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抗ヒスタミン薬 ステロイド(内服)

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『セレスタミン』ってどんな薬?~アレルギーへの相乗効果と副作用、ステロイドの含有量

回答:抗ヒスタミン薬の『ポララミン』と、ステロイドの『リンデロン』を足した薬

 『セレスタミン』は、抗ヒスタミン薬の『ポララミン(一般名:d-クロルフェニラミン)』と、ステロイドの『リンデロン(一般名:ベタメタゾン)』の2種類の薬が配合された薬です。
セレスタミン
 「抗ヒスタミン薬」と「ステロイド」を組み合わせることで、相乗効果によって強力にアレルギーや炎症を抑えることができます。
 また、『セレスタミン』は速く効くため、薬疹やアレルギー性鼻炎などの症状が酷い時に使われます。

 ただし、ステロイドを含んでいるため長期で使い続けることはせず、酷い時にだけピンポイントで使います。
 また、「抗ヒスタミン薬」を含んでいるため、眠くなりやすい薬です。飲んでいる間は、自動車運転などは避ける必要があります。

回答の根拠①:「抗ヒスタミン薬」と「ステロイド」を配合する目的~相乗効果

 『セレスタミン』には、「抗ヒスタミン薬」と「ステロイド」が含まれています。

※『セレスタミン』配合錠に含まれる成分 1)
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩:2mg ※『ポララミン』の成分
ベタメタゾン:0.25mg ※『リンデロン』の成分

 1) セレスタミン配合錠 添付文書

 この2つの薬を併用することで、抗ヒスタミン作用において相乗効果が発揮され、より強力にアレルギー症状を抑えることができます2)。
 更に、半分の「ステロイド」の量で同じだけの抗炎症作用が発揮されることもわかっています2)。
ステロイドと抗ヒスタミンの相乗効果
 2) セレスタミン配合錠 インタビューフォーム

 こうした点から、『セレスタミン』は高い効果を得ながら、「ステロイド」の使用量を減らすことができる配合になっています。

回答の根拠②:急性期の切り札として

 『セレスタミン』は、漫然と使用しないよう注意喚起がされています1)。これは、「ステロイド」は必要最低限の量を、最短期間で使うのが基本だからです。
 また、「第一世代の抗ヒスタミン薬」である「d-クロルフェニラミン」は即効性に優れた薬ですが、眠気などの副作用も出やすいという弱点があります。

 そのため、『セレスタミン』も慢性的なアレルギーには使わず、急性期の切り札として使います。特に、速く強力な効き目が必要な蕁麻疹型の薬疹に対しては『セレスタミン』が推奨されています3)。

 3) 南江堂 「今日の治療薬(2016)」

ステロイドの長期使用は、どのくらいからが長期なのか

 一般的に、「ステロイド」の長期使用による骨粗鬆症のリスクが高まるのは、「プレドニゾロン」換算量で1日7.5mgを6ヶ月以上続けた場合とされています4)。

 4) 日本骨代謝学会 「ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン(2014)」

 『セレスタミン』は1錠で「プレドニゾロン」換算量2.5mgとされています1)。そのため、通常の1日2回の服用であれば量的な問題もないと考えられます。
 また、アレルギー症状に対して1~2週間使う程度では、期間的にも全く問題はありません。

 ただし、「ステロイド」の使用方法は、その人の状況や症状によって様々な例外があります。疑問や不安がある場合には必ず主治医やかかりつけの薬剤師に相談するようにしてください。

薬剤師としてのアドバイス:「アレルギーの薬」という認識は間違い

 『セレスタミン』は、花粉症などで症状が酷い場合にも処方される薬です。

 しかし、『セレスタミン』には「ステロイド」も含まれているため、他の『アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)』などの「アレルギーの薬」と同じ認識で扱うことは危険です。

 『アレグラ』のようにしばらく続けて使うべき薬と、『セレスタミン』のように酷い時にピンポイントで使うべき薬は、それぞれ薬の目的を理解し、混同しないようにしてください。

+αの情報:「配合錠」という表記があれば、2つ以上の薬が含まれている

 1錠にたくさんの有効成分が含まれている市販薬と異なり、医療用の薬は1つの錠剤に1つの有効成分、というのが基本です。病院で薬をもらった方が、見た目の薬の量(錠数)は多くなるものの、実際の薬の量は少なくなるのはこのためです。

 しかし、医療用の薬であっても2つ以上の成分が含まれるものもあります。そういった薬は他の薬と明確に区別するために、必ず「配合錠」や「配合顆粒」など、2つ以上の薬を配合していることが明記されています。

 それぞれ、より効果を高めたり、副作用を減らしたりする目的で、複数の薬が配合されています。

※2つ以上の薬が配合されている薬の例
『オーグメンチン配合錠』・・・サワシリン + クラブラン酸
『ハーボニー配合錠』・・・ソホスブビル + レジパスビル
『ヴィキラックス配合錠』・・・オムスタスビル + パリタプレビル + リトナビル
『シナール配合顆粒』・・・アスコルビン酸 + パントテン酸
『コンプラビン配合錠』・・・クロピドグレル + アスピリン
『レザルタス配合錠』・・・オルメサルタン + アゼルニジピン
『コディオ配合錠』・・・バルサルタン + ヒドロクロロチアジド
『メネシット配合錠』・・・レボドパ + カルビドパ

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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■日経メディカル開発
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