『ロキソニン』は何分で効き始めて、どのくらい効果が続くの?
回答:早くて15分、遅くとも50分で効き始めて、7時間程度は効果が続く
『ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)』は、早ければ15分以内、遅くとも50分で効き始める、即効性に優れた薬です。効果は平均して7時間程度続きますが、5~6時間ほどで痛みがぶり返してくることもあります。
鎮痛効果の現れ方や効果の持続時間は、痛みの種類や強さ、薬を飲んだ人の体質などによって大きく変動するため、あくまで一般的な指標として参考にしてください。
回答の根拠①:『ロキソニン』の即効性
『ロキソニン』は即効性に優れた鎮痛薬です。実際に、服用から15分以内に52%、30分以内に84%の人が効果を実感できたとする報告があります1)。1) ロキソニン錠 インタビューフォーム
また、『ロキソニン』を服用すると、血中濃度は0.79時間で最大になり、その後1.31時間ごとに半分に減っていきます2)。
Tmax:0.79±0.02 (時間)
半減期:1.31±0.05 (時間)
2) ロキソニン錠 添付文書
そのため、遅くとも薬の血中濃度が最大になる0.79時間(約47分)後までには、鎮痛効果が現れてくると考えられます。
回答の根拠②:『ロキソニン』の持続性
『ロキソニン』の鎮痛効果は、平均して7時間程度持続すると言われています3)。しかし、5~6時間経つと痛みがぶり返すという報告もあります4)。
3) 歯科ジャーナル.39(6):893-903,(1994)
4) 日本口腔外科学会雑誌.35(2):524-529,(1989)
半減期が1.31時間(約1時間15分)であることから考えると、
1時間15分で50.0%
2時間30分で25.0%
3時間45分で12.5%
5時間00分で 6.25%
6時間15分で 3.125%
7時間30分で 1.5625%
・・・といった血中濃度の推移をします。
つまり、7時間後には服用した薬のうち2%程度しか血液中に残っていません。そのため、7時間後には多少の鎮痛効果はまだ多少残っているとしても、再び痛みを感じるようになっているケースも多いと考えられます。
薬剤師としてのアドバイス:『ロキソニン』は全ての痛みに効くわけではない
『ロキソニン』は即効性に優れた薬ですが、飲んで1分や2分では効きません。『ロキソニン』を飲んだのに痛みが治まらない、と次々に薬を追加で飲まないようにしてください。 通常の痛みであれば、『ロキソニン』1錠で治まるのが一般的です。
『ロキソニン』1錠では痛みが治まらない場合、神経の痛みや片頭痛、胃が荒れて痛む場合の腹痛など、そもそも『ロキソニン』が適していない痛みの可能性もあります。
そのため、1錠飲んでも痛みが一向に治まらない場合は、安易に薬の量を増やす増やす前に、そもそも『ロキソニン』で治まる痛みなのかどうか、きちんと病院を受診することをお勧めします。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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