わされない

・新型コロナのワクチン接種で帯状疱疹は増えないか、もし増えたとしてもごくわずか
・帯状疱疹は、帯状疱疹のワクチン接種で防げる(50歳以上)

よくある誤解⑧:一度かかっていれば、もう対策は必要ない?

 新型コロナウイルス感染症は、依然として世界中で流行しているので、一度かかった人でも二度、三度とかかることがあります。その再感染時には、1回目の感染よりも死亡リスクが2.1倍、重症化リスクが3.3倍、各種後遺症リスクが2~3倍ほど高いことがわかっています1)ので、対策をした方が無難です。

1) Nat Med.28(11):2398-2405,(2022) PMID:36357676

 

知っておけば惑わされない

・再感染は、1回目の感染よりも死亡・重症化・後遺症リスクが2~3倍高い

 

以前からよくある誤解について

 「治験をしていない」とか「不妊になる」、「卵巣に蓄積する」、「接種した方が重症化する」などといった従来からよくある誤解については、2021年の記事を参照してください。

 ◆よくある誤解②:mRNAワクチンは、ちゃんと臨床試験をしていない

◆よくある誤解⑧:mRNAワクチンを接種すると、心筋炎を起こすから危険

◆よくある誤解⑨:ワクチンを接種すると、血栓ができやすくなる?

◆よくある誤解⑩:ワクチンには水銀や胎児の細胞が入っているから危険

 ◆よくある誤解⑪:妊娠中はワクチンを接種してはいけない

◆よくある誤解⑱:若い人は感染しても大して困らないから、ワクチン接種のメリットが低い

◆よくある誤解㉑:ワクチンが卵巣に蓄積するから危険

◆よくある誤解㉒:変異株にはワクチンが効かない

◆よくある誤解㉔:感染歴があったら、ワクチンを接種しなくても良い

◆よくある誤解㉕:知らない間に「プラセボ」を接種される可能性がある

◆よくある誤解㉘:副反応がなかったら抗体ができない

◆よくある誤解㉙:ワクチンを接種すると、かえって重症化する(例:ADE)

◆よくある誤解㉚:感染者に占めるワクチン接種者の割合が高いから、ワクチンは無意味・逆効果

◆よくある誤解㉟:ワクチン接種回数が増えれば増えるほど、重症化しやすくなる

◆よくある誤解㊱:ワクチン接種でギランバレー症候群になるから接種しない方が良い

◆子どもへのワクチン接種について

 

その他、最近よくあるコメント

・ワクチンに不利な論文は掲載されない!
→心筋炎のリスクを指摘する論文(PMID:34237049,34916207,34347001)や、変異株に対して有効性が低下した可能性を指摘する論文(PMID:35021002,36450402,36754426)など、たくさん掲載されています。論文が掲載されないのは、その論文の質や内容に問題があるからと考えるのが妥当です。

・論文じゃなくて現実を見ろ!
→前から何度も言っていますが、現実に起きたことをきちんと調査・解析した結果を報告しているものが論文です。「自分の周囲で確認できたことだけを”現実”と呼ぶ」ような視野の狭い考え方には注意が必要です。

・「副反応」や「有害事象」と呼ぶのは、薬害を隠すためだ!
→全然違います。日本小児科学会にわかりやすい説明があるのでどうぞ。
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_A-04hukuhannou_20240401.pdf

・死者が多い”死のロット番号”がある!
→「高齢者を中心に接種していた時期」に使われていたロット番号なだけじゃないですかね。

・ワクチンを解毒する方法を教えろ!
→そんな必要はないですし、”解毒”と称して販売されている数々のインチキ商品や未承認薬物なんかを使う方が圧倒的に危ないです。

・ナントカ学会が緊急声明を出した!
→学会名鑑(https://gakkai.scj.go.jp/)に記載のある”ちゃんとした学会”かどうか、まずは確認してみてください。もし掲載されていなければ、「学会」という名がついただけの謎の団体です。

・ワクチンには、医療従事者の間でも賛否両論ある!
→ありません。実際の調査で、医療従事者の9割以上が推奨していることが確認されています(Vaccine . 2021 Jul 22;39(32):4481-4488. PMID:34210575)。なお、反対している人は勉強不足、とも分析されています。

・ちゃんと勉強したら、ワクチンには反対するのに!
→新型コロナのワクチンに反対している人は、「客観的な知識に乏しいが自信だけは過剰」という傾向がある、という研究結果が複数あります(Sci Adv . 2022 Jul 22;8(29):eabo0038. PMID:35857847)(Soc Sci Med . 2018 Aug;211:274-281. PMID:29966822)。

・新型コロナなんてもう流行していない!
→2023年5月から「全数把握」はしなくなりましたが、その後も「定点観測」は行われ続けています。現在の流行状況→https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

・新型コロナにかかって死ぬ人なんていない!
→2023年の日本の人口動態統計では、新型コロナウイルス感染症は、日本人の死因の8位(2.4%)に挙げられています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai23/dl/gaikyouR5.pdf

・科学ではわからないこともあるんだ!
→その通りです。なので「現時点で既にわかっていること」をベースにお話しております。「科学ではわからないこともある」という言葉は、「科学で既に明らかにされていることを否定する」ためのものではありません。

・ワクチンでまた儲けたいのか!
→私はワクチンを販売していないので、そもそもこれまで1円も儲けていません。

・また製薬企業からお金をもらったんだろ!
→またも何も、以前からこのワクチンに関係してどこからも1円もお金はもらっていません。お金で主張が変わると思う方は、ぜひ一度Amazonギフトカード等でも良いのでお送りください。それで私の主張が変わるかどうかを確認できると思います(2024年8月時点では1ptも送られてきておりません)。

・ワクチンを接種したら10年後に死ぬ
→最初は「1年」とか「3年」とか言ってませんでしたか。なんでしれっと期間を延ばしてるんですか。

・「デマ」と言う根拠を出せ!
→これも前から言っていますが、「デマ」とは根拠のない誤情報のことです。強いて言えば、貴方がご自分の主張の客観的根拠となる資料を何一つ示していないのが「デマ」だと言われる根拠になります。なお、YouTubeの動画や謎記事の切り抜き画像は客観的根拠とは言いません。査読済の学術論文や公的機関の資料の提示をお願いします。

・レプリコンワクチンで日本でも死者が続出している!
→日本でレプリコンワクチンの接種はまだ始まってもいないので、とりあえず落ち着いてください。

・本文も絵も読んでいませんが、自己主張が多いだけでなにを言いたいかがわかりませんでした
→読んでもいないのに「自己主張が多い」とわかったんですか、すごいですね。そのエスパー能力をぜひ世の中の役に立ててください。

・ワクチンの話にはりついていて、暇なんですか?
→とんでもない、いろんな〆切に追われていて超忙しいです。忙しいので、デマを広めないで欲しいです。ワクチンに関するブログを書けたのも3年ぶりです。

・なんでTwitter(現X)でブロックするんですか?
→人と対話する態度じゃない、言葉遣いが汚い、誹謗中傷や差別発言がひどいアカウントとは関わりたくないので、見かけたらブロックしております。 
 なお、前回に引き続き暴言や誹謗中傷についてはすべて記録し、法的対応を行っていきますので、前科持ちになりたい方や慰謝料・損害賠償等の支払いをしたい方以外はお控えくださいませ(´・ω・`)

  

 

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