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ステロイド(外用) 外用剤

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『ドボベット』ってどんな薬?~これまで混合できなかった「ビタミンD3」と「ステロイド」、塗布の手間を4分の1に

回答:1日1回の塗布で良い、「ビタミンD3」と「ステロイド」の配合薬

 『ドボベット』は、「ビタミンD3」と「ステロイド」を配合した、尋常性乾癬の治療薬です。

 「ビタミンD3」は、『ドボネックス(一般名:カルシポトリオール)』と同じ成分です。
 「ステロイド」は、『リンデロンDP(一般名:ベタメタゾンプロピオン酸エステル)』と同じ成分です。
ドボベット~ビタミンD3とステロイドの混合
 「ビタミンD3」と「ステロイド」は混ぜると不安定になってしまうため、これまでは患者が自分で2つの薬を個別に重ね塗りするか、多少の効力低下は承知で混合してしまうか、しか選択肢がありませんでした。

 『ドボベット』は、この「ビタミンD3」と「ステロイド」の安定した混合を実現した薬です。

 また、『ドボベット』は1日1回の塗布で良いため、「ビタミンD3」と「ステロイド」をそれぞれ朝夕2回ずつ(計4回)塗布しなければならなかった手間を、大幅に減らすことができます。

回答の根拠①:安定しなかった「ビタミンD3」と「ステロイド」の混合

 「保湿剤」と「ステロイド」のように混ぜても安定する薬の場合は、薬を塗る手間を減らすため、医師の指示によって薬局で薬を混ぜてお渡しすることがあります。

 しかし、酸性に弱い「ビタミンD3」製剤と、薬自体が酸性寄りな「ステロイド」外用剤は、混ぜると薬が不安定になってしまうため、多くの場合は安易に混ぜることができません1)。
ビタミンD3とステロイドの混合
 1) 「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック―処方・調剤の適正使用ガイド」 じほう社

 ただし、混ぜると瞬時に効果がゼロになってしまうわけではないため、薬を塗る手間の方が問題になるようなケースでは、多少の効力低下は承知の上で混合する場合もあります。

 『ドボベット』は、このように安定するpHが異なる2つの薬を、化学的に安定させて混合することに成功した薬です2)。

 2) ドボベット軟膏 インタビューフォーム

回答の根拠②:『ドボベット』を使えば、薬を塗る手間は4分の1以下に

 『ドボネックス』や『オキサロール(一般名:マキサカルシトール)』など従来の「ビタミンD3」製剤は、1日2回塗布する必要があります3)。
 更に、これらの「ビタミンD3」製剤と併せて「ステロイド」を重ね塗りする場合、2種類の薬を1日2回、つまり合計で1日4回も薬を塗らなければなりません。

 3) ドボネックス軟膏 添付文書

 しかし『ドボベット』は、1日1回だけの塗布で済みます4)。
ドボベット~塗布の手間が4分の1に
 4) ドボベット軟膏 添付文書

 つまり、『ドボベット』であれば薬を塗る回数は4分の1になり、非常に少ない手間で使うことができます。

 乾癬の治療では、薬を塗る手間が面倒なため、症状がマシになると薬を使わなくなってしまい、また症状をぶり返してしまう、といった悪循環を繰り返すことが少なくありません。
 手間の少ない『ドボベット』は、こうした治療の難しさを解決できる薬として期待されています。

薬剤師としてのアドバイス:顔には原則、使わない

 『ドボベット』は顔への塗布ができません。
 
 これは、『ドボベット』に含まれる「ステロイド」の強さがランクⅡに該当するためです。皮膚が薄い顔に、強いランクの「ステロイド」を使うことはできません
 また、もともと「ビタミンD3製剤」は顔に使うと刺激を感じることもあり、原則使わないこととされています。これは『ドボネックス』と同じです。

 つまり、含まれる2種の薬が両方とも顔には適していない『ドボベット』は、顔には原則使いません。

 
 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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