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抗生物質 子どもの薬

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抗生物質で下痢をしている。薬を止めさせるべき?~我慢すべき下痢と、危険な下痢を見分けるポイント

回答:基本的には飲み続ける、脱水症状のリスクがあれば医師と相談を

 抗生物質は、腸内細菌の「良い菌」もやっつけてしまうため、お腹の調子を崩すことがよくあります。

 しかし、これは一時的なもので、薬を飲み終われば元に戻ります。
抗生物質と下痢2
 抗生物質を途中で止めると、「耐性菌」が生まれる原因にもなり、次から薬が効かなくなってしまう恐れもあります。「脱水症状」を起こしそうなくらいの酷い下痢をしている、下痢でぐったりしている、といったことが無い限り、抗生物質は途中で止めずに最後まで飲み切るようにしてください。

 もし酷い下痢をしているような場合でも、自己判断で治療を中止してしまわず、医師と相談して薬の継続・変更についての指示を仰ぐようにしてください。

回答の根拠①:抗生物質と腸内細菌のバランス~一時的な下痢・軟便

 抗生物質による軟便・下痢は、よくある副作用の一つです。

 抗生物質は細菌を退治する薬ですが、感染症の原因となっている病原菌と一緒に、腸内細菌の善玉菌にも影響します。その結果、腸内細菌のバランスが崩れて軟便・下痢を起こすことがあります
抗生物質~病原菌と腸内細菌
 つまり、抗生物質による軟便・下痢は、薬が何か内臓に悪さをした結果起こるものではなく、腸内細菌のバランスの崩れによって起こる一時的なものです。薬を飲み終えれば元に戻るため、心配の必要はありません。

回答の根拠②:下痢と脱水のリスク

 多少の軟便・下痢であれば気にする必要はありませんが、下痢もひどくなると「脱水症状」を起こす恐れがあります。
 そのため、脱水症状を起こす恐れがある(水のような便が出る、下痢でぐったりしている)といった場合には、下痢止め(例:)や整腸剤(例:『ビオフェルミンR』など)の追加処方、薬の変更といった対応を医師と相談するようにしてください。
抗生物質による下痢とその対応
 このとき、自己判断で服用を止めると、細菌が薬に対する「耐性」を獲得し、次から薬が効きにくくなってしまう恐れがあります。抗生物質を飲み続けるべきかどうかは、必ず医師と相談して決めるようにしてください。

薬剤師としてのアドバイス①:自己判断で薬を止めないこと

 抗生物質でお腹の調子を崩す人は非常にたくさん居ます。
 しかし、少し下痢・便秘になったからといって抗生物質を自己判断で止めてしまうと、感染症の治療ができないばかりか、耐性菌の原因となって次から同じ薬が使えなくなってしまう恐れもあります。

 自己判断で薬を中断してそのままにしておく、ということは、感染症の治療・耐性菌の予防という両面で非常に危険です。

 そのため、薬を続けるべきかどうか悩んだ場合でも、酷い下痢で薬を飲み続けられなかった場合でも、必ず医師に連絡して今後の対応を相談するようにしてください。

薬剤師としてのアドバイス②:下痢では電解質も失う

 ひどい下痢や嘔吐をした場合、水と同時に体内の電解質も失っています。そのため、水だけを補給していても、水と電解質のバランスが崩れて「脱水症状」を起こす恐れがあります。
水と電解質4
 水分補給の際には、スポーツドリンクなど、電解質も一緒に補給できるものを選ぶ必要があります。

+αの情報:抗生物質は、症状が良くなっても最後まで飲み切る

 先述のように、中途半端な使い方で抗生物質を使うと、「耐性菌」の原因になります。そのため、処方された抗生物質は、途中で症状が良くなってきても最後まで飲み切るようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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