睡眠薬、睡眠導入剤、安定剤の違いは何?
回答:呼び方が異なるだけで、同じ分類の薬
「睡眠薬」、「睡眠導入剤」、「安定剤」というは俗称であって、いずれも「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬・抗不安薬のことを指します。「睡眠薬」のうち、作用時間が短く、寝付きが悪い「入眠障害」に使うものを、特に「睡眠導入剤」という俗称で呼ぶことがあります。
「抗不安薬」のことを、「安定剤」という俗称で呼ぶことがあります。
回答の根拠:ベンゾジアゼピン系の薬には、「催眠作用」と「抗不安作用」の両方がある
「ベンゾジアゼピン系」の薬にはもともと、「催眠作用」と「抗不安作用」の両方があります。そのうち「催眠作用」の強いものを「睡眠薬」、「抗不安作用」の強いものを「抗不安薬」として使用します。
また、長時間型のベンゾジアゼピン系の薬は、不眠症とイライラの両方を解消する目的で使用することもできます。
薬剤師としてのアドバイス:夜中に目が覚めてしまう不眠は、「睡眠導入剤」では治らない
ひとことに不眠といっても、寝付きが悪い「入眠障害」と、夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」とでは、全く別の症状です。そのため、全く異なる薬を使う必要があります。特に、医師には「眠れない」としか伝えておらず、短時間型の睡眠薬(睡眠導入剤)を処方されているが、実際には中~長時間型の睡眠薬が必要な「中途覚醒」に悩んでいる、といったケースは少なくありません。
適切な薬を処方してもらうためにも、医師には「眠れない」といった漠然とした表現ではなく、「布団に入ってもなかなか眠れない」のか、「夜中に何度も目が覚めて熟睡できない」のか、できるだけ症状を具体的に伝えることをお勧めします。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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