「タコ」と「ウオノメ」は何が違うの?
回答:皮膚の内と外、どちらに病変が進むか
「タコ」と「ウオノメ」はどちらも皮膚が硬くなる、角質が増殖する皮膚病変です。
「タコ」は、皮膚の表面が厚くなって、盛り上がってくるようにできます。
「ウオノメ」は、皮膚の表面から”楔(くさび)”のように、中へ向かって食い込むようにできます。
「ウオノメ」は痛い
「ウオノメ」は、皮膚の角質層から真皮層にかけて、「楔(くさび)」のように増殖した角質が食い込んでいくようにできます。
真皮層の下には神経が走っています。そのため、力が加わるとこの「楔」が神経を圧迫し、痛みを感じます。
「タコ」は皮膚の表面が硬くなるだけなので痛みはなく、逆に刺激に対して鈍感になります。また、「タコ」は足に限らず、皮膚に頻繁に刺激がかかるとどこにでもできます(例:ペンだこ)。
薬剤師としてのアドバイス:治療は、”正しい診断”が前提
「タコ」や「ウオノメ」は、基本的には放置しても特に問題ありません。また、『スピール膏(一般名:サリチル酸)』は硬くなった皮膚を剥がす作用で、「タコ」や「ウオノメ」を治療できます。この薬は市販もされています。
しかし、こうした治療も”正しい診断”が前提です。自己判断で「タコ」や「ウオノメ」と判断してしまうことには危険が伴います。感染症など別の皮膚病には、「タコ」や「ウオノメ」と区別がつきにくい症状で現れるものがあるからです。
中には、足にできた悪性腫瘍を「タコ」と思い込んでいたために発見が遅れてしまった、というようなケースもあります。
また、糖尿病を患っている人は、末梢の血流が悪化しているために、足などが化膿しやすい状態にあります。適切な治療を行わなかった場合、「タコ」や「ウオノメ」から化膿や細菌感染を起こしてしまう恐れもあります。
皮膚に異変があった場合には一度、きちんと皮膚科を受診することをお勧めします。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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