ガスターD錠の『D』って何?~D錠・OD錠・RM錠といった口腔内崩壊錠
記事の内容
回答:口の中で溶ける、という錠剤に施された工夫の意味
『ガスター(一般名:ファモチジン)』の錠剤名についている「D」は、「Orally Disintegrating Table(口腔内崩壊錠)」、あるいは「Development (進化)」の頭文字です。
これは、薬を飲みやすいよう、口の中でさっと溶けるような工夫を施した錠剤である、という意味です。
『ガスター錠』と『ガスターD錠』は、錠剤に施された工夫は異なりますが、有効成分は同じで使い方も一緒です。
ただし、こういったアルファベットが異なると、薬そのものが全く違うこともあります。自己判断で同じと思い込まず、薬の違いについては必ず薬剤師に確認するようにしてください。
回答の根拠:D錠、OD錠、RM錠などの製剤工夫
口腔内崩壊錠とは、口の中でさっと溶けるように工夫されたものです。そのため、大きな錠剤が苦手な小さな子どもや高齢者でも飲みやすい錠剤です。
1) ガスターD錠 インタビューフォーム
名前は異なりますが、同じ意図の工夫がなされた薬として、以下のようなものがあります。
・OD錠(Oral Disintegrant)・・・・・・・・口腔内崩壊錠
例:『アマリール(一般名:グリメピリド)OD錠』など
・RM錠(Rapidly Melt in mouth)・・・・「口の中で早く溶ける」の意味
例:『ゾーミッグ(一般名:ゾルミトリプタン)RM錠』(片頭痛の治療薬、片頭痛時の吐き気が強く水を飲めなくても薬が飲める)
薬剤師としてのアドバイス:アルファベットの意味は、薬によって異なる
D錠やOD錠は、飲みやすくするための工夫を錠剤に施してありますが、薬の有効成分や吸収率は同じです。そのため、薬の効果はD錠やOD錠といったアルファベットがついても変わらず、完全に同じものです。
錠剤が飲みづらいという場合、同じ薬のD錠やOD錠に変更することで解決できることもあります。一度、薬剤師に相談することをお勧めします。
ただし、外用剤の「リンデロン」についたアルファベット(DP、V、VG、A)や、整腸剤の「ビオフェルミン」についたアルファベット(Rの有無)など、アルファベットが変わると薬の効果も変わってしまうものも存在します。
語尾についたアルファベットの意味は、薬によって大きく異なるため、自己判断で同じと判断せず、必ず薬剤師に確認するようにしてください。
+αの情報:噛んで飲む必要のある「チュアブル錠」
なお、「チュアブル錠」というタイプの薬が、『キプレス(一般名:モンテルカスト)』や『シングレア(一般名:モンテルカスト)』などにあります。
この「チュアブル錠」は、OD錠のように、「そのまま飲んでも良いし、口の中で溶かしてから飲んでも良い」という意味ではなく、「口の中で溶かすか、噛み砕いて飲む」必要のある薬です。そのまま飲み込むと吸収が悪くなる恐れがあるため、注意してください。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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