「手足口病」って何?
回答:幼児で流行るウイルス性の伝染病
「手足口病」は、文字通り手や足、口に水疱ができるウイルス感染症のことです。ほとんどが夏、4歳までの幼児の間で流行します。成人は、子どもの頃にウイルスと出遭っているため、例え発症した経験がなくとも免疫を持っていることがほとんどです。水疱の他の症状に発熱がありますが、38℃を越えないことがほとんどで、病気そのものも3~7日程度で治癒します1)。
1) 国立感染症研究所 「手足口病」とは
ウイルスによる感染症のため、抗生物質は効きません。また、アレルギー反応によるものでもないので、手や足にできた水疱が痒いからといってステロイド外用剤を塗ることも通常はありません。きちんと病院で受診し、治療方法は医師の指示を受けるようにしてください。
補足説明:何故、大流行が起こるのか
現在のところ、手足口病の原因となるエンテロウイルスに効果的な抗ウイルス薬はありません。また、症状が治まってからも2~4週間近くウイルスが体内に残っていることがあるため、治癒後に幼稚園や保育所で感染が拡大する原因となります。
薬剤師としてのアドバイス:基本的には恐れるような病気ではありません
以上のように、非常に感染が拡大しやすい病気で、春の終わり頃から夏にかけて、地域的に大流行することがよくありますが、重症化することも稀で、基本的にはそれほど心配の要らない感染症です。病院で診断を受けた後は、水分補給に気を付けながら安静に過ごすようにしましょう。しかし、頭痛や嘔吐、熱が38℃を大きく超える、3日経っても熱が下がらない、といった場合には、別の感染症や合併症を起こしている恐れがあるため、もう一度病院を受診することをお勧めします。
また、地域で流行した場合には、こまめな手洗い・うがいが有効な予防策です。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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