アレルギーの根本的な治療ってある?
回答:「減感作療法」があるものの発展途上のため、「対症療法」が主流
アレルギーの根本的な治療方法には唯一、「減感作療法」があります。
しかし、実施している施設が少ないことや、基本的に毎週病院へ通う必要があること、激しい副作用のリスクがあることなど、未だ発展途上の技術です。
そのため現在は、対症療法である「抗ヒスタミン薬」などを使った薬物治療が主流です。
回答の根拠:減感作療法とは
「減感作療法」は、正式名称を「抗原特異的減感作療法」と言い、アレルギーの原因物質を体内へ徐々に取り込ませることで身体を慣らし、アレルギー反応そのものを起こさなくする手法です。
現在、アレルギーを根本的に治療する唯一の方法として注目され、特に喘息に対する効果が高いことが報告されています1)。
1) Clin Exp Allergy.31(8):1295-302,(2001) PMID:11529901
しかし、アレルギーの原因物質を体内に取り込むため、治療中に急激なアレルギー反応である「アナフィラキシー・ショック」を起こすリスクがあります。
そのため、「減感作療法」を実施する場合は「アナフィラキシー・ショック」に対応するための薬などの準備を整えておかなければならず、全国どの医療機関でも簡単に実施できるわけではありません。
また、同じアレルギーであっても、アトピー性皮膚炎に対する「減感作療法」の効果には賛否両論あり、議論が続いています2)。
2) Allergy.53(44 Suppl):1-42,(1998) PMID:9695884
+αの情報:『シダトレン』、『アシテア』、『ミティキュア』
「減感作療法」を行うための薬も登場しています。いずれも先述のように「アナフィラキシー・ショック」のリスクがあるため、専門医の指導・監督のもとで使う必要があります。
また、「減感作療法」は基本的に3~5年ほどの長い期間、治療を続ける必要があります3)。
3) シダトレン舌下液 プレリリース情報
減感作療法に使う薬
『シダトレン』・・・スギ花粉アレルギーの減感作療法
『アシテア』・『ミティキュア』・・・ダニアレルギーの減感作療法
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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