■サイト内検索


スポンサードリンク

薬の飲み方 子どもの薬

/

『キプレス』の「チュアブル錠」を噛まずに飲みこんでしまった。どうしよう?

回答:飲み込んでしまった場合は、そのままで構わない

 『キプレス(一般名:モンテルカスト)』の「チュアブル錠」は、口の中で溶かすか、噛み砕いてから飲む薬です。

 『キプレス』の「チュアブル錠」は、そのまま飲み込んでしまっても、効果に大きな影響はありません。そのため、吐き出して飲み直す、という必要はありません。
キプレスのチュアブル錠
 しかし錠剤のサイズも大きく、喉につっかえやすいため、基本的には噛み砕く・溶かしてから服用することをお勧めします(※『シングレア』の「チュアブル錠」も同様)。

 ただし他の薬の「チュアブル錠」には、きちんと噛み砕かなければ十分な効果が得られないものもあるため、注意が必要です。

回答の根拠:「チュアブル錠」の正しい用法と、錠剤の溶けやすさ

 「チュアブル錠」は、普通の錠剤と異なり、咀嚼して(噛み砕いて)服用する薬です。
 『キプレス』の「チュアブル錠」も使用上の注意として、「口の中で溶かすか、噛み砕いて服用すること」と記載されています1)。

 1) キプレスチュアブル錠 添付文書

『キプレス』の「チュアブル錠」の溶解性と、「崩壊剤」の添加

 『キプレス』の「チュアブル錠」は、添加物に崩壊剤の「クロスカルメロース」が使われています1)。そのため、水に入れただけでも錠剤はある程度溶けます。
キプレスチュアブル錠と崩壊剤
 実際、溶出試験でも20分で85%以上が溶け出すことが確認されている2)ため、錠剤のまま飲み込んだ場合でも、胃の中で薬の大部分は溶け出し、効果を発揮すると考えられます。

 2) 第十七日本薬局方 「モンテルカストナトリウムチュアブル錠」

薬剤師としてのアドバイス:そのまま飲む場合、喉につっかえないよう注意

 『キプレス』の「チュアブル錠」は、錠剤が苦手な子どもでも飲みやすいよう、ラムネ等のお菓子感覚で飲めるように設計された薬です。
 噛み砕いた際の味が苦手な場合などは、そのまま飲み込む方法で服用しても、基本的に問題はありません。

 ただし、「チュアブル錠」は大人用の錠剤よりもサイズが大きいため、喉につっかえることを防ぐためにも、少し砕く、半分に割るなどしてから服用することをお勧めします。

+αの情報:そのまま飲んではいけない「チュアブル錠」もある

 「チュアブル錠」の中には、そのまま飲んでしまうと十分な効果が得られないものもあります。特に、「崩壊剤」が使われていない錠剤は、水に入れただけでは溶けず、そのままの状態で排泄されてしまう場合もあります。
チュアブル錠2
 咀嚼が必要な「チュアブル錠」は、必ず十分に(10回以上)噛み砕いてから服用するようにしてください。

※「崩壊剤」が使われていない、咀嚼が必要な「チュアブル錠」の例
『ホスレノール(一般名:炭酸ランタン)』
『デノタス(一遍名:沈降炭酸Ca + コレカルシフェロール + 炭酸Mg)』

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

■主な活動

【書籍】
■羊土社
薬の比較と使い分け100(2017年)
OTC医薬品の比較と使い分け(2019年)
ドラッグストアで買えるあなたに合った薬の選び方を頼れる薬剤師が教えます(2022年)
■日経メディカル開発
薬剤師のための医療情報検索テクニック(2019年)
■金芳堂
医学論文の活かし方(2020年)
服薬指導がちょっとだけ上手になる本(2024年)

 

【執筆】
じほう「調剤と情報」「月刊薬事」
南山堂「薬局」、Medical Tribune
薬ゼミ、診断と治療社
ダイヤモンド・ドラッグストア
m3.com

 

【講演・シンポジウム等】
薬剤師会(兵庫県/大阪府/広島県/山口県)
大学(熊本大学/兵庫医科大学/同志社女子大学)
学会(日本医療薬学会/日本薬局学会/プライマリ・ケア連合学会/日本腎臓病薬物療法学会/日本医薬品情報学会/アプライド・セラピューティクス学会)

 

【監修・出演等】
異世界薬局(MFコミックス)
Yahoo!ニュース動画
フジテレビ / TBSラジオ
yomiDr./朝日新聞AERA/BuzzFeed/日経新聞/日経トレンディ/大元気/女性自身/女子SPA!ほか

 

 

利益相反(COI)
特定の製薬企業との利害関係、開示すべき利益相反関係にある製薬企業は一切ありません。

■ご意見・ご要望・仕事依頼などはこちらへ

■カテゴリ選択・サイト内検索

スポンサードリンク

■おすすめ記事

  1. 『キサラタン』と『チモプトール』、同じ緑内障の点眼薬の違いは…
  2. 『オーグメンチン』と『サワシリン』、同じ抗生物質の違いは?~…
  3. 『セレネース』と『リスパダール』、新旧の統合失調症の薬の違い…
  4. 今さら聞けないインフルエンザの予防接種の話~ワクチンの効果と…
  5. 『ナウゼリン』と『プリンペラン』、同じ吐き気止めの違いは?~…
  6. 『ゾフルーザ』と『タミフル』、同じインフルエンザ治療薬の違い…
  7. 「リン酸コデイン」は12歳未満に使っても良い?~呼吸抑制と日…

■お勧め書籍・ブログ

recommended
recommended

■提携・協力先リンク

オンライン病気事典メドレー

banner2-r

250×63

スポンサードリンク
PAGE TOP