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消化性潰瘍治療薬 ピロリ菌

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ピロリ除菌、2回目でも失敗した場合はどうしたら良い?~自由診療の3次除菌・4次除菌

回答:「自由診療」で3次、4次除菌がある

 現在のところ、保険適用で除菌できるのは2次除菌までです。

 保険適用外、つまり治療費全額を自己負担する「自由診療」であれば、3次除菌、4次除菌といった方法がいくつか存在します。
ピロリ除菌の回数
 しかし、まだ有効性や安全性が確立されたものではないため、専門の医療機関で相談する必要があります。

 専門の医療機関を探す際には、日本ヘリコバクター学会による認定医が所属する「保険外除菌対応施設」から探すことをお勧めします。

回答の根拠:3次除菌、4次除菌の傾向

 保険適用である1次除菌と2次除菌では、使用する薬の種類や組み合わせ(レジメン)は、日本全国で統一されています。そのため、日本全国どこでも治療を受けることができます。

 しかし、3次除菌、4次除菌に使用する薬の種類や組み合わせは、医療機関によって異なる場合があります。これは、まだ確立された方法が無く、様々な文献を元に医師が治療方法を選択するためです。

 傾向として、3次除菌では以下のような方法がとられます。

※ニューキノロン系の抗生物質に変更する方法
①プロトンポンプ阻害薬 (胃酸を強力に抑える胃薬)
②アモキシシリン (ペニシリン系の抗生物質)
③レボフロキサシン (ニューキノロン系の抗生物質):2次除菌の「メトロニダゾール」から変更

※PPI、アモキシシリンを高用量で使用する方法
①高用量のプロトンポンプ阻害薬 (胃酸を強力に抑える胃薬):1.5~2倍に増量
②高用量のアモキシシリン (ペニシリン系の抗生物質):1.5~2倍に増量

 また、「保険外除菌対応施設」でもある東京都の「あんこうメディカルクリニック」で、700例以上の症例で除菌率100%を達成したというレジメンもあります1)。

 1) 先端医学社 「Helicobacter Research」 vol.20 No.1,(2016)

※5剤併用療法変法
①『パリエット(一般名:ラベプラゾール)』
②『ミノマイシン(一般名:ミノサイクリン)』
③次硝酸ビスマス
④『サワシリン(一般名:アモキシシリン)』
⑤『フラジール(一般名:メトロニダゾール)』

 4次除菌に関しては更にデータも少ないですが、2次除菌の薬を高用量にした上で、ニューキノロン系の抗生物質を追加する傾向があります。

薬剤師としてのアドバイス:きちんと薬を使えば、ほとんどの人は成功する

 現状、きちんと薬を飲めば、1次除菌の成功率は75%、2次除菌の成功率は85%程度であることが知られています2)。

 2) 武田薬品工業Webサイト 除菌療法の注意点

 これはつまり、きちんと薬を飲めば、95%以上の確率でどちらかの除菌が成功することを意味しています(1-0.75×0.85=0.9625)。
 そのため、多少の副作用であれば我慢して、1週間の薬を飲みきってしまうのがお勧めです。どういった副作用であれば我慢すべきで、逆にどんな症状が出たら中止すべきか、予め確認しておくようにしてください。

 ただし、ピロリ菌が抗生物質に耐性を持っていたり遺伝的にPPIの効き目が弱かったりすると、きちんと薬を使っていても除菌が成功しない場合もあります。
 こういった場合には、3次除菌や4次除菌といった選択肢もあることを知っておくようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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