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薬の飲み方 子どもの薬

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牛乳・ミルクに薬を混ぜたらダメなのは何故?~相互作用と好き嫌い

回答:牛乳・ミルク嫌いになってしまうから

 牛乳・ミルクと混ぜても、薬の効果には影響しない薬がほとんどです。
 しかし、子どもが薬の混ざった牛乳・ミルクを飲むと、牛乳・ミルクを嫌いになってしまう恐れがあります。
牛乳やミルクと薬を混ぜない方が良い理由
 特に、乳幼児が牛乳・ミルクを嫌いになってしまうと、栄養補給の観点から非常に問題です。

 こうした好き嫌いへの影響から、牛乳・ミルクに限らず、米やうどんなどの主食、豆腐や乳酸食品などの栄養価の高い食品に薬を混ぜることは、基本的にお勧めしていません。

回答の根拠①:条件反射で牛乳・ミルクも飲まなくなる恐れがある

 牛乳・ミルクに薬を混ぜようとする時は、既に薬だけではなかなか飲んでくれない状況になっていることがほとんどです。
 このとき、牛乳・ミルクに薬を混ぜて無理に子どもに飲ませようとすると、子どもが「牛乳・ミルク=薬が混ざっているもの」と認識し、普段から牛乳・ミルクを嫌って飲まなくなってしまいます。

 確かに薬を飲ませることも重要ですが、今後の成長や食生活を考えると、こうした飲ませ方はあまり適切とは言えません。

 できるだけ、ジュースやゼリー、アイスクリームなど、主食とはならないような飲料・食品と混ぜることをお勧めします。その際、薬によって飲みやすくなる飲料・食品はそれぞれ異なることに注意が必要です。

※混ぜると飲みやすくなる飲料・食品の例
クラリス:バニラのアイスクリーム、練乳、ココアパウダー、プリン
クラバモックス:オレンジジュース、チョコアイス
タミフル:チョコアイス、スポーツドリンク

 
 ただし、味の好みは人それぞれです。混ぜることで本人がより飲みやすく感じるのであれば、必ずしもダメというわけではありません。

回答の根拠②:「カルシウム」との相互作用

 薬の中には、牛乳・ミルクと混ぜると吸収が悪くなってしまうものがあります。

※牛乳・ミルクと混ぜると吸収が低下する薬の例
『オゼックス(一般名:トスフロキサシン)』
『ミノマイシン(一般名:一般名:ミノサイクリン)』
『ビブラマイシン(一般名:ドキシサイクリン)』

 これは、牛乳・ミルクに含まれる「カルシウム」と薬が複合体(キレート)を形成してしまうことによって起こります。そのため、ミネラルウォーターなど、「カルシウム」を豊富に含む飲料でも同様の注意が必要です。

 こうした相互作用を避けるため、通常は薬と2~3時間の間隔をあける必要があります1)。

 1) ミノマイシン錠 添付文書
 

薬剤師としてのアドバイス:薬の服用意義をきちんと子どもにも理解させる

 そもそも、薬とは本来苦くて不味いものです。そんな苦くて不味いものを飲まなければならないのは、いまの病気を治すためです。そのことを正しく理解させ、きちんと自分で薬を飲ませることが理想です。

 今の子ども用の薬のほとんどは、甘い味付けがされていて非常に飲みやすく工夫されています。まずは水に溶かすだけで飲ませてみるようにしてください。

 どうしても嫌がる場合には、その薬に適した混ぜ方を選び、特に抗生物質などはきちんと最後まで飲み切れるようにしてください。

 

+αの情報①:ミルクと混ぜる方が使いやすい薬もある

 乳児の乳糖不耐症に用いる『ミルラクト(一般名:β-ガラクトシダーゼ)』は、ミルクと混ぜて服用することができます。
 この『ミルラクト』は、水と混ぜるよりもミルクに混ぜた方がより安定することが知られています。

+αの情報②:ハチミツは1歳未満には使わない

 ハチミツと混ぜることでも、薬は飲みやすくなります。しかし、ハチミツは滅菌処理されていない食品のため、免疫が確立していない1歳未満の子どもには使わないようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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