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知っておくべきこと 薬の飲み方

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大きな錠剤が飲めない。砕いて飲んでも大丈夫?

回答:ダメな薬がたくさんあるので、薬剤師に相談を

 砕くと効果が無くなったり、副作用が強くなったりしてしまう薬が、たくさん存在します。
薬を砕くことは可能か

 絶対に砕いてはいけない薬、やむを得ない場合は砕くことも選択肢になる薬、砕いても問題ない薬、といった分類は、薬によって個別に異なりますので、必ず薬剤師に相談するようにしてください。

回答の根拠①:砕くと効果が無くなる薬

 統合失調症治療薬の『インヴェガ(一般名:パリペリドン)』は、錠剤に「浸透圧放出システム」と呼ばれる特殊な工夫が施されています。
 この工夫によって、最も効果が高く、かつ最も副作用が少ない速度で有効成分が徐々に溶け出してくるように設計されています1)。

 1) インヴェガ錠 添付文書

 こういった錠剤を砕いてしまうと、薬本来の正しい効果が期待できなくなります。

回答の根拠②:砕くと副作用が強くなる薬

 抗血小板薬の『バイアスピリン(一般名:アスピリン)』は、胃酸では溶けず、腸液で溶けるコーティング(腸溶錠)が施されています2)。
 このコーティングによって、胃粘膜を荒らす副作用を避けることができます。

 2) バイアスピリン錠 インタビューフォーム

 こういった錠剤を砕いてしまうと、コーティングが意味を成さなくなり、副作用が強く出てしまう恐れがあります。
 
 
 
また、AGA治療薬の『プロペシア(一般名:フィナステリド)』は、妊婦が薬に触れるだけでも胎児に大きく影響してしまう恐れのある薬です3)。
 そのため、有効成分に直接触れることがないよう、錠剤にコーティングが施されています。

 3) プロペシア錠 添付文書

 こういった薬を砕いてしまうと、家族が大きな副作用に見舞われる恐れがあります。

回答の根拠③:砕くと苦くなる薬

 胃薬の『ムコスタ(一般名:レバミピド)』や、抗ウイルス薬の『ファムビル(一般名:ファムシクロビル)』は、薬の強烈な苦味を隠すために、錠剤にコーティングがされています4,5)。

 こういった薬の場合、苦味を我慢できるのであれば、砕いたり噛んだりしても薬の効果には大きな影響はありません。

 4) FAX.DI-News;国立病院療養所医薬品情報管理センター
 5) ファムビル錠 添付文書

薬剤師としてのアドバイス:薬の個別の対応は、薬剤師に相談を

 薬を砕くことの可否は薬によって個別に異なりますので、勝手に砕いたりせず、必ず薬剤師に相談するようにしてください。

 薬によっては砕かなくとも、同じ薬で粉薬や、D錠やOD錠のような唾液で速やかに溶ける飲みやすい錠剤がありします。

 また、錠剤しか販売されていなくても、ゼリーやオブラート等で飲みやすくすることもできますので、場合によってはそういった服用補助食品の購入もお勧めします。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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薬剤師のための医療情報検索テクニック(2019年)
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【執筆】
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