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抗ヒスタミン薬 市販薬・OTC

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『アレグラFX』と『アレグラ』は同じ薬?~副作用(眠気・口渇)の少ない抗ヒスタミン薬

回答:全く同じ薬

 OTCの『アレグラFX』と処方薬の『アレグラ』は、どちらも有効成分「フェキソフェナジン」の、全く同じ薬です。「抗ヒスタミン薬」の中では、眠気や口の渇きといった副作用が最も少ないのが最大の特徴です。

 ただし、OTCの『アレグラFX』は15歳未満の子どもには使用できないことに注意が必要です。

 『アレグラFX』は、2015年11月1日から「要指導医薬品」から「第一類医薬品」に分類が変更され、より購入しやすくなっています。
 

回答の根拠:有効成分、添加物の比較

 『アレグラFX』と『アレグラ』の有効成分と添加物は以下のとおりです1,2)。

※1錠に含まれる有効成分「フェキソフェナジン」
『アレグラFX』・・・60mg
『アレグラ』・・・60mg ※ただし小児用は1錠30mg

※使われている添加物
『アレグラFX』・・・結晶セルロース、部分α化デンプン、クロスカルメロースNa、ステアリン酸Mg、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、ポピドン、酸化チタン、マクロゴール400、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄

『アレグラ』・・・結晶セルロース、部分α化デンプン、クロスカルメロースNa、ステアリン酸Mg、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、ポピドン、酸化チタン、マクロゴール400、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄

※『アレグラ』OD錠では添加物が異なります。

 1) アレグラFX錠 説明文書
 2) アレグラ錠 添付文書

 以上のことから、『アレグラFX』と『アレグラ』は全く同じ錠剤であると言えます。

詳しい回答:市販薬では、用法・用量の制限がより厳しく設定されている

 『アレグラ』に限らず、医療用の薬と全く同じ有効成分を使っている市販薬では、用法・用量の制限がより厳しく設定されていることがあります(例:『ロキソニンS』と『ロキソニン』の用法・用量の違い)。

 これは、医師・薬剤師の目が届きにくい市販薬では、より安全が確保された範囲で使用する必要があるからです。

 『アレグラ』では、使用できる年齢に若干の差があります。

※用法・用量の比較(年齢制限)
『アレグラFX』・・・15歳以上は、1回1錠(60mg)、1日2回
『アレグラ』・・・12歳未満は1回30mgを1日2回、12歳以上は1回60mgを1日2回
アレグラFXの年齢制限

 病院で処方された場合、12歳であれば1回60mgで使用できますが、市販薬では15歳以上でなければ使用できません。

 同じ薬なら使っても良いのでは、と思われるかもしれませんが、用法・用量を守らずに薬を使った場合、万が一大きな副作用に見舞われた場合にも補償を受けることができません
 そのため、”医療用なら使っているのだから”と12~14歳の子どもに『アレグラFX』を使うことは全くお勧めできません。

薬剤師としてのアドバイス:抗ヒスタミン薬は、眠気が出やすい

 『アレグラ』などの「抗ヒスタミン薬」は、眠気が出やすい薬です。

 しかし、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を抑える効果も非常に高いため、市販の風邪薬にも様々な「抗ヒスタミン薬」が含まれています。
 そのため、眠気が困るのであれば「抗ヒスタミン薬」を含まない風邪薬を選ぶ必要があります。

 『アレグラ』や『クラリチン(一般名:ロラタジン)』は、「抗ヒスタミン薬」の中では最も眠くなりにくいとされていますが、個人差も大きく人によっては眠気を感じることもあります。
 また、眠気を感じなくとも、無自覚なまま集中力が低下する「インペアード・パフォーマンス」の問題も指摘されています。

 自動車を運転する場合などは、特に注意して薬を選ぶ必要があります。必ず医師・薬剤師と相談の上、使用するようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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