『ビオフェルミン』の乳酸菌、錠剤や粉薬の中でどうやって生きているの?
回答:「仮死状態」になっているが、水で復活する
『ビオフェルミン』に含まれる菌は、乾燥によって「仮死状態」になっていますが、水を与えられると復活し、再び活動するように設計されています。この工夫によって、長期間の保管ができ、なおかつ体内で乳酸菌を生きて活動させることができます。
回答の根拠:水で復活する「仮死状態」になっている
薬が、ヨーグルトのように10日程度しか保管できなかったら、実用化できません。そのため、長期間の保管と、体内で生きて活動させることの2つを両立させる必要があります。 『ビオフェルミン錠』や『ビオフェルミン配合散』に含まれている「乳酸菌」や「ビフィズス菌」は、乾燥によって「仮死状態」になっています。
薬を服用して体内で水分と一緒になると、仮死状態から復活し、活動を開始するように設計されています1)。
1) ビオフェルミン製薬 おくすりのQ&A
生きた菌が腸へ届くことの意義
「乳酸菌」や「ビフィズス菌」の死骸を摂取した場合でも、効果があるとする意見もあります。これは、菌が生きていた段階で作った糖などの作用によるものと考えられています2)。2) カルピス(株) 「カルピスなんでもQ&A Q.10」
ただし、生きた菌を腸に届けた方が期待できる効果が大きいことは言うまでもありません。そのため、最近は『ビオフェルミン』のように、「生きて腸に届く」ことを売りにした乳酸菌食品なども登場しています。
薬剤師としてのアドバイス:湿気には要注意
先述のように、水によって『ビオフェルミン』の菌は「仮死状態」から復活します。そのため、湿気で薬がやられてしまうと、その時点で復活してしまいます。周りに餌がない状態で復活しても、菌は餓死してしまいます。こうなってしまっては、腸まで生きた菌を届けることができません。
薬を置いておく際には、湿気に注意し、必要があれば乾燥剤などと共に保管するようにしてください。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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