目薬は1滴だけで本当に効くの?~点眼1滴と、目に収容できる液体の量
回答:1滴より多くさしても無駄になる
医療用の目薬は通常1滴で十分に効果があるように設計されています。
市販のもので、目に入ったゴミを洗い流すような目薬の場合はたくさん使う必要がありますが、薬であれば1滴で十分です。用法・用量が1回1~3滴となっているものでも、1滴を確実に目に入れることができるのであれば、1滴で十分なものがほとんどです。
特に2滴、3滴を使用するよう指導された場合は、その指示に従うようにしてください。
回答の根拠:目に収容できる液体の量は決まっている
目に収容できる液体の量は約30μLです。この30μLのうち、常に目を潤している涙が約7μLほどありますので、約23μLほどしか収容力が残っていません。
通常、点眼液の1滴は約50μLです。つまり、1滴だけであっても既にオーバーしてしまう設計と言えます。
収容力をオーバーした分は、目からあふれてしまうか、「涙点」を通って鼻・喉へと流れていってしまい、無駄になってしまいます。
薬剤師としてのアドバイス:目をパチパチさせるのは間違い
目薬をさした後、目をパチパチとまばたきさせる人が多いです。これをすると目薬が目全体に行き届くような気がしますが、逆効果です。まばたきをすると目薬は「涙点」からどんどん流れ去っていってしまいます。
目薬を効果的に使うためには、目薬をさした後、目を静かに閉じて、”涙点”のある目頭をしばらく軽く抑えたままにする必要があります。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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