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知っておくべきこと 副作用

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他人の薬はどうして使ったらダメなの?~「医薬品副作用被害救済制度」の条件

回答:万が一のとき、補償を受けられないから

 日本には、薬の副作用で健康被害を受けてしまった場合、医療費の実費や生活補償・年金を給付してもらえる「医薬品副作用被害救済制度」があります。

 しかし、この制度を受けられるのは、「薬を正しく使用」していた場合に限ります。
 他人に処方された薬を使った場合や、自己流の使い方をして副作用が起きた場合には、補償を受けることができません
副作用被害救済制度
 万が一のときに、受けられるはずの補償を受けられない、といった事態を避けるためにも、他人の薬を使うことは全くお勧めできません。

回答の根拠①:副作用被害救済制度

 すべての薬には副作用があります。今の段階では明らかになっていない「潜在的なリスク」が、後々になって明らかになる、といったケースも少なくありません。
 そのため、たとえ細心の注意を払い、正しい使い方を心がけていたとしても、副作用を100%防ぐことは困難です。

 このような不可避の副作用で受けた健康被害は、「医薬品副作用被害救済制度」によって補償を受けることができます。

 しかし、この制度は「医薬品等の不適正な使用によるもの」は対象となりません。家族など他人の薬を勝手に使っていた場合や、個人輸入で処方薬を入手して使っていたような場合には、この「不適正な使用」に該当し、補償を受けることができません1)。

 1)独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」 医薬品副作用被害救済制度に関するQ&A

回答の根拠②:不支給になる理由の3割が、「適正に使用していない」こと

 2007~2011年の5年間、年間1000件を超える申請に対して、20%程度は不支給になっています。
 不支給になる理由には様々ありますが、「医薬品を適正に使用していないため」という理由での不支給が全体の28%程度にのぼります。

※救済の対象とならない事例 1)
・予防接種を受けたもの
・救命のためなど、緊急にやむを得ず大量の医薬品を使った場合
・被害が軽度のもの
・抗癌剤や免疫抑制薬といった、対象外の薬を使った場合
・適正に薬を使用しなかった場合

 他人の薬をもらって使った、家族の薬を使いまわした、昔もらって家に余っていた薬を勝手に使った、用法・用量を守らずに大量に使った・・・等の理由が、「適正に使用していない」に該当します。

薬剤師としてのアドバイス:まずは救済制度の存在を正しく知る

 「医薬品副作用被害救済制度」は、一般にもまだ非常に認知度が低い制度ですが、薬を使う全ての人にとって、いざという時のための大切な制度です。どういった場合に制度を受けられて、どういった場合には制度を受けられないのか、正しく知っておくようにしてください。

 特に、『モーラステープ』に代表される痛み止めの貼り薬は、よく効いて便利なことから、家族や友人知人に対する譲渡が起こりやすい薬です2)が、光線過敏症など厄介な副作用もあり、使用には注意が必要な薬です。「たかが貼り薬」と油断して使い回すことのないよう注意してください。

 2) 医療薬学38(9):592-8,(2012)

+αの情報:市販薬や通販で購入した薬も、正しく使っていれば対象になる

 「医薬品副作用被害救済制度」は、病院で処方された薬だけでなく、ドラッグストア等で購入した薬や、インターネットで購入した医薬品なども救済の対象となります。

 ただし、本来は処方箋が必要な薬を個人輸入した場合など、正規の手段で購入していない場合には、対象外になります。

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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薬の比較と使い分け100(2017年)
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ドラッグストアで買えるあなたに合った薬の選び方を頼れる薬剤師が教えます(2022年)
■日経メディカル開発
薬剤師のための医療情報検索テクニック(2019年)
■金芳堂
医学論文の活かし方(2020年)
服薬指導がちょっとだけ上手になる本(2024年)

 

【執筆】
じほう「調剤と情報」「月刊薬事」
南山堂「薬局」、Medical Tribune
薬ゼミ、診断と治療社
ダイヤモンド・ドラッグストア
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【講義・講演等】
薬剤師会(兵庫県/大阪府/広島県/山口県)
大学(熊本大学/兵庫医科大学/同志社女子大学/和歌山県立医科大学)
学会(日本医療薬学会/日本薬局学会/プライマリ・ケア連合学会/日本腎臓病薬物療法学会/日本医薬品情報学会/アプライド・セラピューティクス学会)

 

 

【監修・出演等】
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