眠れないほど痛みが強いのに、鎮痛薬を処方してもらえない。何故?~医師とのコミュニケーションのススメ
回答:正しく医師に伝わっていない可能性を考える
副作用のリスクなど、何らかの理由によって処方しないこともあります。しかし、多くの場合は医師に悩みが正しく伝わっていないことが原因です。受診する際には漠然と「痛い」とか「眠れない」とだけ伝えるのではなく、「夜も眠れないほど痛くて困っている」とか、「寝付きは良いけど夜中に必ず目が覚めてしまう」といったように、今困っていることを具体的に伝えるようにしましょう。
具体的に、正しく症状を医師に伝えることによって、もっと適切な治療を受けられるケースが多々あります。市販薬や健康食品などに頼る前に、まず医師とのコミュニケーションが十分に成立しているかどうかを確認しましょう。
正しく伝えることで処方が変わる可能性のある例
肩がずっと痛い → 肩の痛みで、夜も眠れなくて困っている咳がしんどい → 咳がずっと続いていて、夜も眠れなくて困っている
眠れない → 布団に入っても1時間以上、寝付けない
頭が痒い → 綺麗に整髪しても頭が痒く、フケが出るので困っている
患者の訴えは、重要な判断材料
”痛み”などの主観的な症状については検査によって数値化することができないため、患者の訴えから症状を推察するしかありません。この場合、患者の訴えは症状を推察する最も重要な要素です。そのため丁寧に、具体的に、症状を医師に伝える必要があります。「痛い」と伝えるだけでは、いつ、どういった時に、どんな風に痛み、それによって生活にどのような支障があるのか?といったことまでわかりません(※痛みの種類によって鎮痛薬も変わります)。
通常、薬を使わなくて済むのであれば、使わないのが基本です。
「痛い」という主張が、それほどでもなさそうだな、と判断されると、鎮痛薬は処方されません。それほどでもないかどうか正しく判断してもらうためには、具体的に症状を医師に伝える必要があります。
望む治療を伝えることも重要
自分がどういった治療を受けたいのか、を医師に伝えることも重要です。多少は薬が多くなっても全く痛みのない生活を取り戻したいのか、多少は痛みが残っても良いからあまり薬を使いたくないのか、それによっても治療方針は大きく変わります。
自分がどういった”ゴール”を設定しているのか、望む治療を受けるために自分の希望もきちんと医師に伝えるようにしましょう。
薬剤師としてのアドバイス:短い受診時間を有効活用するために
医師も人間です。伝えていないことまで超能力で理解してくれるわけではありません。医師と円滑なコミュニケーションをすることが重要です。そのために、伝えるべきことは事前にメモ書きするなど、伝え漏れがないように準備をしましょう。
お勧めしているメモ書きの内容例
1. 前回の受診時から、良くなったこと2. 前回の受診時から、悪くなったこと
3. 今の生活で、困っていること
4. 今回の受診で、希望すること
また、どう伝えたら良いか困っている場合には、受診する前に薬局で事前に”どうやって医師に伝えたら良いか”を相談することも可能です。特に門前薬局であれば、薬剤師が医師の癖や性格についても理解していることが多く、どういった伝え方をすると良いかアドバイスをしてもらえることもあります。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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