ステロイドを飲んでいると、夜眠れなくなる?~副作用とそれを避ける飲み方
記事の内容
回答:「ステロイド」は身体を活動的にするので、眠れなくなることがある
『プレドニン(一般名:プレドニゾロン)』や『リンデロン(一般名:ベタメタゾン)』などの「ステロイド」を飲んでいると、副作用で眠りにくくなることがあります。
これは、そもそも「ステロイド」が朝に増えて夜に減る、身体を活動的にする物質だからです。
そのため、この自然な「ステロイド」の増減リズムを乱さない薬の飲み方(例:1日1回なら朝に飲む)をすることで、この副作用を減らすこともできます。
回答の根拠①:「不眠」の副作用の有無
代表的な「ステロイド」の飲み薬である『プレドニン』と『リンデロン』の添付文書には、副作用の項目に「不眠」が記載されています1,2)
1) プレドニン錠 添付文書
2) リンデロン錠 添付文書
ただし、「ステロイド」が必要な病状では、そもそもぐっすりと安眠できるような状態でもないため、眠れないからといって必ずしも薬の副作用であるとは限りません。
回答の根拠②:「ステロイド」の自然なリズム
そもそも「ステロイド」とは、身体に元から存在する「コルチゾール」というホルモンのことです。
この「コルチゾール」は、朝にたくさん分泌されて身体を活動的にし、夕方~夜になってくると分泌が減ってきて身体を休息させる、という働きをしています。
そのため、この自然な増減リズムに合わせて薬を使うことで、眠れなくなるような副作用は減らすことができます。
実際こうした副作用の観点から、ステロイドを少量で使う場合には朝1回で飲むことが推奨されています3)。
3) 南江堂 「今日の治療薬 2016」
薬剤師としてのアドバイス:眠れないと感じた時は、遠慮せず主治医に相談を
『プレドニン』や『リンデロン』などの「ステロイド」は、とても効き目が強く、治療には欠かせない薬です。
しかし、急に飲むのを止めると反動で副作用が起こることもあります。眠れないと感じたからといって、薬を自己判断で中断してしまうようなことはせず、必ず主治医に相談するようにしてください。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
この記事へのコメントはありません。