世界保健機関(WHO)が、日本の子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種状況について言及~「根拠薄弱」と懸念
積極的な接種再開に至っていない状況に警告
「子宮頸がん(HPV)ワクチンは受けるべき?」という記事でも紹介したとおり、世界保健機関(WHO)はワクチンの安全声明を出し、また日本産科婦人科学会は積極的な接種再開を求める声明を発表しています。
これらは全て、ワクチンによって防げる死をこれ以上放置しないよう、若い女性を救うためのものです。
ところが、厚生労働省は未だに積極的な接種再開に踏み切っていません。この姿勢に対して今回、世界保健機関(WHO)は「薄弱な根拠によって、若い女性をヒトパピローマウイルスによるがんの危険に晒している」として、日本の対応を非難する声明を発表しました1)。
1) 共同通信社 2015年12月24日
薬剤師としてのアドバイス:正しい情報に基づいた判断を
現在、子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種は禁止されているわけではありません。
「積極的な接種の勧奨」は中断されている状態ですが、希望すればいつでも接種が可能です。
ワクチン接種を受けるべきかどうかの判断には悩むと思いますが、必ず正しい情報や知識に基づいて判断するようにしてください。
受ける・受けないに関わらず、誤解や偏見に基づいた判断をしてしまっては、将来の後悔につながります。
色々と不安を煽るような情報も多いですが、悩んだ場合はかかりつけの医師や薬剤師など、必ず専門家に相談するようにしてください。
+αの情報
2016年3月17日の報道によると、東アジア人種特有の遺伝子型が副反応を起こす要因になっている可能性が示唆されています。
これが本当であれば、日本で最初に多くの副反応が起きたことにも説明がつきます。遺伝子型によって治療を変えるテーラーメイド医療は、薬だけでなくワクチンなどにも必要である可能性があります。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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