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知っておくべきこと 検査値

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「MRI」や「CT検査」、レントゲンと何が違うの?

回答:何を調べたいのか、によって検査方法が変わる

 レントゲンでは平面でしか見られなかった人体の構造を、コンピューターで解析して立体や断面でも見られるようにしたものが「CT」です。

 「MRI」ではレントゲンやCTのように”X線”を使わず、磁力の力を使って人間の縦横の横断面や構造、病変を画像化する方法です。

 単純に「レントゲン→CT→MRI」とバージョンアップしてきたわけではなく、それぞれ得意な分野が異なるため、何を調べたいかによって方法を選びます。

レントゲン

 レントゲンは、”X線”を使う検査方法です。X線は、色々な物質を通過します。その際、通過した物質の硬さによって吸収される量が変わります。
 そのため、吸収される量の差=硬さの違いが、白黒の濃淡となって画像に現れます。

 例えば人間であれば、

骨:硬いのでX線をあまり透過しません。そのため、白くなって画像に現れます。
血液、筋肉:ある程度のX線を吸収するため、白っぽい灰色で画像に現れます。
脂肪:柔らかいので、ほとんどX線を吸収しません。そのため、黒っぽい灰色で画像に現れます。
空気:X線がそのまま通過します。そのため、肺や消化管など空っぽの部分は黒く表示されます。

 この白黒の濃淡によって組織に異常が起きていないかどうかを確認します。

◆長所
・検査時間が短い
・値段が安い

◆短所
・平面なので重なり合った組織を解析できない
・放射線を使う

CT:Computed Tomography

 「CT」はComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略称です。

 レントゲンでは、X線を一方向から照射しないため、重なり合った組織などを解析することができません。「CT」では身体の周りを回転しながらX線を照射し、身体の断面図や立体画像を得ます。

 レントゲンと同様に検査時間が短く、断面や立体図で身体を見られるため、細かい診断が可能です。そのため、クモ膜下出血や脳内出血など救急を要する患者の状態を、手早く把握する際の検査として最も適した方法です。

 しかし、レントゲンよりも多量のX線を照射することや、検査時には造影剤も使うことが多いことなど、負担が多きくなる傾向にあります。

◆長所
・断面や立体図で検査できる
・検査時間が短い

◆短所
・レントゲンよりも被爆量が多い
・造影剤を使う際は負担も大きい

MRI:Magnetic Resonance Imaging

 「MRI」はMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略称です。

 人間の身体には多くの水が含まれています。この水には水素原子が含まれていますが、MRIではこの水素原子の微弱な磁気を読み取ります。
 これによって、水の僅かな分布差、濃度差を画像化します。

 多くの場合、病変が起こっていると組織に異常があり、水分の分布や濃度が周囲と変わるため、病変がどの場所にあるのか、どの程度の大きさになっているのか、といった診断が可能です。  

 レントゲンや「CT」とは異なり、X線を使用しないため、放射線被爆がありません。また、造影剤も必要ないため、身体の負担も少ないことが特徴です。

 しかし、検査時間が30分~1時間と非常に長く、また磁力を使うため心臓ペースメーカー等の金属機器を身体に埋め込んでいる人は検査できません。
 また、被験者がこの30分~1時間のあいだ、狭い空間でじっとしていなければならず、閉所恐怖症などでこれができない場合には検査を受けられないことがあります。

 こうした特性上、呼吸で常に動き続ける肺や、水分量が少ない骨を詳細に検査することは難しく、肺や骨の検査はCTの方が適しています。

◆長所
・放射線被爆がゼロ
・断面や立体図で検査できる

◆短所
・検査時間が長い
・狭い場所でじっとしていなければならない
・肺や骨を詳細に検査できない

必要に応じて選択し、ときにはCTとMRIの両方の検査を受けることも

 レントゲン、CT、MRIにはそれぞれ得意分野と苦手分野があります。MRIが最新で万能、レントゲンは時代遅れ、というわけではありません。

 必要に応じて適切な検査方法を選び、ときにはCTとCRIの両方の検査を受ける必要があることもあります。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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