「お薬手帳」には色々書きこんで、確実な情報共有のツールとして活用せよ
「お薬手帳」が広く普及し、その利用価値についても理解してもらえるようになってきました。実際に薬局で勤務している中でも、「お薬手帳」があったから気づいて対応・改善できた、ということがよくあります。今は紙の手帳をいちいち持ち運ばないといけないシステムですが、いずれはスマートホン等の「アプリケーション」として、より高機能な「電子版のお薬手帳」を使えるようになるはずです。
しかし、それはまた少し先のお話。今の紙の手帳でも、ただ持っているだけではもったいない、もっと巧く使う方法があります。
薬剤師として「お薬手帳」をいつも確認している立場から、3つの使い方を提案します。これを実践して頂ければ、薬代の節約、副作用の回避、備忘録、医師や薬剤師への確実な伝言など、確実な情報共有のツールとしても活用することができます。
※平成28年4月より、「お薬手帳」を持参することで薬局での支払い料金が安くなる可能性があります。
提案①:家に残っている薬の量を書いておく
毎日きちんと薬を飲んでいても、どういうわけか余ってくることがあると思います。家に残った薬は勝手に使うわけにもいかず、他人にあげるわけにもいかず、処理に困るものです。 そんな時は、「お薬手帳」の薬の名前の横に、余った薬の錠数や包数を書き込んでおきましょう。そうすることで、薬剤師が処方される薬の量を調節してお渡しすることが可能です。
当然、減らした分の薬の費用はかかりませんので、薬代を節約することができます。1錠や2錠程度であれば予備として保管しておいてもらうのが良いですが、20錠~30錠と増えてきた時には、意外と薬代の節約が可能です。
提案②:気になったことを書き込む
「お薬手帳」は、何を書き込んで良いものです。薬を使って気になったことは、薬の名前の横にでも書き込んでおきましょう。”よく効いた”とか、”全然効かなかった”とか、あるいは”眠くなった”、”不味かった”、”臭かった”、”錠剤が大きかった”等々・・・何でも良いです。”よく飲み忘れる”、でも良いです。
そういった書き込みがあれば、薬剤師として具体的な対応策をアドバイスできます。
もちろん、薬剤師に直接相談してもらっても良いのですが、混雑していて相談しづらいこともあったり、そもそも相談するのを忘れていたり、といったことがよく起こります。
「お薬手帳」に直接書き込んでおけば、万が一当日に聞き忘れていても、薬剤師側から改善のアドバイスを持ちかけることが可能です。薬剤師としても事前に質問内容を把握できるので、説明資料を準備するなどの対応もでき、より詳しいアドバイスを聞けるようになります。
また、「お薬手帳」の最初のページには、副作用が起きた薬の名前や、アレルギー歴を記録しておくページがあるのをご存知でしょうか。
このページに必要事項を記入しておき、問診票を書く際には”手帳参照”と書いて省略する、といった使い方をしている「お薬手帳」ユーザーもおられます。手帳が新しくなっても、そのページだけ使い回すのも賢い方法です。
提案③:付箋をつけて、確実に見てもらう
薬剤師が「お薬手帳」を確認するとき、なかなか古いページも含めて全ての隅々にまで目を通すのは困難です。 何かを書き込んだ時や、忘れず確認してもらいたいことがある際には、確実にそのページを見てもらえるように『カラー付箋』を貼っておきましょう。「お薬手帳」に付箋が貼ってあると、薬剤師はほぼ確実に「おや?」と思ってそのページを確認します。
若干の手間をおかけしますが、この『カラー付箋』は薬剤師として非常に助かります。より確実な情報共有の方法として知っておいて頂けると嬉しく思います。
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