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抗ヒスタミン薬 副作用

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『クラリチン』は眠くならないの?~自動車や航空機操縦能力に対する影響

回答:眠気は少なく、自動車運転にも問題がない薬

 「眠気」が出やすい「抗ヒスタミン薬」の中で、『クラリチン(一般名:ロラタジン)』は『アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)』と並んで、最も「眠気」が出にくい薬とされています。

 特に『クラリチン』は、パイロットの航空機操縦能力にも影響しなかったことが報告され、自動車運転などが必要な人にも処方されることの多い薬です。

 ただし、「眠気」の感じやすさは個人差も大きいため、人によっては『アレグラ』や『クラリチン』を使っていても「眠気」を感じる可能性があります。
 また、無自覚のうちに集中力や判断力が低下する「インペアード・パフォーマンス」が起こるリスクもあります。

 アレルギーを抑える薬は多種ありますので、眠たさや作業効率の低下が気になった場合には、薬の変更も含めて主治医と相談することをお勧めします。

回答の根拠:自動車や航空機操縦能力に対する影響

 「抗ヒスタミン薬」のうち、自動車運転に対する注意喚起が記載されていないのは、『クラリチン』と『アレグラ』の2種だけです1,2)。
抗ヒスタミン薬と自動車運転
 1) クラリチン錠 添付文書
 2) アレグラ錠 添付文書
 
 これは、『クラリチン』と『アレグラ』は「眠気」を催すことが少なく、集中力や判断力を低下させることも少ないからです。
 特に、『クラリチン』はパイロットの航空機操縦能力にも影響しないことが証明されています3)。

 3) Am J Rhinol.6(1):23-27,(1992) ※PubMed外

自動車運転の際には注意するよう記載されているもの

『アレジオン(一般名:エピナスチン)』
『エバステル(一般名:エバスチン)』
『タリオン(一般名:ベポタスチン)』

自動車運転などに従事させないよう記載されているもの

『ザイザル(一般名:レボセチリジン)』
『アレロック(一般名:オロパタジン)』
『ジルテック(一般名:セチリジン)』
『ポララミン(一般名:d-クロルフェニラミン)』
『レスタミン(一般名:ジフェンヒドラミン)』
『ザジテン(一般名:ケトチフェン)』
・・・他、抗ヒスタミン薬全般

 アメリカ合衆国ではワシントンD.C.を含めた30以上の州で、「抗ヒスタミン薬」を服用した状態での自動車運転が法律で禁じられています。

薬剤師としてのアドバイス:気付かない内に、集中力や判断力が落ちることも

 「抗ヒスタミン薬」の服用で「眠気」を感じなくとも、気付かない内に集中力や判断力が落ちてしまうこともあります。
 こういった、無自覚のうちに情報処理能力が低下してしまう「インペアード・パフォーマンス」は、自動車運転時の危機回避能力にも直結します。

 そのため、自動車運転が必要な人や、仕事で長時間運転する必要がある人などは、できるだけ影響の少ない『クラリチン』や『アレグラ』を選ぶ必要があります。

 ただし、くしゃみや痒みなどのアレルギー症状でも、当然ながら集中力や判断力は落ちることがあります。
 薬を使うことによってトータルで集中力や判断力を回復できる場合には、たとえ運転手であってもよりシャープな効き目の『ザイザル』を使用するといったケースもあります。

 「抗ヒスタミン薬」の効果・副作用の出方には個人差も大きいため、自身に合った薬を見つけることが重要です。効き目や眠気、集中力や判断力に疑問を感じた場合には、きちんと主治医と相談することをお勧めします。

+αの情報①:眠気の少ない新薬も登場している

 「抗ヒスタミン薬」には、という新しい薬が登場しています。
 どちらも眠くなりにくく、集中力や判断力への影響も少ない薬で、自動車運転に対する制限もされていません。

+αの情報②:『クラリチン』は妊娠中・授乳中にも使うことがある

 妊娠中や授乳中は、安全に使用できる「抗ヒスタミン薬」は限られています

 『クラリチン』は妊娠中や授乳中でも使うことができる薬で、自動車運転への少ない影響も含め、非常に使い勝手の良い薬と言えます。

※『クラリチン』の妊娠中・授乳中の安全性評価
妊娠中・・・オーストラリア基準「B1」
授乳中・・・Medications and Mothers’ Milk「L1」

 
 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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