『プロペシア』は、1mgを割って飲んだら安上がり?
回答:割ることは、非常に危険
絶対に、割ったり砕いたりしないでください。錠剤を割ったり砕いたりすると、正しい効果が得られない恐れがあるばかりか、使用している本人以外の人が思わぬ大きな副作用に見舞われる恐れがあります。
『プロペシア(一般名:フィナステリド)』は、妊婦が触れるだけでも胎児の成長に影響する恐れがあります。そのため、有効成分に直接触れないよう、錠剤にはコーティングが施されています。
しかし、錠剤を割って使用していた場合、薬の有効成分に直接触れることになり、大きな副作用を起こす危険があります。
回答の根拠:錠剤を割ることの危険
『プロペシア』は、1mgと0.2mgの錠剤があり、どちらも値段が同じです。そのため、1mgを割って服用している方が少なからず存在しています。また、そうした服用方法を勧めているWebサイトもあります。しかし、この薬は割られることを前提としていないため、割ったり砕いたりして使用した場合、正しい効果が得られる保障はありません。
また、薬としても非常に効果が強く、女性は触れることも禁忌です。特に妊婦が触れただけでも、胎児(特に男児)の成長に悪影響を与える恐れがあります1)。
1) プロペシア錠 添付文書
そのため、『プロペシア』の錠剤はフィルムコーティングされており、少し触れたくらいでは大きな影響が出ないよう工夫されています。
この錠剤を割ったり砕いたりすると、このフィルムコーティングの意味がなくなり、少し触れただけでも影響するようになってしまい、非常に危険です。
薬剤師としてのアドバイス:自己流の薬の使い方では、万が一の時の補償も受けられない
薬を正しく使用していたにも関わらず、大きな副作用に見舞われた場合には、「医薬品副作用被害救済制度」という公的機関の補償を受けることができます。しかし、『プロペシア』を割って服用するのは正しい使用方法ではないため、家族が薬に触れて副作用に見舞われた場合でも、この制度を受けることができません。
安易に薬を割る、砕くといった、自己流の飲み方は絶対に行わないようにしてください。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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