下剤の『プルゼニド』、寝る前に飲むのは何故?~効果発現までの時間
回答:翌朝のお通じのため
『プルゼニド(一般名:センノシド)』は、服用してから効果が現れるまでに8時間程度かかります。そのため、寝る前に服用することで、翌朝にちょうど薬が効いてくるようになります。
翌朝、効果の現れるタイミングが遅いという場合には、服用を寝る前から少し早めて調整することも可能です。
回答の根拠:腸内細菌で変換される必要があるため、時間がかかる
『プルゼニド』の作用発現時間は、8~10時間です1)。そのため、「寝る前」に限らず、お通じを期待する8~10時間前を目途に服用するのが最適です。
1) プルゼニド錠 インタビューフォーム
『プルゼニド』は、薬が大腸に到着した後、腸内細菌の作用で「レインアンスロン」に変換される必要があります。この「レインアンスロン」が大腸の蠕動運動を活発にする作用を発揮します2)。
こうした変換が必要なため、『プルゼニド』は服用から効果が得られるまでに若干の時間がかかります。
2) Pharmacology.20(Suppl 1):50,(1980) PMID:7375506
薬剤師としてのアドバイス:人によっては夕食後の方が良いことも
厳密には、『プルゼニド』を服用するタイミングは、用法として特に指定されていません3)。
一般論として、寝る前に服用すると翌朝に効果が得られることが多いため、「寝る前」として処方されることがありますが、睡眠薬のようにきっちり「寝る前」に飲まなければならない薬ではありません。
3) プルゼニド錠 添付文書
ただし、生活リズムによっては、「寝る前」に服用していると出勤途中に薬が効いてくる等のトラブルが起こる恐れもあります。
そうした場合には”効果を期待する8~10時間前”を意識し、自分にとって最適な服用のタイミングを探すようにしてください。
なお、同じ下剤でも酸化マグネシウム製剤である『マグミット』等は作用が全く異なり、『プルゼニド』よりも早く効果が現れるのが一般的です。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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