AUC(血中濃度-時間曲線下面積)って何のこと?
回答:利用できる薬の総量を意味する
AUC(Area Under the blood concentration-time Curve)は、血中濃度の曲線の積分値(面積)のことです。
AUCは”どのくらいの濃度で、どのくらいの時間、薬が体内で作用を発揮したのか?”を示します。
濃度と時間の両方を考慮した指標
AUCは、血中濃度×時間で表され、最高血中濃度(Cmax)や半減期(t1/2)の要素も含めた総合的な指標になっています。
血中濃度は高くなるものの消失が速い薬や、体内に長く残るものの血中濃度が低いままの薬では、どちらもAUCが高くなりません。
一般的に、AUCが大きいことは薬をたくさん利用できることを意味し、具体的には高い効果が得られる、あるいは副作用が強く出るといったことを意味します。
AUCで考える薬の用法や相互作用
AUCは、同じ投与量で食前・食後の吸収効率を比較したり、薬同士の相互作用によって体内動態にどんな影響が出るかを考えるときによく用います。
※AUCが用法を考える基準になるものの例
『ドラール(一般名:クアゼパム)』・・・食後に飲むと、AUCが約2倍になって危険
『イトリゾール(一般名:イトラコナゾール)』・・・カプセルの用法は食直後、空腹時に飲むと33%にまで低下
※AUCが相互作用を考える基準になるものの例
水虫の薬『イトリゾール』と、睡眠薬『ハルシオン(一般名:トリアゾラム)』
→『ハルシオン』のAUCが27倍にまで上昇
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
この記事へのコメントはありません。