花粉症に『アレグラ』、いつから飲み始めるのが良い?~ガイドラインでの推奨と、身体への蓄積
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回答:花粉が飛び始めた日から、前もって飲み始めておく
『アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)』は、花粉が飛び始めた日から前もって飲み始めることが勧められています。
アレルギーの薬は、飲めばすぐに効き始める、というわけではありません。花粉症の症状がひどくなってからでは、薬の量も増え、症状が治まるのにも時間がかかってしまいます。
そのため、早めに病院を受診していつもの薬を処方しておいてもらい、「花粉飛散予測日」もしくは「症状が少しでも現れ始めた時点」から薬を飲み始めることをお勧めします。
回答の根拠①:花粉症に対する『アレグラ』の使い方~用法とガイドラインの推奨
花粉症は、予測が可能なアレルギーです。そのため、予め対応しておくことで重症化を防ぐことができます。
このことから『アレグラ』などの「抗ヒスタミン薬」は、花粉症の症状が酷くなってから飲むのではなく、花粉が飛び始める前、症状が少しでも現れた時から続けて飲んでおくことが推奨されています。
※『アレグラ』添付文書の記載 1)
季節性アレルギーに使用する場合は、好発季節の直前から投与を開始し、その季節が終了するまで続ける
※鼻アレルギー診療ガイドラインの記載 2)
「第二世代抗ヒスタミン薬」は、飲んでから治療効果が現れ始めるまでに要する時間を考慮し、「花粉飛散予測日」または「症状が少しでも現れた時点」で内服を開始する。
1) アレグラ錠 添付文書
2) 日本アレルギー学会 「鼻アレルギー診療ガイドライン~通年性鼻炎と花粉症」,(2013)
ギリギリまで我慢すると、かえって薬の量は増える
薬を飲む量や期間は少しでも減らすために、我慢できないほど症状が酷くなるまで病院を受診しない、という方がおられます。
しかし、症状が酷くなってからではかえって薬が増え、治療も長引いてしまうことになります。
回答の根拠②:身体に蓄積するような薬ではない
『アレグラ』を用法やガイドラインで勧められる通りに、花粉が飛び始める前から、花粉が飛び終わる時期まで服用を続けると、比較的長い期間にわたって薬を飲み続けることになります。
しかし、数ヶ月に渡って飲み続けたとしても、薬が身体に残ることはありません3)。
3) アレグラ錠 インタビューフォーム
これは『アレグラ』に限らず、他の「抗ヒスタミン薬」でも同じですので、身体への蓄積や毒性を心配する必要はありません。
薬剤師としてのアドバイス:花粉症は、眠くならない薬で治療を
アレルギーの薬、「抗ヒスタミン薬」は副作用で眠くなることがあります。
そのため、薬を飲むことで仕事の作業効率が落ちたり、勉強の集中力が落ちたりといったトラブルが起こる場合があります。
せっかく花粉症の不快な症状が治っても、薬の副作用で作業効率や集中力が落ちてしまっては本末転倒です。
こうした副作用の出方には個人差も大きいため、自分にとって良く効いて眠くならない薬を選ぶことが重要です。医師には症状・効き具合、眠気などを具体的に伝え、自分に合った薬を選べるようにしてください。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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