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抗真菌薬 外用剤

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『クレナフィン』ってどんな薬?~爪水虫に効く初めての塗り薬

回答:爪の水虫に効く、初めての外用剤

 『クレナフィン(一般名:エフィナコナゾール)』は、塗り薬としては初めて、爪の水虫「爪白癬」に対する保険適用が認められた薬です。

 これまで、「爪白癬」は『イトリゾール(一般名:イトラコナゾール)』や『ラミシール(一般名:テルビナフィン)』などの飲み薬で治療する必要がありました。
 しかし、これらの薬は他の飲み薬との飲み合わせが悪かったり、肝臓への負担が問題になったりと、特に高齢者では使用が制限されるケースが多く、「爪白癬」の治療が難しいとされる要因になっていました。

 『クレナフィン』は、こうした併用薬や肝臓への負担を気にせず、塗り薬だけで「爪白癬」の治療ができる画期的な薬です。

回答の根拠:「ケラチン」に対する低親和性で実現できた治療

 『クレナフィン』は、爪の主成分である「ケラチン」への吸着率が85.7%と、他の抗真菌薬の98.1~99.5%よりも低いのが特徴です1)。

 1) クレナフィン爪外用液 インタビューフォーム

 爪白癬を治療する場合、爪そのものである「爪甲」だけでなく、爪の裏側と接触する皮膚の「爪床」まで薬を浸透させ、深部に潜む白癬菌も退治する必要があります。
 従来の抗真菌薬は、「ケラチン」との親和性が高過ぎるため、ほとんどの薬が「爪甲」に吸着し、「爪床」まで十分に浸透しませんでした。
クレナフィンとケラチン親和性

 『クレナフィン』は「ケラチン」との親和性が高過ぎず、かといって低過ぎもしないために、「爪甲」だけでなく「爪床」にも薬が浸透します。
 こうした特徴によって、「爪甲」と「爪床」の両方に感染した白癬菌を退治でき、「爪白癬」の治療を可能にしています。

薬剤師としてのアドバイス:爪の水虫は、治癒に時間がかかる

 爪は新しく生え変わるのに1年~1年半ほどの時間がかかります。完治させるためには、薬を使って菌を退治しつつ、新たに生えてきた爪に感染させないようにしながら、完全に爪が新しく生え変わるのを待つ必要があります。

 途中で薬をやめてしまうと、残った菌が新しい爪にも感染していってしまうため、また最初から治療をしなければならなくなります。一旦完治させてしまえば再感染しない限り発症しないので、一度根気よく治療することをお勧めします

+αの情報:『ルコナック』も登場

 爪の水虫を治療できる塗り薬は、『クレナフィン』に続いて『ルコナック(一般名:ルリコナゾール)』も登場しています。
 『ルコナック』は、『ルリコン』と同じ有効成分ですが、その濃度を5倍に高めることで爪でも抗菌力を発揮できるように工夫された薬です。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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