『ノイキノン』ってどんな薬?
回答:コエンザイムQ10の成分
『ノイキノン(一般名:ユビデカレノン)』は、うっ血性心不全の症状改善のために使われる薬です。ユビデカレノンは「コエンザイムQ10」としても有名で、「抗酸化作用」を期待する健康食品やサプリメントにも含まれていますが、薬として認められているのは「抗酸化作用」とは全く別の作用です。
そのため、同じ成分ではあるものの、薬である『ノイキノン』と、健康食品やサプリメントに含まれる「コエンザイムQ10」を一緒に扱うことはできません。
回答の根拠:エネルギー産生系の賦活化と、抗酸化作用
『ノイキノン』は、酸素不足に陥っている心臓で、酸素の利用効率を改善したり、エネルギー産生を強化することによって、うっ血性心不全の自覚症状を改善させます1)。1) ノイキノン錠 添付文書
この効果・効能は医薬品として承認されています。
一方、抗酸化作用については承認されていません。確かに「コエンザイムQ10」にはビタミンEと似た抗酸化力があり、脂質の過酸化やDNAの損傷にも効果が期待できると言われていますが、これによって病気を治療したり予防したりする効能は認められていません。
薬である『ノイキノン』に認められた効果・効能と、健康食品やサプリメントである「コエンザイムQ10」が期待する抗酸化作用とは、全く別物であることに注意が必要です。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
この記事へのコメントはありません。