「アスピリン喘息」では何故、鼻づまりが起こるの?~ロイコトリエンが増えるメカニズム
回答:「ロイコトリエン」によるアレルギーが起こるから
「アスピリン喘息」は、『ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)』など解熱鎮痛薬の副作用で起こるアレルギー症状です。
体内で「ロイコトリエン」が急激に増えるため、息苦しさなどの喘息症状と、鼻づまりなどの鼻症状を起こすのが特徴です。
回答の根拠:「ロイコトリエン」が増えるメカニズム
体内の「アラキドン酸」は、通常「プロスタグランジン」と「ロイコトリエン」の2つにバランスよく代謝されています。
『ロキソニン』などの解熱鎮痛薬を使って、痛みや炎症の原因となる「プロスタグランジン」への代謝を抑えたとき、「アラキドン酸」がもう一方の「ロイコトリエン」に大量に代謝されることがあります。
こうした解熱鎮痛薬がきっかけで「ロイコトリエン」が増え、喘息発作を起こすのが「アスピリン喘息」のメカニズムです1,2)。
1) 社団法人「八日会」先端医療講座
2) Clin Exp Allergy.32(3):339-42,(2002) PMID:11940059
+αの情報:「ヒスタミン」と「ロイコトリエン」
アレルギーの主な原因物質には、「ヒスタミン」と「ロイコトリエン」があります。
「ヒスタミン」は痒みやくしゃみなどの症状、「ロイコトリエン」は喘息や鼻づまりといった症状の原因となります。
そのため同じアレルギーであっても、痒みやくしゃみの治療には『ザイザル(一般名:レボセチリジン)』などの「抗ヒスタミン薬」を、喘息や鼻づまりの治療には『シングレア(一般名:モンテルカスト)』などの「抗ロイコトリエン薬」を使う必要があります。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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