『ロキソニン』は、子どもに飲ませても良い?~解熱鎮痛薬の選び方、『カロナール』を勧める理由
回答:ダメ、『カロナール』を使う
『ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)』は、小児(15歳未満)への適用はなく、使用できません。そのため、解熱鎮痛薬を使用する場合は、『カロナール(一般名:アセトアミノフェン)』を選ぶ必要があります。
回答の根拠①:用量の問題~半分に割ってもダメ
『ロキソニン』は、小児への保険適用がありません。そのため、小さな子どもへの投与を想定しておらず、子ども用の用量設定もありません1)。1) ロキソニン錠 添付文書
大人用の薬は、半分に割ったからといって子ども用の用量になるわけではありません。絶対に、自己判断で大人の薬を半分に割って、子どもに飲ませないでください。
勝手な薬の使い方をして副作用が起きた場合は、「医薬品副作用被害救済制度」による補償を受けることもできないため、勝手な使用は全くお勧めできません。
回答の根拠②:「インフルエンザ脳症」のリスク
小さなお子さんに解熱鎮痛薬が必要となるケースとして、インフルエンザが挙げられます。 しかし、インフルエンザの時に『ロキソニン』などのNSAIDsを使用すると、「インフルエンザ脳症」を誘発する恐れがあります。
そのため、インフルエンザの可能性が疑われるような高熱の場合には、安易に解熱鎮痛薬は使ってはいけません。
※「インフルエンザ脳症」はほとんどが乳幼児で起こりますが、大人でもリスクはゼロではありません。
一方、『カロナール(一般名:アセトアミノフェン)』は、インフルエンザの時にも安全に使用できる薬です。そのため、小さなお子さんの解熱薬としては『カロナール』を使用することが推奨されています2)。
2) 日本小児神経学会 「インフルエンザ脳症はどうしたら予防できますか?」
なお、『カロナール』は錠剤の他に粉薬やシロップもあり、乳幼児の段階から体重に合わせて(1kgあたり10~15mg)使用することができます3)。
3) カロナールシロップ 添付文書
薬剤師としてのアドバイス:使って良いのは15歳が目安
同じ成分である市販薬の『ロキソニンS』は、15歳未満への使用が不可とされています4)。これを参考に、15歳になれば『ロキソニン』の使用も可能と考えるのが妥当です。4) ロキソニンS錠 添付文書
15歳までの間は『カロナール』を使用するか、小児用の市販薬を選ぶことを強くお勧めします。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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