回答:よほどの理由がない限りは、接種することをお勧めします
日本で承認されているmRNAワクチンには、新型コロナウイルスへの感染・発症・重症化・死亡リスクを大幅に減らす効果が確認されています。実際に新型コロナウイルス感染症に罹ってしまうよりも、はるかに小さなリスクで免疫を獲得できます。
そのため、よほどの理由がない限りは、順番が回ってきた時点で接種することをお勧めします(ワクチン接種は自分だけでなく、自分の周りの人を守るという意義もあります)。
※2023~2024年ころから盛んになり始めた「ワクチン接種を後悔させるようなデマ情報」についてはこちらを参照してください。
※この記事内容は接種を強制するものではありません。接種するかどうかは個人の判断に委ねられますが、デマや事実誤認をもとに判断してしまうことがないよう、薬局でも行っている情報提供や対応を文書化したものです。
※非常に長いので、「ページ内検索」や「Ctrl+F」の機能で不妊や後遺症、心筋炎、デルタ株、オミクロン株、ブースター接種といった気になる単語を検索して、その段落だけ読んでもらっても大丈夫です。
※最近の関心事である『「ファイザー」と「モデルナ」の違い』、『「オミクロン株」や「ブースター接種」』、『子どもへのワクチン接種』については考え方の基本として独立した段落で追記しています(2022年1月)。
※更新状況に関してはこちら
※参考文献が増えてきたため、各段落ごとに1から数字を振り直しています。
記事の内容
- 1 回答の根拠①:mRNAワクチンの効果
- 2 回答の根拠②:mRNAワクチンの安全性
- 3 薬剤師としてのアドバイス:よほどの理由がない限りは、接種することをお勧め
- 4 ◆よくある誤解①:ワクチンを接種すれば、もう感染対策しなくて良い
- 5 ◆よくある誤解②:mRNAワクチンは、ちゃんと臨床試験をしていない
- 6 ◆よくある誤解③:治験の完了が2024年なのにいま使っているのはおかしい
- 7 ◆よくある誤解④:mRNAワクチンの長期的な影響はわからないので、接種しない方が良い
- 8 ◆よくある誤解⑤:mRNAワクチンで、自分の遺伝子が改変される
- 9 ◆よくある誤解⑥:ワクチン接種後に亡くなった人が居る、これはワクチンが原因だ
- 10 ◆よくある誤解⑦:ニュースで副反応がいっぱい報道されているのに「因果関係は不明」で逃げている
- 11 ◆よくある誤解⑧:mRNAワクチンを接種すると、心筋炎を起こすから危険
- 12 ◆よくある誤解⑨:ワクチンを接種すると、血栓ができやすくなる?
- 13 ◆よくある誤解⑩:ワクチンには水銀や胎児の細胞が入っているから危険
- 14 ◆よくある誤解⑪:妊娠中はワクチンを接種してはいけない
- 15 ◆よくある誤解⑫:ワクチンを接種すると不妊になる
- 16 ◆よくある誤解⑬:授乳中はワクチンを接種してはいけない
- 17 ◆よくある誤解⑭:ワクチンには新型コロナウイルスが入っているので、接種すると感染する
- 18 ◆よくある誤解⑮:持病がある人は、ワクチンを打たない方が良い
- 19 ◆よくある誤解⑯:ワクチンの効果は2ヶ月しかもたない
- 20 ◆よくある誤解⑰:アジア人は感染・重症化しにくいから、ワクチン接種のメリットが低い
- 21 ◆よくある誤解⑱:若い人は感染しても大して困らないから、ワクチン接種のメリットが低い
- 22 ◆よくある誤解⑲:1回接種した状況では、むしろ感染リスクが高くなる
- 23 ◆よくある誤解⑳:ワクチンを接種すると”無症状”が増えるので、むしろ感染が拡大する
- 24 ◆よくある誤解㉑:ワクチンが卵巣に蓄積するから危険
- 25 ◆よくある誤解㉒:変異株にはワクチンが効かない
- 26 ◆よくある誤解㉓:ワクチンで副反応が起きても何も補償されない
- 27 ◆よくある誤解㉔:感染歴があったら、ワクチンを接種しなくても良い
- 28 ◆よくある誤解㉕:知らない間に「プラセボ」を接種される可能性がある
- 29 ◆よくある誤解㉖:体重も体格も違うのに、全員同じ量を接種しているのはおかしい
- 30 ◆よくある誤解㉗:ワクチンを接種しなくても、18,000人中169人しか発症しない感染症だから、怖くない
- 31 ◆よくある誤解㉘:副反応がなかったら抗体ができない
- 32 ◆よくある誤解㉙:ワクチンを接種すると、かえって重症化する(例:ADE)
- 33 ◆よくある誤解㉚:感染者に占めるワクチン接種者の割合が高いから、ワクチンは無意味・逆効果
- 34 ◆よくある誤解㉛:YouTubeにワクチンの危険性などの”真実”が投稿されている
- 35 ◆よくある誤解㉜:副反応に解熱鎮痛薬を使うと、できる免疫が弱くなる
- 36 ◆よくある誤解㉝:ワクチンについては、医師や薬剤師の間でも賛否両論ある
- 37 ◆よくある誤解㉞:何か裏があるから「デマ」が流れるに違いない
- 38 ◆よくある誤解㉟:ワクチン接種回数が増えれば増えるほど、重症化しやすくなる!
- 39 ◆よくある誤解㊱:ワクチン接種でギランバレー症候群になるから接種しない方が良い
- 40 ◆【考え方】「ファイザー」と「モデルナ」、どっちが良いか
- 41 ◆【考え方】「オミクロン株」や「ブースター接種」について
- 42 ◆【考え方】子どもへのワクチン接種について
- 43 ◆その他、よくあるデマやコメントについて
- 44 【公開後の大きな修正事項】
回答の根拠①:mRNAワクチンの効果
ファイザー社製のmRNAワクチン『コミナティ』は、新型コロナウイルス感染症の発症を大きく減らす(有効率:94.6%)ことが、臨床試験で示されています1)。
この臨床試験は、参加者を約18,000人ずつランダムに2つのグループに分け、片方のグループにはワクチンを接種、もう片方のグループにはプラセボ(偽薬)を接種して112日間追跡したものです。その結果、プラセボ接種群では169例が発症、9例が重症化したのに対し、ワクチン接種群では発症は8例、重症化は1例に抑えられています1)。
1) N Engl J Med.383(27):2603-2615,(2020) PMID:33301246
モデルナ社製のmRNAワクチンについても、同じデザインの臨床試験が行われ、ほぼ同じような結果(有効率:94.1%)が得られています2)。
2) N Engl J Med.384(5):403-416,(2021) PMID:33378609
つまり、ワクチンを接種することによって、新型コロナウイルス感染症を発症するリスクは大きく減らせた、ということです(※アルファ株、デルタ株、オミオクロン株といった変異株に対しても有効であることが確認されています)。
※感染症では、経済活動や感染の流行状況によって感染者の絶対数は大きく変動する(よくある誤解㉗)ため、「発症する人をどのくらいの割合で減らせるか」で効果を検証します(流行状況にかかわらず95%減らせる、ということです)。
※「プラセボ(偽薬)」と比較する理由についてはよくある誤解㉕、またはこちらを参照してください。
重症化・入院・死亡や、感染そのものを減らす効果も示されている
また、mRNAワクチンを接種すると発症を減らせるだけでなく、重症化を92%、入院を87%、死亡を72%、感染そのものを92%減らす効果も報告されています3)。
3) N Engl J Med .15;384(15):1412-1423,(2021) PMID:33626250
これは、mRNAワクチンの接種が進むイスラエルで、「ワクチンを接種した人」と「そのワクチンを接種した人と年齢や居住地域などが似ているけれどもワクチンを接種していない人」とを1:1でマッチングさせて得られたデータです。つまり、ワクチンは個人を守るだけでなく、社会として感染を抑えるのに重要な鍵となることを示しています(※アルファ株、デルタ株、オミオクロン株といった変異株による重症化も防げることが確認されています)。
実際、全世界では2020年12月からの1年間のあいだにワクチン接種によって1,980万人の死亡を回避できた4)、日本でも2021年3~11月の8ヶ月間のあいだに56万人の感染と18,600人の死亡を回避(感染を33%、死亡を67%抑制)できた5)、とする推計が報告されています。
4) Lancet Infect Dis.22(9):1293-1302,(2022) PMID:35753318
5) Lancet Reg Health West Pac.28:100571,(2022) PMID:35971514
「重症」とはどういう状況か
「重症」とは高熱が出て息苦しさを感じるレベルのことではなく、ICU(集中治療室)で人工呼吸器をつけられて寝たきりになる、生命の危機に陥っているレベルのことを指します5)。38℃を超える高熱があって、全身に強い痛みや倦怠感などを感じて眠れない、食事も喉を通らないような状況でも、酸素投与が不要であれば「軽症」に分類されます。
※症状の重さが表す状態:日本の基準 6)
軽症:酸素投与が不要
(40℃の高熱、強い関節痛や筋肉痛、頭痛などがある状態も含む)
中等症:呼吸困難があって酸素投与が必要、肺炎の所見がある
(多くの人にとって人生で最もしんどい=経験したことのない状態)
(もし遺書を書くなら、この段階)
重症:ICU(集中治療室)に入っている、人工呼吸器やECMOを装着している
(生死の境を彷徨っている”瀕死”の状態)
(意識も無いことがほとんどなので、「遺書を書く」こともできない)
6) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6.1版
つまりワクチンが重症化を防ぐ、というのは、無症状に抑え込むのではなく、生命に関わる危機的な事態に陥ることを防ぐ、ということを意味します(インフルエンザのワクチンも同様です)。
なお、もし罹患してしまった場合でも、その症状はワクチン接種者の方が軽く、早く治る傾向も観察されています7,8)ので、”症状を軽く抑える効果”も期待できる、と言えます。
7) Clin Infect Dis.76(3):e1-e9,(2023) PMID:36124697
8) JAMA Netw Open.6(1):e2251360,(2023) PMID:36652247
事実確認のPOINT
・mRNAワクチンの効果や安全性は、4万人規模の臨床試験できちんと実証されている
・mRNAワクチン接種で、感染・発症・重症化・死亡を減らすことができる
・ワクチンが防ぐ「重症」とは、”生命の危機に瀕している状態”を意味する
・ワクチン接種者の方が、もし罹患してしまった場合でも症状は軽くて済みそう
※「重症」の定義は国や一部自治体によって多少の違いがあります。海外では酸素投与が必要になった段階(日本では中等症Ⅱ)から”重症=Severe”に分類されることもありますが、日本の一部自治体では人工呼吸器やECMOが装着されないと”重症者”としてカウントされないところもあります。…が、いずれにせよ”生命の危機が迫っている状態”ということに変わりはありません。
※体力等の面から人工呼吸器やECMOを装着しなかった患者さんが亡くなられたような場合には、”重症者がゼロ”の状況からでも、”中等症からでも死亡が発生”することがあります。
回答の根拠②:mRNAワクチンの安全性
新型コロナウイルスの感染力や流行状況を考えれば、生涯に渡って他人と接触しない生活をずっと続ける人以外は、「ワクチンを接種する」か「感染する」かのどちらかでいずれ免疫を獲得することになると考えられます。そのため、「ワクチン接種」と「感染」の2ルートの、”どちらがより小さなリスクで十分な免疫を得られるか”、という視点で考えます。
ワクチンを接種した場合でも少なからず好ましくない反応「副反応」が現れます。つまり、この「ワクチン接種で起きる副反応のリスク」と、「新型コロナウイルス感染症に感染してしまった際に負わなければならないリスク」を天秤にかけて考える、ということです。
このリスクを比較したとき、「ワクチン接種のリスク」の方が圧倒的に小さいため、ワクチン接種で免疫を獲得した方が安全、というのが基本的な考え方になります。
(さらに、ワクチン接種の方がより強力な免疫を獲得できるという利点もあります)
感染した場合のリスク:「ただの風邪」とは大きく異なる点
①重症化や死亡リスクが高い
新型コロナウイルス感染症は、「ただの風邪」や「インフルエンザ」よりも致命率が高いのが特徴です1)。2020年のはじめに比べると、医療体制の充実や治療薬の登場によって徐々に致命率は下がりつつありますが、持病のある人や高齢者では依然として重症化・死亡リスクは高いままです。また、日本の10~30代でも、2022年1月時点で既に110人以上の死者が出ている2)など、若くても決して油断のできるものではありません。
「インフルエンザ」が流行しなくなるほどの感染対策を続けていても、新型コロナウイルス感染症は流行してしまう…というその感染力の強さも、厄介さに繋がっています。
②脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなる
新型コロナウイルス感染症では、軽症で済む人も多いのは確かです。しかし、たとえ運よく軽症で済んだとしても、発症から少なくとも1年間の間、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈、心筋炎などの発症率がおよそ1.5~2.5倍ほど高くなる3,4)ことがわかっています。入院が必要なほどの症状に至れば、これはさらに3~10倍にまで高くなり3)、今後の人生に多大な影響を与える恐れがあります。
なお、こうした長期的な悪影響は「インフルエンザ」に比べても明らかに大きいことも確認されています。
③生活に支障を来たす後遺症が残りやすくなる
軽い症状で済んだ10~20代の人でも、60%以上の人が6ヶ月以上の間、味覚障害や呼吸困難、記憶障害などの後遺症で悩んでいる6)、という報告があります。さらに、こうした後遺症の影響で、半数近くの人が生活の質=QOLが低下7)し、人によっては元の仕事に復職できない8)などのトラブルを抱えていることもわかっています。
特に、ワクチン非接種で新型コロナに罹患した場合、1年後に完全に回復した人は8.7%しかおらず、ほとんどの人に何らかの後遺症が生じる、とされています9)。
1) Lancet Infect Dis.20(6):630-631,(2020) PMID:32240633
2) 厚生労働省「データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報」https://covid19.mhlw.go.jp/
3) Nat Med.28(3):583-590,(2022) PMID:35132265
4) Circulation.146(12):892-906,(2022) PMID:36121907
5) Lancet Psychiatry.8(5):416-427,(2021) PMID:33836148
6) Nat Med.27(9):1607-1613,(2021) PMID:34163090
7) JAMA.324(6):603-605,(2020) PMID:32644129
8) Ann Intern Med.174(4):576-578,(2021) PMID:33175566
9) Int J Infect Dis . 2023 Dec 21:S1201-9712(23)00798-1. doi: 10.1016/j.ijid.2023.11.038. Online ahead of print. PMID:38141960
つまり、新型コロナウイルス感染症に罹ることで負うリスクには、ただの風邪やインフルエンザよりも高い重症化・死亡リスク、また脳卒中や心筋梗塞といった危険な疾患を起こしやすくなる、あるいは味覚障害や呼吸困難、記憶障害といった厄介な後遺症に長期間悩まされる、といったものが含まれるということです。
ワクチン接種をした場合のリスク:副反応、アナフィラキシー、心筋炎
一方で、mRNAワクチンを接種する選択にも、副反応やアレルギーのリスクがあります。
①発熱や頭痛、倦怠感といった副反応のリスク
mRNAワクチンを接種すると、多くの場合に発熱や頭痛、倦怠感、筋肉痛といった副反応が現れます。いずれも重篤なものではなく、数日程度で治るものですが、インフルエンザのワクチンなどに比べるとその頻度はかなり高めです。
実際、2回目接種の後には40%以上の人で倦怠感や頭痛、20%以上の人で37.5℃以上の発熱が現れるとされ、特に若い人ではその頻度が高いとされています8)。そのため、接種の翌日~翌々日は仕事を休む、大事な用事を入れないなどの対応をしておくこと、また副反応対策として市販の解熱鎮痛薬などを用意しておくこと(☞選び方について)をお勧めします。
なお、ワクチン接種後の副反応は「しんどい」とよく話題になりますが、実際に新型コロナウイルス感染症に罹るのと違って、喉の痛みや咳、息苦しさ、味覚障害や嗅覚障害といった症状は基本的に起こりません(☞著者の発熱記録)。
②アナフィラキシーのリスク
急激なアレルギー反応である「アナフィラキシー」に関しては、たとえばファイザー社製のmRNAワクチンでは190万回の接種で21例(0.0011%)起きたことが報告されています9)。
「アナフィラキシー」が危険なのは、山奥でハチに刺されて起こした場合などには、薬の手持ちが無かったりしてすぐに適切な対処ができず、ショック状態に陥ったりする恐れがあるからです。逆に、すぐに適切な対処ができる環境であれば、命を落としたり、後遺症が残ったりするようなことは基本的にありません。
実際に、ワクチン接種会場では、万が一この「アナフィラキシー」が起きてしまってもきちんと適切な対応ができるように準備が整えられています(例:経過観察の時間を設ける、アナフィラキシーを起こした際の治療薬を準備している)。そのため、ワクチン接種でもし「アナフィラキシー」を起こすことがあっても、すぐに対処してもらえるので大事には至る心配はない、制御できる副反応だと言えます(ただし、これまでに薬やワクチン接種で「アナフィラキシー」を起こしたことがある人は、必ずその旨を相談の上で判断するようにしてください)。
なお、「アナフィラキシー」はドラッグストア等で購入できる風邪薬や痛み止めでも起こります。190万回で21例(0.0011%)という数字は、こうした身近な薬と比べても大きな数字ではなく、むしろ小さいくらいです(参考:堀向健太先生『新型コロナワクチンで17人のアナフィラキシー』、リスクの高いワクチンなのですか?https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20210310-00226836/ )。
③心筋炎のリスク
mRNAワクチンを接種した後には、稀に「心筋炎」を起こすことがわかっています。具体的な頻度は報告によって多少異なりますが、たとえばアメリカのデータでは、ファイザー社製のワクチンを2億1千万回接種して1,000例ほど、モデルナ社製のワクチンを1億4千万回接種して450例ほどと報告10)されています。そのため、ワクチン接種後に胸に違和感が続くような場合は、すぐに病院を受診して相談するようにしてください。通常、ほとんどが軽症で普通の診療体制でも完治する10,11)とされています。
一方、実際に新型コロナウイルス感染症に罹ると、ワクチン接種をするよりも5~6倍ほど心筋炎を起こしやすいことが報告されています12)。このことから、基本的にワクチン接種した方がリスクは小さく、ワクチン接種が有益であることに変わりはありません(参考:日本循環器学会の資料)
なお、日本での”心筋炎疑い”の報告は、10~30代前半くらいまでの若い男性がモデルナ社製のmRNAワクチンを接種した際に、やや頻度が高い傾向にあります13)。そのため、10~30代前半くらいの若い男性は、もし選んでいる余裕がある場合にはファイザー社製のワクチンを接種できた方が、より安全と言えそうです(※ファイザーとモデルナの違い)。
④帯状疱疹のリスク
ワクチン接種によって帯状疱疹のリスクが高まるのではないか…という懸念があがっていましたが、200万人を対象にしたコホート研究で、ワクチン接種と帯状疱疹には関連が見られなかったことが確認されています14)。そのため、ワクチン接種で帯状疱疹のリスクが高まる、という心配をする必要はありません。
8) JAMA.1;325(21):2201-2202,(2021) PMID:33818592
9) アメリカ疾病予防センターCDC:Allergic Reactions Including Anaphylaxis After Receipt of the First Dose of Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine
10) JAMA.327(4):331-340,(2022)PMID:35076665
11) MMWR Morb Mortal Wkly Rep.70(27):977-982,(2021) PMID:34237049
12) N Engl J Med.385(12):1078-1090,(2021) PMID:34432976
13) 厚生労働省「副反応疑い報告の状況について(令和3年12月24日)」https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000872666.pdf(※PDF資料)
14) JAMA Netw Open.5(11):e2242240,(2022) PMID:36383382
事実確認のPOINT
・実際に新型コロナウイルス感染症に罹るルートで負うリスク
1.ただの風邪やインフルエンザよりも高い重症化/死亡リスク
2.発症から1年間以上、脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなる
3.味覚障害や呼吸困難、記憶障害といった厄介な後遺症が続く
4.その感染症を自分の周囲に広げてしまう可能性がある
・ワクチン接種で負うリスク
1.熱や頭痛、倦怠感、筋肉痛といった副反応
→通常数日で治まり、喉の痛みや咳、呼吸困難などは現れない
→市販の解熱鎮痛薬で十分に対応できる
2.アナフィラキシーを起こすリスク(0.0011%)
→接種会場では適切な対処ができる準備が整っている
3.稀に心筋炎を起こすことがある
→新型コロナウイルス感染症に罹った方が何倍もリスクは高い
薬剤師としてのアドバイス:よほどの理由がない限りは、接種することをお勧め
新型コロナウイルス感染症は、ただの風邪に比べると感染力が強いだけでなく、重症化(生命の危機に陥るような状態)したり、死亡したり、運よく軽症で済んでも脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなる、味覚障害などの厄介な後遺症に悩まされたりする、といったリスクの高い感染症です。そのため、ただの風邪とは基本的に異なる対応が必要です。
現在、日本で承認されているファイザー社製やモデルナ社製のmRNAワクチンは、ほとんどの人が安全に接種できて、新型コロナウイルスへの感染・発症・重症化・死亡リスクを大きく減らせる、という知見が既に多くの研究結果から得られています。
こういった理由から、このワクチンの成分に対して重いアレルギーを起こしたことがある、持病の治療スケジュールの都合から接種日を調整した方が良い、接種日に発熱していて体調が悪いといった理由がない限りは、順番が回ってきた時点でワクチンを接種することをお勧めしています。
ワクチンを接種するかどうかの判断は、最終的には個人の自由ですが、明らかなデマや間違った情報をもとに行った判断では、接種する・しないどちらの選択をしたとしても、大きな問題です。インターネット等で出回るいい加減な情報に惑わされることなく、冷静な判断をしてもらえたらと思います。なおその際、ワクチンには”自分だけでなく周囲の人たちを守るという意義“もあるということは、念頭において考えていただければと思います。
色々な情報があって判断に困るような際は、日頃からお世話になっている医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
判断のPOINT
・mRNAワクチンの接種で、感染・発症・重症化・死亡するリスクを大きく減らせる、という事実をまず知る
・新型コロナウイルス感染症を発症したときのリスクと、mRNAワクチンによる副反応のリスクを、それぞれきちんと知って冷静に比べる
・インターネットやSNSにはデマや事実を誤認した情報も多いため、悩んだときはいつもお世話になっている医師や薬剤師に相談する
◆よくある誤解①:ワクチンを接種すれば、もう感染対策しなくて良い
mRNAワクチンを接種して、十分な効果が得られるようになるのは、2回目の接種が終わってから2週間後です1,2)。それまでの間は、まだ十分に防御効果が発揮されていないため、感染・発症・重症化・死亡のリスクは高いままの状態であると考える必要があります。
1) N Engl J Med.383(27):2603-2615,(2020) PMID:33301246
2) アメリカ疾病予防センターCDC:When You’ve Been Fully Vaccinated
また、mRNAワクチンの効果は非常に高いことが数々のデータから示されてはいますが、2回目のワクチン接種から2週間が経てば100%感染・発症しない無敵状態になる、というわけではありません。
そのため、ワクチンを接種して、感染対策(手洗い・マスク・換気・密を避ける)もする、ということが大事です。これは、どちらかだけで良いというものではありません。シートベルトを着用して安全運転をするのと同じです。
特に、2021年末から流行している「オミクロン株」に対しては、2回接種から半年以上が経過していると、発症は10~15%程度しか防げない可能性があり3)、追加接種が必要とされています(→「オミクロン株についてわかっていること(後述)」を参照)。
3) UK Health Security Agency:2021年12月31日の資料(※PDF資料)
※「ワクチンを接種した後に感染・発症した事例があった」ということを理由にワクチンの効果を否定する人も居ますが、その主張はそもそもワクチンの効果を勘違いしている、ということです。
※ワクチン接種が進んで重症者がほとんど出なくなり、医療体制を逼迫させる危険性も低くなって、”疫学的にただの風邪と同等に扱える”くらいになれば、感染対策も不要になると思われます。
知っておけば惑わされない
・ワクチンの効果が十分に発揮されるのは「2回目接種から2週間」経ってから
・ワクチンの効果も100%ではないので、「接種したのに発症する」ことは当然起こり得る(だから感染対策は続ける)
・2回接種から時間が経つと、「オミクロン株」による発症を防ぐ効果はかなり弱くなってしまう恐れがある(ので3回目の追加接種の必要性が出てきた)
◆よくある誤解②:mRNAワクチンは、ちゃんと臨床試験をしていない
mRNAワクチンは、新型コロナウイルス感染症が流行して1年も経たずに実用化されたため、「きちんと臨床試験で有効性や安全性を確認していないのでは?」と不安に感じられた方も多いと思います。
ですが、有効性や安全性を確認する臨床試験はきちんと何万人もの被験者を集めて行われていますし、必要な手順もしっかりと踏んで承認されています。また、承認後のデータもきちんと蓄積・公開されています。
こんなにも早く実用化できたのは、必要な手順や臨床試験をすっ飛ばしたからではなく、①技術自体は既に確立されていたこと、②多額の投資によって迅速な生産・供給体制を整えられていたこと、③ウイルスを使わずに作れるワクチンであること、が主な理由です1)。
1) アメリカ疾病予防センターCDC:COVID-19 Vaccine Basics: What Healthcare Personnel Need to Know (※PDF)
① mRNAの技術を用いたワクチンの研究は、何十年も前から行われていた
承認されて実用化されたmRNAワクチンは今回が初めてですが、この技術自体は何十年も前からずっと研究が続けられてきたものです。そのため、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた時点でゼロから基礎研究を始めたのではなく、既に基礎研究は十分に行われおり、すぐに臨床試験を行うだけの準備は整っている状態だった、と言えます。実際、ファイザー社は新型ウイルスが特定されてわずか19日後にワクチン開発のプロジェクトを立ち上げ、2020年4月にはもう臨床試験をスタートさせています。
※実際のスケジュール
(2019年12月29日:中国の海鮮市場で謎の肺炎が流行、というニュース)
(2020年1月8日:原因となるウイルスSARS-CoV-2が特定される)
(2020年1月16日:日本で最初の感染事例が確認される)
2020年1月27日:mRNAワクチンのプロジェクト始動
2020年4月23日:PhaseⅠ/Ⅱの臨床試験開始
2020年7月27日:PhaseⅢの臨床試験1)開始
2020年11月18日:PhaseⅢで95%の発症予防効果が安全に得られることを確認
2020年12月31日:PhaseⅢのデータが論文として公開される
(https://investors.biontech.de/static-files/53f0968a-279b-4f82-a2fc-d67dcb6e4e91 より)
② 国などの多額の投資により、経済的コストを無視した生産体制を整えられた
通常、医薬品は臨床試験で有効性や安全性が確認され、承認されてから生産体制を整えます。先に生産体制を整えていたら、もし承認されなかった場合に全てが無駄になってしまうからです。このような金銭的リスクや経済的コストの大きな選択は、普通はできません。
しかし今回のmRNAワクチンの開発では、国などが多額の投資を行い、承認された時点ですぐに生産・供給を始められるように準備を進めていました。これによって、臨床試験の結果が得られてから生産・供給までの時間を大幅に短縮することができています。
③ ウイルスを使わずに作れる
既存のワクチンは、感染症の原因となるウイルスを取り出し、培養して増やし、そのウイルスを使って作ります。そのため、たとえばウイルスを安定して増やす技術などをまず確立させる必要があります。
ところが、今回のmRNAワクチンはウイルスそのものを使わずに作ることができます。そのため、ウイルスを培養する技術や手間が要らず、またウイルスの遺伝情報を世界中で共有して一斉に研究・開発を進めることができました。
知っておけば惑わされない
・mRNAワクチンも、きちんと必要な手順や工程を踏んで承認されている
・これだけ早く実用化できたのは、技術が確立されていたこと、金銭的コスト度外視で開発できたこと、ウイルスを使わず作れたことが主な要因
◆よくある誤解③:治験の完了が2024年なのにいま使っているのはおかしい
治験に関する資料などで「完了時期が2023年や2024年と書いてある1)」ことを理由に、治験が完了していないから効果も安全性も未検証なワクチンだ、と主張する人が居ますが、これは誤りです(※2023年になったので、この話題ももう古くなってきましたが)。
一般的に治験と呼ばれる3ステップのうち、最後のPhase3で「基本的な有効性や安全性の確認」は済んでいます2,3)。そのため、承認=実用化に必要な効果や安全性はきちんと検証が完了しています。
1) ClinicalTrials.Gov「Study to Describe the Safety, Tolerability, Immunogenicity, and Efficacy of RNA Vaccine Candidates Against COVID-19 in Healthy Individuals」
2) N Engl J Med.383(27):2603-2615,(2020) PMID:33301246
3) N Engl J Med.384(5):403-416,(2021) PMID:33378609
「完了していない」が意味するもの
ワクチン接種で「どのくらい効果が続くのか」「長期的にも安全性に問題はないのか」といったことを検証するための、年単位の追跡調査は引き続き行われています。
このうち、ワクチンの長期的な有効性・・・「どのくらい効果が続くのか」という点は、非常に重要な関心事です。これによってブースター接種などの必要性が変わってくるからです。そのため、この追跡調査は”完了”していません。
一方で、ワクチンの長期的な安全性・・・「長期的にも安全性に問題はないのか」という点の調査も”完了”はしていません。しかし、ワクチンに顕著なリスクが潜んでいれば、接種直後~2ヶ月以内に現れると考えられますが、その期間の安全性は既に確認が終わっています1,2)。実際に、世界で何億回と接種されている現時点でも、ワクチン接種による長期的な悪影響の兆候は観察されていません(もし観察されれば、YouTubeなどではなく査読済みの学術論文として発表されます)。
むしろ、新型コロナウイルスに感染してしまった場合の長期的な悪影響(多様な後遺症や脳卒中など)が次々に明らかになっているため、ワクチンの重要性はより高まっていると言えます。
知っておけば惑わされない
・ワクチンの承認に必要な有効性、安全性はきちんと治験のPhase3までに検証されている
・ワクチンの長期的な有効性や安全性は、引き続き追跡調査が行われている
・ワクチンの大きなリスクは基本的に接種直後~2ヶ月以内に現れるため、根本的な安全性の検証は済んでいると考えられる
※ちなみに、「空間除菌」や「サプリメント」「健康食品」なんかは、まず治験が行われてすらいません。治験というステップを物凄く気にするのであれば、そういったものにも慎重でなければ矛盾してしまいます。
◆よくある誤解④:mRNAワクチンの長期的な影響はわからないので、接種しない方が良い
確かに、mRNAワクチンを接種して10年後、20年後にどんな影響が出るかは、まだデータが存在しません。そういった意味で「わからない」というのは事実です。
しかし、mRNAというのは基本的にすぐに分解されてしまう(むしろ維持することが難しく、冷蔵庫のコンセントが抜けただけで廃棄処分になる)もので、長期的に体内に残るようなものではありません。こういったmRNAの特性上、長期的な影響があるという合理的な根拠はなく、長期的な影響は考えにくいと評価するのが妥当です(既存のワクチンでも、2ヶ月以上が経過してから起こるような顕著な副反応はありません)。
なお、長期的な影響については、新型コロナウイルス感染症に罹患することの悪影響の方が明らかに大きいと言えます。実際、新型コロナウイルス感染症に罹った場合、たとえ軽症で済んでも、少なくとも1年間の間は脳卒中や心筋梗塞・心房細動・心不全などの発症率がおよそ1.5~2.5倍ほど高くなることがわかっています1,2)。入院するような事態になれば、発症率は3~10倍程度とさらに大きなものになります1)。こうした悪影響は、インフルエンザに比べても明らかに高く3)、”他の感染症とは違うもの”として扱う必要があります。また、こうした重大なもの以外にも、味覚障害や集中力の低下といった厄介な後遺症が長く続くことも多く報告されています4)。
つまり、長期的な影響を本当にマジメに考えるのであれば、ワクチンを接種した方が良いと考えるのが妥当です。ちなみに、ワクチン接種をしておくことによって、こうした長引く後遺症や脳卒中・心筋梗塞のリスク上昇といった長期的な悪影響5,6,7,8)、生活に支障を来たすLong-COVIDのリスク9)を大きく防げることも確認されています。
※なお、感染後にワクチン接種をすると後遺症を減らせる可能性も示唆されています10)ので、感染経験があっても”手遅れ”というわけでもありません。
さらに子どもの場合は、ワクチン接種によってこうした後遺症リスクを軽減できる11)だけでなく、「COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C)」と呼ばれる重篤な合併症という危険な合併症を80~90%近く防げることもわかっています12)。MIS-Cは発症者の60%以上がICU入室を必要とする状態になるほど危険なもののため、ワクチン接種によって防ぐことが重要です。
1) Nat Med.28(3):583-590,(2022) PMID:35132265
2) Circulation.146(12):892-906,(2022) PMID:36121907
3) Lancet Psychiatry.8(5):416-427,(2021) PMID: 33836148
4) Nat Med.27(9):1607-1613,(2021) PMID:34163090
5) Lancet Infect Dis.22(1):43-55,(2022) PMID: 34480857
6) JAMA.328(7):676-678,(2022) PMID:35796131
7) JAMA.328(9):887-889,(2022) PMID:35867050
8) JAMA Intern Med.183(6):566-580,(2023) PMID:36951832
9) Sci Rep.13(1):4896,(2023) PMID:36966161
10)JAMA Netw Open.6(1):e2251360,(2023) PMID:36652247
11) Pediatrics . 2024 Jan 16. doi: 10.1542/peds.2023-064446. Online ahead of print. PMID:38225804
12) Clin Infect Dis.76(3):e90-e100,(2023) PMID:35924406
知っておけば惑わされない
・ワクチン接種の長期的な安全性のデータは確かにまだ存在しないが、mRNAの特性から考えると考えにくい
・新型コロナウイルス感染症に罹った際の長期的な悪影響は、確実に大きなものが存在する
・新型コロナウイルス感染症による後遺症のリスクは、ワクチン接種でおよそ半減させられる(感染後の接種でも、後遺症は減らせるかもしれない)
※ちなみに、「空間除菌」や「サプリメント」「健康食品」なんかの長期的な安全性も、ほとんどはわかっていません。長期的な安全性・・・というものを物凄く気にするのであれば、そういったものにも慎重でなければ矛盾してしまいます。
※感染症に罹ることによる中~長期的な悪影響は、珍しいものではありません。たとえば、麻疹(はしか)に罹患すると、他の感染症にも罹りやすくなったり、発症の数十年後に致命的な合併症(SSPE:亜急性硬化性全脳炎)を起こしたりすることが知られています。
◆よくある誤解⑤:mRNAワクチンで、自分の遺伝子が改変される
そんなことが1~2回の注射だけで簡単にできるなら、今ごろ世の中は美男美女だらけで、がんや遺伝病もとっくになくなっています。
高校の生物で習う項目に「セントラルドグマ」というものがあります。簡単に言うと、「DNA」→「mRNA」→「タンパク質」という合成の流れの大原則です。
「DNA」は、いわば”生物の設計図”です。これはとても大事なものなので、核というものの中に大事に収納されていて、外から何かが入ってきて簡単に書き替えられたり、あるいは「DNA」が核の外にフラフラと出て行ったりすることはありません。
「タンパク質」を合成する際には、この「DNA」の必要な部分だけがコピーされて、外に出されます。この”一部コピーされたもの”が、「mRNA(メッセンジャーRNA)」です。この「mRNA」は、核の外でタンパク質合成に関わります。
なお、この「mRNA」が核内に戻ることは基本的にありません。また、「mRNA」はタンパク質の合成が終わればすぐに分解されてしまいます(実験などで扱う際には、むしろ分解されないようにすることが難しい=ワクチンも冷凍保管が必要)。
そのため、ワクチンとして接種したmRNAが体内に長く留まって、ヒトの細胞の核内に逆流してDNAに組み込まれ、その結果ヒトがウイルスになってしまう・・・!なんてことは、どう頑張っても起こり得ない、ということです。
知っておけば惑わされない
・「mRNAが自分のDNAに組み込まれてウイルスになる」なんてことは、高校生物を習っていれば「起こり得ない」ことがわかる
・もしもDNA改変が簡単にできるなら、多くの遺伝病は撲滅済みで、整形手術ではなく「美男美女になるDNA改変ビジネス」が流行っていると思われる
※一部の特殊なウイルスが持つ「逆転写酵素」や特殊な遺伝子工学技術を用いれば、DNAに手を加えること自体は可能ですが、それはmRNAワクチンの話には当てはまりません。
◆よくある誤解⑥:ワクチン接種後に亡くなった人が居る、これはワクチンが原因だ
「ワクチン接種後に亡くなった人」と、「ワクチンが原因で亡くなった人」は、全く意味が異なります。
「ワクチンを接種した後に亡くなった」という時間的な前後関係にある事実だけで、「ワクチンのせいで死亡した」と因果関係を決めつけることは、あまりに短絡的です。「空気を吸った後に亡くなったので空気は危険だ!」とか「湖に生贄を捧げたら雨が降った、だからこれからも生贄を捧げる必要がある!」という思考と何ら変わりありません(前後関係と因果関係の違い)。
日本では、1日に3,800~4,000人くらいの方が何らかの理由で亡くなっています。そのため、ワクチンを多くの人に接種すると、必ずワクチンを接種した後に亡くなる人は出てきます。ワクチンで不老不死になるわけではないので、むしろ出てこなければ不自然です。
大事なのは、そこに「ワクチン接種による影響」があるかどうかを確認すること・・・つまり、ワクチンを接種した人と、ワクチンを接種していない人とで比較し、その数がどう異なるのか、そこにどんな要因が影響しているかを冷静に評価することです。
(参考:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210221-00223746/)
現在までに、mRNAワクチンは全世界で何億回と接種されてきましたが、「ワクチンを接種した人」と「ワクチンを接種していない人」とを比べて、「ワクチンを接種した人」の死亡率の方が高い、というようなデータは得られていません。
むしろ、ワクチン接種によって新型コロナによる死亡は大きく減っています1,2)し、1,000万人以上を対象にしたアメリカの調査では、「ワクチンを接種した人」は「ワクチンを接種していない人」よりも、新型コロナと関係のない死亡リスクも60~70%近く低かった3)というデータもあります(※ワクチンで健康増進されるのではなく、ワクチンを接種する人の情報リテラシーや習慣などが影響)。こうした傾向は、別の研究でも確認されています4)。
1) N Engl J Med .15;384(15):1412-1423,(2021) PMID:33626250
2) MMWR Morb Mortal Wkly Rep.70(27):977-982,(2021) PMID:34237049
3) MMWR Morb Mortal Wkly Rep.70(43):1520-1524,(2021) PMID:34710075
4) Vaccine.41(3):844-54,(2023) PMID:36564276
つまり、ワクチンを接種した後に亡くなってしまう人は居ますが、「ワクチンを接種した人」と「ワクチンを接種してない人」を比べて、「ワクチンを接種した人」の死亡率が高くなっていることはない(むしろ低くなっている)ので、ワクチン接種が原因で死亡するリスクが高まるのでは・・・という心配をする必要はない、ということです。
SNS等で「知り合いの医師・看護師・薬剤師から聞いた話ですが~」という情報を見て不安を感じた方へ
医療従事者には、業務上知り得た情報を正当な理由なく外部の人間に漏らしてはいけない「守秘義務」というものが課せられています。これは職業上の倫理観によるものではなく、刑法第134法や保健師助産師看護師法第42条等によって定められているものです。
つまり、本当の医師・看護師・薬剤師であれば、ワクチン接種後に何か起きた事例は正規の手順で情報共有・伝達を行うことはしますが、その内容をペラペラと知り合いに話すことは絶対にしてはいけません。ましてや、自らがSNSで情報を漏らすことも絶対にあり得ません。
そのため、「知り合いの医療従事者から聞いた話ですが~」といった文面で始まる、ワクチン接種後の患者さんの転帰を語るSNS投稿は、基本的に「根も葉もない作り話」か、あるいは「守秘義務という基本的な法律すら守れない残念な医療従事者の戯れ言」のいずれかになります。どちらも信憑性は極めて低く、耳を傾けるに値しませんので、聞き流してもらって大丈夫です。
知っておけば惑わされない
・「湖に生贄を捧げたら雨が降った、だから日照りが続いたら生贄を捧げろ」という主張はどこかおかしい、ということを貴方は理解できる
・ワクチン接種後に亡くなった人が、ワクチンを接種せずに亡くなった人と比べて増えているのかどうか、で考える
・「ワクチンを接種した人」と「ワクチンを接種していない人」の死亡率を比べると、「ワクチンを接種した人」の方が少ない
◆よくある誤解⑦:ニュースで副反応がいっぱい報道されているのに「因果関係は不明」で逃げている
「副反応か」「副反応でないか」という二択で考えると話が極端になります。上記のような因果関係をしっかりと検証するまでは、「副反応だ」というのも早とちりで、「副反応でない」と断言するのも難しいからです。そのため、現時点では「因果関係は不明」としか表現が出来ません。むしろ、これが科学に誠実な表現です。
ただ、この表現が不安のタネになっているのも事実です。そこで、ニュースで報道された「接種後に起きた何か」は、「副反応かどうか」ではなく、「どの程度、副反応っぽいのか(関係ありそうなのか)」という”程度の視点”で見てもらうのが良いと思います。
ニュースでは、「落雷に遭った」とか「トラックに轢かれた」に近い、相当に”ぽくないもの”も一緒くたに報道されていることがありますが、こうしたものは無視してOKです。
一方で、「因果関係は不明」というものの中には、関連がありそうな”ぽいもの”が含まれている可能性もありますが、こうした”ぽいもの”については常に科学的な検証が行われていますので、うやむやにして終わっているわけではありません。実際に0.002~0.004%程度という極めて稀な頻度で起こる、軽症の心筋炎のリスクを見つけられているのも、その証拠の1つと言えます。
いま報道されている”ぽいもの”の中から、心筋炎のようにワクチン接種と関連したリスクが今後新たに見出される可能性は、確かにあります。しかし、もしそれが、とても顕著なリスクであれば、こんなに世界で何億回と接種が進むまで”ぽい程度”のままであるわけがなく、もっと早い段階、もっと少ない人数にしか接種していない時点で問題となっているはずです。
そのため、新たに見つかるリスクは、mRNAワクチンの一般論としての有益性を覆し得るような大きなリスクになるとは考えにくく、稀なものや軽いものが主になるだろう、というのが妥当な評価と思われます(よくある誤解③)。
知っておけば惑わされない
・「副反応に決まってる」も「絶対に副反応ではない」も、どちらも早とちり
・”ぽいもの”は検証されるので、心筋炎のようなごく稀なリスクも見つけられている
・既に何十億回と接種されている中で、”まだ見つからない大きなリスク”というのはほぼあり得ない
◆よくある誤解⑧:mRNAワクチンを接種すると、心筋炎を起こすから危険
ファイザー社製・モデルナ社製のmRNAワクチン接種によって、10~20代の人では100万回あたり39~47例(0.0039%~0.0047%)という極めて稀な頻度ではあるものの、心筋炎が起こるという報告があります1)。この心筋炎は基本的に軽症で、1~2日の入院だけで済んで完全に回復するもののため、通常の診療体制で十分に対応できると評価されています。
一方、この10~20代への100万回のワクチン接種で、11,000例の感染、560例の入院、138例のICU入院、6例の死亡を防げる1)ため、有益性が圧倒的に上回るとされています。また、心筋炎は新型コロナウイルスに感染した際にも起こりますが、その確率は、実際に感染した時の方が何倍も高い(例:12~17歳の男性で2~6倍、女性で6~63倍)こともわかっています2,3)。
以上のことから、ワクチン接種をした方が圧倒的に小さいリスクで免疫を得られるだろう、という結論に変わりはありません。
1) MMWR Morb Mortal Wkly Rep.70(27):977-982,(2021) PMID:34237049
2) N Engl J Med.385(12):1078-1090,(2021) PMID:34432976
3) JAMA.327(20):1951,(2022) PMID:35608572
ただし、日本での”心筋炎疑い”の報告は、10~30代前半くらいまでの若い男性がモデルナ社製のmRNAワクチンを接種した際に、やや頻度が高い傾向にあります4)。そのため、10~30代前半くらいまでの男性は、もし選んでいる余裕がある場合にはファイザー社製のワクチンを接種できた方が、より安全と言えます。
4) 厚生労働省「副反応疑い報告の状況について」https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000872666.pdf(※PDF資料)
知っておけば惑わされない
・若い世代ではワクチン接種によって、極めて稀ではあるものの、軽度の心筋炎を起こす可能性がある(実際に感染すると、何倍も高い頻度で心筋炎を起こす)
・この心筋炎のリスクを計算に入れても、ワクチン接種で得られるメリットの方が圧倒的に上回ると評価されている
・心筋炎のリスクを減らすためには、10~30代前半の男性は、ファイザー社製のワクチンを選んだ方が無難かもしれない
※なお心筋梗塞は、心臓の血管が詰まって起こる疾患です。心筋炎や心膜炎とは全く別です。
◆よくある誤解⑨:ワクチンを接種すると、血栓ができやすくなる?
ワクチン接種後に、わずかながら血栓症のリスクが高くなるという報告があるのは、アストラゼネカ社製のアデノウイルスベクターワクチンです1)。日本で広く使われているファイザー社製/モデルナ社製のmRNAワクチンでは、血栓症のリスクが高くなるという可能性は観察されていません。
なお、新型コロナウイルス感染症にかかってしまうと、脳卒中や肺塞栓症、心筋梗塞などの血栓症を起こしやすくなる2,3)ことがわかっていますが、こうした血栓症はワクチン接種を済ませておくことで50~80%減らせるというデータがあります4,5)。
このことから、血栓ができやすくなってしまう事態を防ぐためにも、ワクチン接種が重要だと言えます。
1) N Engl J Med 3;384(22):2092-2101,(2021) PMID:33835769
2) Lancet Psychiatry.8(5):416-427,(2021) PMID: 33836148
3) Nat Med.28(3):583-590,(2022) PMID:35132265
4) JAMA.328(9):887-889,(2022) PMID:35867050
5) JAMA Intern Med . 2022 Aug 18;e223858. Online ahead of print. PMID:35980616
知っておけば惑わされない
・接種後に血栓リスクが報告されているのは「アストラゼネカ社製」のワクチン
・日本で主に接種されている「ファイザー社製」や「モデルナ社製」のmRNAワクチンでは、血栓症のリスクが高まるという可能性は観察されていない
・実際に新型コロナウイルス感染症に罹ってしまうと血栓症を起こしやすくなるが、これはワクチン接種で大きく減らせる
◆よくある誤解⑩:ワクチンには水銀や胎児の細胞が入っているから危険
mRNAワクチンは、mRNAとそれを運ぶ脂質で構成されています1)。水銀やアルミニウムなどの金属類は含まれていません。全ての医薬品の組成は添付文書として公開されていますので、簡単に確認することができます。
また、胎児の細胞や虫の細胞といった意味不明なものが混入した医薬品は存在しません(そんなものは承認されません)。こういった事実無根のデマを流す人の話は、完全に無視して大丈夫です。
1) コミナティ筋注 添付文書
知っておけば惑わされない
・mRNAワクチンには、水銀やアルミなどの金属類は含まれていない
・mRNAワクチンには、胎児の細胞や虫の細胞などは含まれていない
※一部、製造工程で水銀含有物を用いるワクチンはありますが、「残存する量」や「それの影響の程度」を考えれば無視できるものだ、という話はこちらにまとめています。
※一部の「漢方薬」や「生物由来製剤」等では、動物由来の素材を”原料”として用いていることがあります。
◆よくある誤解⑪:妊娠中はワクチンを接種してはいけない
薬やワクチンを一切使わない自然な状態でも、常に流産は10~15%ほど起こってしまいます1)。これは、明確に何かの原因がなくとも、自然に発生してしまうものです。そのため、薬やワクチンの安全性を考える際には、このベースラインのリスクを高める可能性があるかかどうか、で評価します。
これに関して、妊婦さんにmRNAワクチンを接種しても、流産や早産などは増えないこと2,3)が確認されています。これは、ワクチン接種の後に流産や早産が絶対に起こらないという意味ではなく、元からあるリスクがワクチン接種によって高まることはない、という意味です。
たとえば、「妊娠中にmRNAワクチン接種をした母親から生まれた新生児」と「妊娠中にmRNAワクチン接種をしなかった母親から生まれた新生児」を比べて、早産や先天異常、乳児の死亡・入院の発生率に差はなかったことも確認されています4)。つまり、妊娠中のmRNAワクチン接種によって、早産や先天異常、乳児の死亡や入院といったリスクが上乗せされることはない、ということです。
むしろ、ワクチン接種済の妊婦さん17,000人と非接種の妊婦さん17,000人を比べたところ、ワクチン接種済の妊婦さんの方で死産(0.2% vs 0.8%)・早産(2.4% vs 4.0%)・先天異常(2.4% vs 3.0%)が少なかったという報告もある5)くらいですので、妊娠中のワクチン接種が妊娠の転帰に悪影響を与えることはない、と考えてもらって大丈夫です。
他にも、北欧で生まれた新生児20万人を対象にした調査では、妊娠中にワクチン接種を受けた妊婦から生まれた新生児と、非接種の妊婦から生まれた新生児で障害等の発生率に差はなく、新生児の死亡はむしろ少なったことが確認されています6)。また、妊娠中のmRNAワクチン接種が発達遅延に影響しないことも確認されています7)ので、妊娠中のワクチン接種が生まれてくる子どもに悪影響を与えることもない、と考えてもらって大丈夫です。
さらに、妊娠する6週間前の時点でのmRNAワクチン接種も、子どもの異常には影響しないことが確認されています8)ので、妊娠を考えている人が接種することも問題ありません。
こうした根拠から、日本の国立成育医療研究センターは「妊娠を理由に接種を控える必要はない」という立場を表明しています9)。
また、2021年8月14日の時点で、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会日本産科学会の連名で、妊婦さんは時期を問わずワクチン接種すること(更に妊婦のパートナーの方も接種すること)をお勧めする、という提言を出しています10)。これは、妊娠中に感染すると早産になったり重症化・死亡したりするリスクが通常より何倍も高いこと11,12,13)、早産や低体重出生が増えてしまうこと14)、さらに治療に使える薬も少なく十分な治療ができない可能性があること、感染した状態では何かトラブルが起きても近くの病院では対応できない可能性があること、等が主な理由です。
1) BMJ.24;320(7251):1708-12,(2000) PMID:10864550
2) N Engl J Med.17;384(24):2273-2282,(2021) PMID:33882218
3) JAMA.326(16):1629-1631,(2021) PMID:34495304
4) JAMA Pediatr.176(5):470-477,(2022) PMID:35142809
5) Am J Obstet Gynecol.S0002-9378(22)00882-1,(2022) PMID:36336084
6) JAMA.331(5):396-407,(2024) PMID:38319332
7) JAMA Pediatr . 2024 Jan 22:e235743. doi: 10.1001/jamapediatrics.2023.5743. Online ahead of print. PMID:38252445
8) Nat Commun.14(1):107,(2023) PMID:36609574
9) 国立成育医療研究センター「妊婦さんの新型コロナウイルス感染症に関するFAQ」
10) 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本産婦人科感染症学会日本産科学会「新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)について(第 2 報)」http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210814_COVID19.pdf
11) JAMA Netw Open.4(8):e2120456,(2021) PMID:34379123
12) Clin Infect Dis.75(1):e397-e402,(2022) PMID:35037051
13) BMJ Glob Health.8(1):e009495,(2023) PMID:36646475
妊娠中のワクチン接種で、生まれてくる子どもを守れる?
妊娠中にmRNAワクチンを接種すると、臍帯血を通して胎児に抗体をあげることができます12)。実際に感染するよりも確実に多くの抗体をあげられる13)ため、ワクチン接種を前向きに検討してみてください。
なお、ワクチンの2回接種を済ませている母親から生まれた子どもは、ワクチン未接種の母親から生まれた子どもに比べて、生後6ヶ月までの入院が61~80%少なかったことが確認されています14)。このことから、ワクチン接種は、生まれてくる子どもを新型コロナウイルス感染症から守る、という意味でも非常に重要です。
12) JAMA.325(23):2370-2380,(2021) PMID:33983379
13) JAMA.327(11):1087-1089,(2022) PMID:35129576
14) CDC:「Effectiveness of Maternal Vaccination with mRNA COVID-19 Vaccine During Pregnancy Against COVID-19–Associated Hospitalization in Infants Aged <6 Months — 17 States, July 2021–January 2022」(MMWR 2022 Feb15)
知っておけば惑わされない
・妊娠中にワクチン接種をしても、異常(流産や早産など)は増えない
・妊婦さんが感染すると重症化しやすい&対応が難しい
・ワクチン接種は、生まれてくる子どもを守るという意味でも重要
※なお、妊娠中に接種できないワクチンが一部あるのは事実です。それは、弱らせたウイルスそのものを接種する「生ワクチン」です。これには、麻疹・風疹・水痘・ポリオ・おたふくかぜなどのワクチンが該当します。今回のワクチンのようにウイルスそのものが含まれないワクチンは接種が可能です。
※妊娠中の考え方や相談窓口については、厚生労働省の資料も参照してください(2021年8月版)。
◆よくある誤解⑫:ワクチンを接種すると不妊になる
なりません。
卵巣に蓄積することもありません(よくある誤解㉑)し、二度と妊娠できなくなるなんてこともあり得ません。実際、ワクチンを接種した後に4,804人の妊娠を確認しているデータもあります1)し、これまでに行われた29件の研究で、男女ともに、ワクチン接種者と非接種者の生殖能力は同等であったことも確認されています2)。
つまり、「ワクチン接種で不妊になる」という情報は明らかに間違ったデマ情報ですので、無視してOKです。なお、新型コロナに感染した場合は、男性では症状の重さに応じて精子の質が大きく低下することが確認されている3,4,5)ほか、女性でも卵巣への潜在的な悪影響の存在が示唆されています6)ので、不妊を気にするのであれば、むしろワクチン接種をして感染リスクを下げた方が合理的です。
1) N Engl J Med 384(24):2273-2282,(2021) PMID:33882218 (※Table 1)
2) Vaccine.S0264-410X(22)01118-5,(2022) PMID:36137903
3) Andrologia.53(9):e14157,(2021) PMID:34268784
4) J Reprod Immunol.160:104140,(2023) PMID:34991109
5) Sci Rep.14(1):8132,(2024) PMID:38584153
6) Cells.11(9):1431,(2022) PMID:35563737
「生理周期に影響する」という話について
確かに、ワクチン接種によって生理周期が変化することはあるようです。しかし、これはごく短期的なもので、また自然で起こる変動よりも小さいことがわかっています7)ので、何かワクチン接種によって大きな悪影響があるのではないかと心配する必要はありません。
ワクチン接種後は、普段よりも注意深く自分の体調を気にするため細かな体の変化に気付きやすくなります。もし何か気になったことがあれば、かかりつけの病院で相談することをお勧めします。
7) Obstet Gynecol.139(4):481-489,(2022) PMID:34991109
ファイザーの公式に「不妊になると書いてある!」という人へ
文章をちゃんと最後まで読みましょう。そんなことは書いてありません。
「当初は可能性が考えられたので、動物実験で確認しました。その結果、不妊のリスクは確認されませんでした」と書いてあります6)。この「当初は可能性が考えられた」の部分だけを切り取って騒いでいる方がおられるようです。
6) ファイザー「THE FACTS ABOUT THE PFIZER-BIONTECH COVID-19 VACCINE」https://www.pfizer.com/news/hot-topics/the_facts_about_pfizer_and_biontech_s_covid_19_vaccine?s=09
上記の、ファイザー公式資料の「7番」の項目を見てみましょう。SARS-CoV-2のスパイク蛋白と、胎盤のタンパクのアミノ酸配列が似ているため、COVID-19のワクチンを作ると不妊症になる可能性があるかもしれない・・・という疑惑が当初はあったようです。けれど、そもそもこの2つのタンパクは免疫学的にも全く異なるものだと結論付けています。
更に、mRNAワクチンを妊娠前・妊娠中の動物に接種する検証を行った結果、生殖能力・胎児の発育・出生後の成育に、ワクチンの悪影響は確認されませんでした(In an animal study in which the COVID-19 Vaccine was administered prior to and during gestation, no vaccine-related adverse effects on female fertility, fetal development, or postnatal development were reported)と記載されています。
文章は、慌てずちゃんと最後まで読みましょう。
知っておけば惑わされない
・ワクチン接種者と非接種者で、男女ともに生殖能力に差はなかったことが確認されている
・そもそも「ワクチンで不妊になる可能性」を示唆するデータも存在しない
・根拠のない情報で不安を煽ってくる人は、無視しておいて良い
◆よくある誤解⑬:授乳中はワクチンを接種してはいけない
授乳中であるからといって、ワクチン接種を控える必要はありません。
むしろ、授乳中の女性でも安全にワクチン接種をすることができ、さらに母親の作った抗体が母乳を通じて乳児に与えられる1)ことがわかっています(mRNAそのものは母乳中に出てきません2))。
これで乳児がどのくらい保護されるのかまではわかっていませんが、少なくとも母子ともに害はなく、むしろ子どもには良い影響が期待できる、というものですので、ワクチン接種をしてもらって問題ありません。
1) JAMA.325(19):2013-2014,(2021) PMID:33843975
2) JAMA Pediatr.175(10):1069-1071,(2021) PMID:34228115
知っておけば惑わされない
・授乳中の女性も、ワクチン接種ができる
・母親の抗体を乳児にあげられるので、害どころか良い影響を期待できる
◆よくある誤解⑭:ワクチンには新型コロナウイルスが入っているので、接種すると感染する
ワクチン接種後に感染・発症した事例がニュースになると、「ワクチンでウイルスを体内に入れたからだ」と騒ぐ人が現れますが、これは間違いです。
まず、このmRNAワクチンにはウイルスそのものは含まれていません。ウイルスの”ごく一部(スパイク蛋白)”の、それも”設計図(mRNA)だけ”を接種するタイプのワクチンです。そのため、ワクチンを接種したことで体内でウイルスそのものが増えることはありません。
なお、ワクチンを接種しても感染・発症する可能性があることは、「よくある誤解①」で説明したとおりです。ワクチンで100%感染・発症しない無敵状態になるわけではないので、たくさんの人にワクチン接種をすれば、接種後に感染・発症してしまう人が出てきても、何ら不思議ではありません(※ただし、重症化・死亡リスクは減らせているので、発症してしまった人にとっても”無駄打ち”だったわけではありません)。
知っておけば惑わされない
・mRNAワクチンに「ウイルスそのもの」は含まれない
・そのため、ワクチン接種したことで「ウイルスに感染する」「ウイルスが体内で増える」ことはない
◆よくある誤解⑮:持病がある人は、ワクチンを打たない方が良い
一部週刊誌などで、「持病がある人はまだワクチンを打たない方が良い」という情報が出回っています。確かに、病気の状態や行っている治療の内容によっては、薬やワクチンのタイミングを考えた方が良いケースはあります。しかし、持病がある人が一概に全てワクチン接種に慎重になる必要はなく、むしろ持病がある人は新型コロナウイルス感染症も重症化しやすいため、接種できるタイミングで積極的に接種した方が良い、というのが基本の考え方になります。
つまり、「持病がある人のうち、状況によっては薬や接種のタイミングを調整した方が良いこともある」が適切な表現になります。
接種のタイミングを考えた方が良いケースとしては、たとえば関節リウマチなどで「メトトレキサート」や「JAK阻害薬」を使っている人は、ワクチン接種後1週間は薬を一旦休むことが推奨されていたり、「リツキシマブ」を使っている人は、その薬を使う4週間前にワクチンを接種しておくことが推奨されていたり1)・・・と、疾患や薬の内容によって細かく考える必要があります。そのため、週刊誌ではなく自分の主治医に相談するようにしてください。
1) American College of Rheumatology「COVID-19-Vaccine-Clinical-Guidance-Rheumatic-Diseases-Summary」
知っておけば惑わされない
・持病がある人は、新型コロナウイルス感染症も重症化しやすいので、むしろワクチンは積極的に接種をした方が良い
・ただし、状況によっては薬や接種のタイミングを調整した方が良いこともあるので、週刊誌ではなく主治医に相談する
◆よくある誤解⑯:ワクチンの効果は2ヶ月しかもたない
ワクチンの効果が発表された当初は2ヶ月間のデータしかありませんでしたが、2ヶ月で効き目がゼロになるわけではありません。実際、ファイザー社製とモデルナ社製でそれぞれ、5~6ヶ月後の有効性のデータが公開されていますが、いずれも十分な有効性が維持されていると言えます。
※ワクチン接種から5~6ヶ月後の有効性 1,2)
ファイザー社製:発症予防:83.7%、重症化予防:96.7%(6ヶ月後)
モデルナ社製 :発症予防:93.2%、重症化予防:98.2%、無症状感染予防:63.0%(5.3ヶ月後)
1年後、2年後にどうか…というところはまだわかりません(現在も継続調査中)が、少なくとも半年はしっかりと効果が続きますし、その後いきなりゼロになるわけでもなさそうだということがわかります。
1) N Engl J Med.385(19):1761-1773,(2021) PMID:34525277
2) N Engl J Med.385(19):1774-1785,(2021) PMID:34551225
デルタ株、オミクロン株の影響を踏まえた効果
ワクチンの長期的な有効性については、「デルタ株」や「オミクロン株」といった変異株の登場によって大きな影響を受けています。これに関して、2回接種から半年後の効果については、以下のようなデータが得られています3)。
「オミクロン株」に対する発症抑制効果はかなり弱まっている可能性がありますが、それでも”ゼロになってしまう”ようなことはありません。
※2回接種から半年後の有効性
・デルタ株:発症を60%、重症化を85%ほど減らせる
・オミクロン株:発症を10~15%、重症化を50%ほど減らせる
→「オミクロン株についてわかっていること(後述)」を参照
3) UK Health Security Agency:2021年12月31日の資料(※PDF資料)
知っておけば惑わされない
・ワクチンの効果は2ヶ月で無くなるわけではなく、少なくとも半年は80~90%以上の効果が維持される
・それ以降の効果は、今後の情報を追っていく必要がある(まだデータがないだけで、効かないと決まっているわけではない)
・デルタ株やオミクロン株に対する長期的な有効性も少しずつわかってきている(オミクロン株に対する発症抑制の効果はかなり弱まっている恐れがあり、追加接種が必要)
※「接種から時間が経つと抗体価が下がる」というニュースがしばしば話題になりますが、「抗体価が半分になった」ことと「感染や発症、重症化を防ぐ効果が半分になる」は直結する話ではありません。もともとワクチン接種直後は抗体価が物凄く高いため、多少下がったところで不足するものではありません。また、もし抗体価が下がっていても身体は抗体の作り方を記憶しているため、いざという時にはすぐ抗体を作れる(≒重症化を防ぐことができる)と考えられます。
◆よくある誤解⑰:アジア人は感染・重症化しにくいから、ワクチン接種のメリットが低い
新型コロナウイルス感染症の感染・重症化には、あまり人種差はないようです。「日本人は重症化しにくい」という期待はできないと思われます。
実際、イギリスの人口ベースのコホート研究では、アジア人の死亡リスクは白人に比べてむしろやや高め1)です。これには生活環境や経済的状況なども関係するため、遺伝的要因があるかどうかはわかりませんが、少なくとも「重症化しにくい」というような兆候は見られません。
流行状況が全く異なる地域の、死者の数字だけを見て比較したような主張には注意が必要です。
1) BMJ.371:m3731,(2020) PMID:33082154
知っておけば惑わされない
・新型コロナウイルス感染症の感染、重症化などに目立った人種差はない
・「日本人は重症化しにくい」という間違った情報で油断するのは危険
◆よくある誤解⑱:若い人は感染しても大して困らないから、ワクチン接種のメリットが低い
若い人は新型コロナウイルス感染症に罹っても死ぬことはないから、ワクチン接種のメリットは低い、と考える人も居ます。確かに、若い人が「死ぬ」心配はそれほど大きくありません。しかし、そのリスクはただの風邪よりは高く、また死ななければ何も困ることはない、重症化しなければ余裕、と考えているのであれば、それは大きな誤解です。
たとえば、18歳未満の若い世代で運良く死なずに済んだ人でも、入院が必要なくらいの症状になった場合は、4人に1人が倦怠感や睡眠障害、感覚障害といった後遺症に長く悩まされていることがわかっています1)。
また、30歳以下で自宅療養で済んだ軽症患者でも、半数以上が、味覚や嗅覚の喪失、倦怠感、呼吸困難、集中力の低下、記憶障害といった後遺症に半年以上悩まされていることもわかっています2)。
実際に日本でも、通常これまでの人生で経験したことのないようなつらい状態である中等症(=酸素投与が必要なほどの呼吸困難に陥る状態)以上となる人が20代でも1.7%、30代でも5.0%ほど居るというデータ4)もあり、若くても決して”ただの風邪”や”インフルエンザ”程度で済むわけではありません。
また、新型コロナウイルス感染症に罹った人は、たとえ軽症で済んでも、その後少なくとも1年間の間は脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈などの発症率がおよそ1.5~2.5倍ほど高くなる1)ことがわかっているなど、長期的な悪影響が非常に大きい、という点にも注意が必要です。
1) Eur Respir J . 2021 Jul 1;2101341. doi: 10.1183/13993003.01341-2021. Online ahead of print. PMID:34210789
2) Nat Med.27(9):1607-1613,(2021) PMID:34163090
3) 札幌市の感染状況・医療提供体制の週間分析概況:2021年8月18日分
4) Nat Med . 2022 Feb 7. doi: 10.1038/s41591-022-01689-3. Online ahead of print. PMID:35132265
さらに、自分が感染すると自分の友人や家族に感染を広げてしまう可能性もあります。
これからも美味しいものを食べたい、元気に活動したい、勉強をしたいと考えている人に限らず、しんどい思いをするのは短い方が良い、自分の家族や友人も守りたいと考えている人は、ワクチン接種で免疫を獲得することをお勧めします。
知っておけば惑わされない
・若者の致死率は低いが、「死ぬこと以外かすり傷」では済まない可能性が高い
・軽症で済んだ人でも半数以上が、味覚や嗅覚の喪失、疲れやすさ、呼吸困難などの後遺症に6ヶ月以上悩まされている
・自分だけでなく自分の家族や友人を守るためには、ワクチン接種が大事
◆よくある誤解⑲:1回接種した状況では、むしろ感染リスクが高くなる
確かに、mRNAワクチンは1回の接種では本来の高い効果(回答の根拠①)を得られないため、ワクチン接種後にも感染対策を続ける必要があります。しかし、十分な効果は得られないことはあっても、かえって感染や重症化のリスクが高くなるといったことはありません。
しかし、従来株に対しては、初回接種の21日後には70%程度の効果が得られているという報告があります1)。そのため、1回接種で「感染リスクが高くなる」ということはありません。
・従来株について
初回接種の21日後には、70%程度の有効性が得られているという報告があります1)。
・デルタ株について
1回接種から27日未満の間は12%程度、28日以降でも30%程度の有効性が得られるようです2)。
1) Lancet.S0140-6736(21):00790-X,(2021) PMID:33901423
2) Lancet.26;397(10293):2461-2462,(2021) PMID:34139198
知っておけば惑わされない
・1回接種で得られる防御効果は不十分だが、「感染や重症化のリスクが高まる」ことはない
◆よくある誤解⑳:ワクチンを接種すると”無症状”が増えるので、むしろ感染が拡大する
ワクチンには発症や重症化だけでなく、感染を減らす効果が確認されています。また、ワクチン接種で「無症状」の感染者を63~80%減らせることも確認されています1,2)。そのため、ワクチンを接種すると無症状の感染者が増えて、むしろ感染が拡大するのでは・・・といったことは心配しなくて良いです。
実際、地域のワクチン接種率が高くなると、その地域のワクチン非接種者の感染も大きく抑制できそうだということ3)のほか、ワクチン接種を済ませていると同居家族への感染も1/3以下に減らせることもわかっています4)。
なおオミクロン株でも、ワクチンを3回接種していれば、もし感染してしまっても、感染性のあるウイルスの排出量が1/5に減らせる5)ことから、ワクチン接種は自分だけでなく「周囲の人を守る」ことにも繋がる、と言えます。
ただし、これも「ワクチンを接種すれば100%感染させなくなる」わけではありませんので、流行が続いている間は接種が済んだ人もマスク着用などが必要と考えられます。
1) N Engl J Med.385(19):1774-1785,(2021)PMID:34551225
2) JAMA.325(24):2457-2465,(2021) PMID:33956048
3) Nat Med.27(8):1367-1369,(2021). PMID:34113015
4) 厚生労働省「患者の同居家族(濃厚接触者)に対する調査」※PDF
5) Nat Med . 2022 Apr 8. doi: 10.1038/s41591-022-01816-0. Online ahead of print. PMID:35395151
※ワクチン接種済みの人が増えれば、相対的に”無症状の人からの感染”の割合が増えてくる可能性はあります(極端な話、日本国民全員が100%ワクチン接種を済ませれば、以降は「接種済みの人からの感染」しか起こらなくなります)。
※「デルタ株」でも、ワクチン接種を済ませている人は他の人に感染させにくいのではないか、という研究結果も得られています。
ファイザーの公式に「ワクチン接種者の呼気や汗からスパイク蛋白や有害物質が放出されると書いてあるから危険!」という人へ
治験の資料にも公式の文書にも、タイトルのような文言は記載されていませんし、接種が進む国からもそのような話は報告されていません。
根拠だと主張されている治験の資料の該当部分には「ワクチンに対して吸い込む・皮膚に触れるといった暴露を受けた女性が妊娠した場合は、報告してください」という記載1)がありますが、これを読み間違えたか、あるいは意図的に魔改造したものと思われます。
1) Pfizer PF-07302048 (BNT162 RNA-Based COVID-19 Vaccines) Protocol C4591001 ※該当の記載は67~68ページ
なお、ウイルスに感染した際は、ワクチンを接種した際の200~300倍のスパイク蛋白が作られます。さらに、スパイク蛋白だけでなくウイルス本体そのものも天文学的な量に増えて、口や鼻から放出されることになります。そのため、やっぱりワクチンで感染・発症を防いだ方が良いということになります。
2) Clin Infect Dis.74(4):715-718,(2022) PMID:34015087
なお最近は、スパイク蛋白ではなく”有害物質”が放出される「シェディング」という話に改変されていますが、そもそもの出所はこういう文章のメチャクチャな捻じ曲げです。
知っておけば惑わされない
・ファイザーの公式にそんなことは全く書いていない
・治験時に「ワクチンの薬液を触れたり吸い込んだりした人は報告するように」と書かれた文章を魔改造しただけ
◆よくある誤解㉑:ワクチンが卵巣に蓄積するから危険
薬物動態試験の資料にも公式の文書にも、タイトルのような文言は記載されていませんし、接種が進む国からもそのような話は報告されていません。
根拠だと主張されている薬物動態試験の資料の該当部分には、「主に肝臓、脾臓、副腎および卵巣への分布がみられ」という文言が確かにありますが、その後ろに投与から8~48時間がピークであること、その量も0.095%以下と極めて微量であることが記載されています1)。
つまり、接種した微量のワクチンの、更に0.095%以下というごく微量が、接種から8~48時間をピークに一時的に「分布」はするが、その後は消失しているということです。これを「蓄積」と言うのは明らかな誤りです。
1) SARS-CoV-2 mRNA Vaccine (BNT162, PF-07302048) 2.6.4 薬物動態試験の概要文 ※該当の箇所は6ページ
そもそも、どんな薬も、栄養素でも、吸収された後には必ずどこかに一時的な「分布」はします(飴を舐めれば糖分が脳に「分布」します)。一時的な「分布」と、代謝・分解・排泄されない「蓄積」は、全く異なる用語である、ということを知らずに早とちりしたか、意図的に魔改造したものと思われます。
実際、ワクチン接種で卵巣に異常が発生する可能性を示すようなデータは報告されていませんし、このような微量・短時間の分布で卵巣に何らかの悪影響が出る可能性もほぼ考えられない、と評価するのが妥当です。
知っておけば惑わされない
・ワクチンが卵巣に「蓄積」することはない
・一時的な「分布」と、消失しない「蓄積」は全く意味が異なる(栄養素でも「分布」はする)
・実際に卵巣への悪影響が出たという報告はなく、その可能性を示唆する兆候も観察されていない
◆よくある誤解㉒:変異株にはワクチンが効かない
新型コロナウイルス感染症が流行して以降、日本でもアルファ株、デルタ株、オミクロン株といった変異株の脅威に曝されていますが、いずれの変異株に対してもワクチンが”無意味”になったり”逆効果”になったりしていることはありません。効果が弱まってしまうことはあっても、感染や発症・重症化・死亡を減らす効果は期待できますので、ワクチン接種をしてもらうのが良いです。
アルファ株について
ワクチンの有効性は、アルファ株に対しても93.7%と、十分に有効であることが確認されています1)。
デルタ株について
「デルタ株」は、従来株よりも感染力が強く2)、2~3倍近く重症化しやすい3,4)という特徴がありますが、2回接種でもかなりの効果を期待できます。
・2回目接種から2週間後の時点 5,6)
発症を90%、重症化を85~92%防げる
・2回目の接種から半年が経過した時点 6)
発症を60%、重症化を85%ほど防げる
オミクロン株について
「オミクロン株」は、デルタ株に比べると重症化リスクは1/2~1/3程度に低くなっている可能性があります。しかし、ワクチン未接種者にとっては重症化リスクは3/4程度にしか減っておらず7)、相変わらずインフルエンザよりも重症化・死亡リスクの高い感染症です8)。特に感染力が高いために感染して重症化する人の数はむしろ多くなる危険性があり、問題になっています。
ワクチンによる発症予防の効果も、時間経過とともに大きく下がってしまう恐れがありますが、それでも有効な対策であることに変わりはありません。この効果の底上げのためにブースター接種(3回目の追加接種)が進められています。
・2回目接種から2週間後の時点 6)
発症を60~65%、重症化を90%近く防げる
・2回目の接種から半年が経過した時点 6)
発症を10~15%、重症化を50%ほど防げる
・3回目の接種(ブースター接種)を済ませると…6)
発症を60~70%、重症化を90%近く防げる
・もし罹患した場合でも…
3回接種していると、2回接種よりも発熱等の症状が軽くて済む9)
(体内で増えるウイルスの量も少なくなる)
1) N Engl J Med.385(7):585-594,(2021) PMID:34289274
2) JAMA.26(11):1001-1002,(2021) PMID:34406361
3) Clin Infect Dis . 2021 Aug 23;ciab721. doi: 10.1093/cid/ciab721. Online ahead of print. PMID:34423834
4) CMAJ.193(42):E1619-E1625,(2021) PMID:34610919
5) UK Health Security Agency:2021年12月31日の資料(※PDF資料)
6) N Engl J Med.385(2):187-189,(2021) PMID:33951357
7) UK Imperial College COVID-19 response team「Report 50: Hospitalisation risk for Omicron cases in England」(※PDF資料)
8) Clin Infect Dis . 2023 Oct 26:ciad660. doi: 10.1093/cid/ciad660. Online ahead of print.PMID:37883521
9) JAMA.328(15):1523-1533,(2022) PMID:36255426
なお、ウイルス変異はワクチン未接種の人の体内でより起こりやすいことがわかっています9)。ウイルスの変異はヒトとヒトの間で感染を繰り返すことで起こるため、ワクチン接種によって感染拡大を防ぐことが重要である、ということに変わりはありません。
9) Nat Commun.14(1):1793,(2023) PMID:37002233
知っておけば惑わされない
・ワクチンは、アルファ株やデルタ株、オミクロン株に対しても効果がある
・変異株の特徴やワクチン接種からの時間経過によって、有効性は下がってくる可能性はある
・ワクチンや薬の効果というのは、「0」か「100」かではなく、”どの程度あるのか”で把握することが大事
◆よくある誤解㉓:ワクチンで副反応が起きても何も補償されない
ワクチンで健康被害を受けた場合は、国の補償制度(予防接種健康被害救済制度)を受けることができます。「補償されない」というのは間違いです。
知っておけば惑わされない
・ワクチンで健康被害を受けた場合は、国の補償制度を受けられる
◆よくある誤解㉔:感染歴があったら、ワクチンを接種しなくても良い
現在のところ、感染歴があっても普通の人と同じように2~3回接種するのが基本になっています。
新型コロナウイルス感染症に罹ったことのある人は、既にウイルスに対する抗体が体内である程度作られているため、感染リスクが少し低くなるという報告があります1)。しかし、変異株に対してはほとんど効果がないなど、その防御効果はワクチン接種で得られる効果よりも低いとされているのが主な理由です。
実際に若い世代でも、感染によって得られた抗体は必ずしも十分なレベルに達しないことがあるという報告もあり2)、ワクチン接種の方が強固な防御能力を得られる3)ことがわかっています。そのため、ワクチン接種によって防御効果をブーストさせる必要があります。
1) Lancet.397(10280):1204-1212,(2021) PMID:33743221
2) Lancet Respir Med.9(7):712-720,(2021)PMID:33865504
3) Sci Transl Med . 2022 Jul 26;eabn9237. doi: 10.1126/scitranslmed.abn9237. Online ahead of print. PMID:35881018
知っておけば惑わされない
・感染歴がある人も、ワクチンは接種した方が良い
・実際に感染するよりも、ワクチン接種の方が強固な免疫を得られる
※既感染者のワクチン接種については、忽那先生のYahoo!記事がわかりやすいので、こちらも参照してください。
※既感染者へのワクチン接種回数は、今後方針が変更される可能性もありますので、適宜最新の情報を参照してください。
◆よくある誤解㉕:知らない間に「プラセボ」を接種される可能性がある
あり得ません。
まず、「プラセボ(偽薬)」と比較して有効性・安全性を検証する治験(Phase3)のリクルートは既に終わっており、今から参加することはできません(よくある誤解③)。
次に、こうしたプラセボと比較する治験には、自由意志によって参加を表明しなければ参加できません。知らない間に参加していることは100%ありません。
また、mRNAワクチンの有効性・安全性が十分に確認されている今、改めてプラセボ群と比較するような研究には大きな倫理的問題・・・プラセボ群に割り当てられた人に明らかな不利益があるため、そんな研究は行うことができません(※プラセボ群が比較対照に設置されるのは、その時点では「プラセボ」の方が良い結果になる可能性があるからです)。
二重にも三重にも、あり得ない与太話です。
知っておけば惑わされない
・プラセボと比較する治験はとっくに完了している
・本人の自由意志もなく治験に参加させられることは絶対にない
・参加者に明らかな不利益があるような治験は、そもそも実施できない
◆よくある誤解㉖:体重も体格も違うのに、全員同じ量を接種しているのはおかしい
確かに、薬を使うときには体格や体重によってその量を細かく調整することがあります。しかし、この考え方はワクチンにもそのまま当てはまる話ではありません。
基本的に、飲んだり貼ったり注射したりした薬は、血液の中に溶け込んで全身を巡ります。このとき、血液中に溶け込んだ薬の濃度(薬物血中濃度)が、薬の効果や副作用の出方に大きな影響を与えます。しかし、そもそも血液の量というのは人によって大きく異なるため、同じ量の薬を投与しても、得られる薬の血中濃度は大きく異なる・・・つまり、薬の効果や副作用の現れ方に大きな違いが生じることになります。
これが、体格や体重によって薬の量を細かく調整する必要がある理由の1つです(※厳密には、更に肝臓や腎臓での代謝・排泄や、各組織への分布なども関係してきます)。
一方で、ワクチンは血液中に溶け込んで全身を巡って薬効を発揮するものではありません。免疫の獲得のきっかけとなるのに十分な量さえ接種できればOKなため、「血液中の薬の濃度」は考えなくても良いということです。そのため、基本的に体格・体重によって投与量を変える必要がありません。
実際、今回のmRNAワクチンもこれまでに世界中で多くの臨床試験が行われてきましたが、体格や体重が違っても同じ量で接種され、それによって有効性や安全性に重大な違いは生じていません。
※小児への接種量は成人より少なく設定されていますが、これは「体重(血液量)」の違いではなく、主に免疫反応の強さの差によるものです。
知っておけば惑わされない
・体格や体重によって薬の投与量が変わるのは、「血液中の薬の濃度」が有効性や安全性に重要だから
・基本的に、ワクチンではこの「血液中の薬の濃度」を考える必要がないが、免疫反応の強さによって量を変えることもある
◆よくある誤解㉗:ワクチンを接種しなくても、18,000人中169人しか発症しない感染症だから、怖くない
回答の根拠①で示したデータ1)のうち、プラセボ群の発症率(169 / 約18,000)だけを見て、「この程度しか発症しない感染症だから怖くない」という主張がありますが、これは大きな間違いです。
そもそも感染症というものは、その地域、その時期の活動・感染状況によって感染・発症者の絶対数は大きく変わります。常に一定数が発症するようなものではありません。皆さんもご存知の通り、日本でも感染者の数は経済活動や人の動きによって日々変動していることから考えても、当然の話です。
つまり、この「ワクチンを接種していないプラセボ群でも約18,000人中169人しか発症しなかった」というデータが意味するのは、新型コロナウイルス感染症は常にこのくらいの率でしか発症しない感染症だという意味ではなく、「Phase3の試験が行われた2020年7~11月当時のイスラエルの条件下で112日間追跡した場合には、このくらいの率になった」、というものでしかありません。
なお、当時のイスラエルというのは、二度目の都市封鎖が行われ、厳しい活動制限下にあった状況です。そのため、これと同じ条件で生活をして、ようやく112日間に限れば、18,000人中169人しか発症しない感染症に抑えられる、ということです。変異株の影響を考慮すれば、むしろそれだけでは不十分で、より厳しい制限が必要でしょう。
新型コロナウイルスの感染力や流行状況を考えれば、他人と接触しない生活をずっと続ける人以外は、いずれ「感染する」か「ワクチンを接種する」かのどちらかで免疫を獲得することになると考えられます。その際、「ワクチンを接種する」方が圧倒的にリスクが小さいため、ワクチン接種を推奨しています。
知っておけば惑わされない
・感染症は、地域や時期によって発症者の絶対数が大きく変動する
・「ワクチンを接種しなくても18,000人中169人しか発症しない感染症」にするためには、2020年7~11月のイスラエルと同じかそれ以上の制限で生活をし続ける必要がある(無理
※たとえば沖縄では2020年2月~2021年8月の間に県民の50人に1人(2.0%)が、東京では2021年9月6日時点までの累計で都民の39人に1人(2.54%)が、それぞれ感染しています。
◆よくある誤解㉘:副反応がなかったら抗体ができない
特に若い世代では、多くの人がワクチン接種後に副反応で発熱するという経験をするため、副反応がなかった場合に「自分は本当にワクチンが効いているのだろうか?」と不安を感じる方もおられるようです。
これに関しては、ファイザー社製・モデルナ社製を問わず、副反応があった人もなかった人も、どちらも十分に抗体が作られていることが確認されています1)。そのため、副反応が無かった人や軽かった人でも「抗体ができていないのでは?」と心配する必要は基本的にありません(ただし、免疫抑制剤を使っている等の状況によっては抗体ができにくい可能性があります)。
なお、38℃以上に発熱した人の方が、作られる抗体の量は多い傾向にはあるようです2)。
1) JAMA Intern Med . 2021 Aug 16. Online ahead of print. PMID: 34398173
2) Vaccine.40(13):2062-2067,(2022) PMID: 35177298
知っておけば惑わされない
・副反応がなくても、抗体は十分に作られている
・副反応で38℃以上の熱が出た人は、よりたくさん抗体が作られる
◆よくある誤解㉙:ワクチンを接種すると、かえって重症化する(例:ADE)
ワクチン接種によって世界でも日本でも「重症化は大きく減っている」のが現実です。そのため、ワクチン接種が逆効果になる、といったことは起きていません。厚生労働省の「注意が必要な誤情報(下図)」にも記載されています。
なお、感染時の重症化に関係する抗N抗体は、ワクチン接種では誘導されませんが、罹患した場合には誘導されます1)。つまり、抗体依存性感染増強(ADE)はワクチン接種によるリスクではなく、新型コロナに罹患した場合のリスクである、ということです。そのため、ワクチン接種をしておいた方が良い、ということに変わりはありません。
1) Sci Rep.12(1):8108,(2022) PMID: 35577892
知っておけば惑わされない
・ワクチン接種で、世界でも日本でも「重症化」は大きく減っている
・「ADE(抗体依存性感染増強)」は、ワクチンではなく罹患した場合のリスク
◆よくある誤解㉚:感染者に占めるワクチン接種者の割合が高いから、ワクチンは無意味・逆効果
国民の大半がワクチンを接種したことで、「感染者や重症者、死者に占めるワクチン接種者の割合」が増え、見かけ上「ワクチンを接種した方が感染・重症化しやすくなる」ように見える状態になっていますが、これは以前から注意喚起をしている通り、解釈に注意が必要です。
極端な話をします。
仮に、日本国民全員がワクチン接種を済ませると、その後にもし感染者が出てきた場合、「感染者の100%がワクチン接種済の人」になります。ワクチンを接種していない人はそもそも居ないから、当然です。
極端さを少し減らします。
100人の国で、95人がワクチン接種済、5人が未接種だったとします。その国で、10人の感染者が出ました。うちわけは、以下のようになりました。
・感染者のうちわけ
ワクチン接種済み:6人 / 95人(6.3%)
ワクチン未接種 :4人 / 5人(80.0%)
このとき実際には、ワクチン接種済の人では、未接種の人に比べて、感染リスクは6.3% vs 80.0%、1/10未満とかなり小さく抑えられています。
しかし、10人の感染者だけに注目すると、10人中6人がワクチン接種済の人であることも事実です。つまり、この状況を「感染者の60%がワクチン接種済みの人だった(ワクチンを打った人の方がたくさん感染している?!)」みたいな風に言うこともできるわけです。
こうした数字のパラドックスを使って、ワクチンがまるで無意味・逆効果であるかのように不安を煽る情報は多く出回っていますので、十分に注意していただければと思います。
知っておけば惑わされない
・仮に日本国民全員がワクチン接種したら、その後に出てくる感染者も重症者も死者も「すべてワクチン接種済みの人」になる
・今後はこうした数字のパラドックスを利用して不安を煽る情報が出てくるので、今のうちにその”手口”を知っておく
※ワクチン接種によって感染や重症化・死亡が大きく減ることは、ワクチン接種者 vs 非接種者で同じだけの人数を集め、背景も揃えた上で感染者や重症者を比較した数多くの研究で確認されています)
◆よくある誤解㉛:YouTubeにワクチンの危険性などの”真実”が投稿されている
ないです。
ワクチンの危険性について何か気がついた科学者が投稿するのは、YouTubeではなく「学術論文」です。
YouTubeの方が速く情報が拡散される、という方もおられますが、真の科学者や医療者は論文にもなっていないような「未だ真偽定かならぬ段階の情報」をYouTubeなどで軽々しく発信・拡散したり、その情報で不安を煽ったりすることは絶対にしません。きちんと仮説を立て、それの検証を行い、結果を評価する・・・その内容を多くの科学者の査読に耐えうる科学的な理論に組み立てた「学術論文」として発表し、世界に発信します。そして、医療従事者はそうやって発表された「学術論文」で示されたデータや仮説を、その限界を踏まえつつも科学的根拠として提示しながら議論を行います。
真実とは、ある日突然に目覚めるものではありません。仮説検証を繰り返して少しずつ近付いていくものです。そのステップとなるのが「学術論文」です。
”どちらが真実”みたいな二極論ではなく、「学術論文」の方がより確からしい、偏りやバイアスの少ない、客観的事実を示しているので、根拠・参考資料として信頼性が高い、というお話をしています。
知っておけば惑わされない
・ワクチンの危険性に気付いた科学者が投稿するのは「YouTube」ではなく「学術論文」
・真実の追究は、仮説検証の結果をまとめた「学術論文」の発表や批判的吟味を繰り返すことで行うもの
・インチキYoutuberの再生数に貢献するのはやめよう
◆よくある誤解㉜:副反応に解熱鎮痛薬を使うと、できる免疫が弱くなる
ワクチン接種の副反応で起きる頭痛や筋肉痛・発熱といった症状に解熱鎮痛薬を使っても、抗体の産生は妨げられないことが確認されています1)。そのため、不快な症状があれば、我慢せずに薬を使ってもらってOKです。
なお、ドラッグストア等で自分にあった解熱鎮痛薬を選ぶ際には、こちらの記事を参考にしてください。
1) Vaccine.40(13):2062-2067,(2022) PMID: 35177298
知っておけば惑わされない
・解熱鎮痛薬を使っても、抗体はちゃんと作られる
◆よくある誤解㉝:ワクチンについては、医師や薬剤師の間でも賛否両論ある
ありません。
どうも世間では、メディアの”両論併記”の影響で、賛成6:反対4くらいで賛否両論ある話のように思われている節がありますが、実際のところは、新型コロナのワクチンに関して9割以上の医師が有益と評価し、接種に賛同しています1)。
なお、確かに医療従事者にも1割ほどワクチンを忌避する人が居ますが、そういった人たちは基本的に勉強不足であること2)、またワクチンに激しく反対する人ほど客観的な知識が不足しているのに「自分は賢い」と見当違いな自信を抱く傾向があること3)、それなのにやたら上から目線で汚い言葉を使い真っ当な情報を発信する人を攻撃する4)、というデータがあります。
メディアが、こうした「勉強不足なのに自信だけはある人の思い込みによる過激な主張」を、「科学的根拠のある見解」と”両論併記”することによって、大きな誤解が広まっています。
1) Nature . 2022 Jun 1. doi: 10.1038/s41586-022-04805-y. Online ahead of print. PMID:35650433
2) Vaccine.39(32):4481-4488,(2021) PMID:34210575
3) Sci Adv.8(29):eabo0038,(2022) PMID:35857847
4) Humanit Soc Sci Commun.9(1):229,(2022) PMID:35811839
知っておけば惑わされない
・90%以上の医療従事者がワクチンを有益を評価し、接種に賛同している
・医療従事者でワクチンを否定している人は基本的に”勉強不足”で、激しく反対している人ほど”見当違いな自信”を抱いているというのが現実
・「科学的根拠のある見解」と「勉強不足な人の思い込み」を並べることを、”両論併記”とは言わない
◆よくある誤解㉞:何か裏があるから「デマ」が流れるに違いない
デマを流す人の目的は様々ですが、およそ以下の3パターンに分けられると思います。それぞれ明確に「個人的な目的」によってデマを流していますが、お互いがお互いの需要を満たし合う悪循環になっていますので、その悪循環に巻き込まれないことが大切です。そして、もし対応するのであれば相手の目的別に合わせた対応を考える必要があります。
① デマを流して自分の利益に誘導しようとする人
「ワクチンは無意味、危険」というデマを流し、強い不安に苛まれている人や、情報リテラシーの低い人を自分の信者として集め、その人たちにインチキ商品(例)を売りつけて利益を得ようとしているタイプです。つまり、知名度やお金のためにデマを積極的に流しています(参考:河野大臣のブログ)。
実際、ワクチンに関するデマを流している人たちは、それで大金を得ていることがわかっています1)。
1) CCDH 「pandemic profiteers the business of anti-vaccine」
→こういう人には、近づかない(しかるべき場所へ通報する)
② 「ワクチンを接種しない」という自分の判断を正当化したい人
なんとなくワクチンが不安で「接種しない」という判断をする人は居ると思います。それ自体は、何も悪いことではありません。しかしその中にごく一部、自分のその「接種しない」という判断を正当化するために、真偽を問わず自分にとって都合の良い情報(デマ)だけを集めてしまう人が居ます(ここまでは、ある意味①の被害者です)。
さらに、その情報(デマ)を根拠に「だよね、だよね、ワクチンなんて打たないよね」と言って不安を紛らわせ合う仲間が欲しくなると、その仲間作りのために次第に自ら積極的にデマを流し始めるようになります。
(参考)
熊本日日新聞「「ナースがワクチン接種で死亡」 フェイスブックでデマ 社会不安背景にうわさ拡散か(2021年5月19日)」
→相手の感情が落ち着くまで、一旦距離をとる(正論を述べても反発されるだけ)
③ 「正義感」が暴走している人
本人は「善意」や「正義感」で、この情報をみんなに知らせなくては…!という思いで情報を拡散しているのですが、その情報の真偽を確認するというステップを忘れている、もしくはそれをする知識がないタイプです。こういうタイプの人は、自分の正義感を原動力にして、結果的にデマを広めることになってしまっています。とてももったいないことです。
また、その正義感に酔って「正義のもとではどんな暴言や業務妨害も許される」と過激な行動に出る人には、現場は大変に迷惑しています。
(参考)
京都新聞「「子どもへのワクチン接種やめろ」電話殺到 12~15歳に接種の町に「〇すぞ」脅迫も、業務に支障(2021年6月7日)」
→その「動機」と、結果として広めている「情報の真偽」を分けて議論する
④ 指示に従うのに疲れて「イヤイヤ期」になってしまった人
人間は、あまり同じメッセージを受け続けると、反対したくなる生き物です。「勉強しなさい」と言われたら勉強したくなくなるアレです。これは感染対策においても同じことが起こります。
実際、政府や医療機関から繰り返し同じメッセージを受け取ることで、かえって反抗的になり、反社会的・奇抜・攻撃的な行動に出たり、極端な無関心に陥ってしまったり、という現象が確認されています2,3)。
2) Health Commun.37(14):1812-1819,(2022) PMID:33941005
3) Arch Med Res.51(7):716-717,(2020) PMID:32713728
→他人の「イヤイヤ期」に巻き込まれない
ワクチンや治療薬・感染対策に関するデマは、「人を死なせる」ことを自覚し、安易な拡散に加担しないことが大切
アメリカでは、2023年1月までに110万人が新型コロナによって死亡していますが、このうち約3割は、適切な公衆衛生上の推奨に従っていれば「死ななくて済んだ」ものである、という報告があります4)。
わずか52名の医師が流した「ワクチンは危険」「イベルメクチンが効く」「マスクは有害」などといった医療デマが、非常に多くの人間を死に追いやった、ということです。こうした危害には安易に加担しないことが大切です。
4) JAMA Netw Open.6(8):e2328928,(2023) PMID:37581886
知っておけば惑わされない
・デマを流している人にも、実は色んな事情がある
・デマ情報は、実際に人を死なせている
◆よくある誤解㉟:ワクチン接種回数が増えれば増えるほど、重症化しやすくなる!
mRNAワクチンに関しては1回より2回、2回より3回、3回より4回と、接種回数が増えれば重症化リスクは低くなっていくこと1)、逆に推奨される回数より接種回数が少なければ少ないほど重症化しやすくなっていくこと2)が確認されています。このことは、日本人だけを対象に行われた長崎大学の調査3)でも確認されていることから、およそ確定的なことと評価するのが妥当です。
少なくとも、一部の人が騒いでいるような「接種すればするほど免疫が破壊されて重症化しやすくなる!」というようなことは、全く起こっていません。
1) Lancet Reg Health West Pac.29:100654,(2022) PMID:36471699
2) Lancet . 2024 Jan 12:S0140-6736(23)02467-4. doi: 10.1016/S0140-6736(23)02467-4. Online ahead of print.PMID:38237625
3) 長崎大学熱帯医学研究所「新型コロナワクチンの有効性に関する研究~国内多施設共同症例対照研究~Vaccine Effectiveness Realfor SARSCoV2 ( Time Surveillance VERSUS ) 」第1報、第2報(※PDF)
知っておけば惑わされない
・ワクチン接種回数が増えると、感染/入院/重症化のリスクは減る
◆よくある誤解㊱:ワクチン接種でギランバレー症候群になるから接種しない方が良い
320万例の調査では、新型コロナに感染するとギラン・バレー症候群になるリスクが高くなる(OR=6.30 [95%CI: 2.55-15.56])のに対し、mRNAワクチンを接種しているとギラン・バレー症候群にはむしろなりにくくなる(OR=0.41 [95%CI: 0.17-0.96])という結果が得られています1)。
少なくとも、「ワクチン接種でギランバレーになる」という心配をする必要はなさそうです。
1) Neurology.101(20):e2035-e2042,(2023) PMID:37852786
◆【考え方】「ファイザー」と「モデルナ」、どっちが良いか
日本では主に「ファイザー社製」と「モデルナ社製」のmRNAワクチンを接種することができます。どちらのワクチンも、世界で使われている色々なワクチンの中では最も効果の高いもののため、基本的にどちらを選んでもらっても問題ありません。感染が拡大している状況では「早く接種できる方」を選んでもらうのが良いです。
ただ、発症や重症化・死亡を減らす効果で見ると、アルファ株、デルタ株、オミクロン株といった変異株の影響下でも「モデルナ社製」のワクチンの方が一貫してやや優勢です1,2)。ブースター接種で得られる防御効果に関しても、「モデルナ社製」の方が高そうだというデータもあります2,3,4,5)。そのため、少しでも高い効果を得たい場合は「モデルナ社製」のワクチンが良い選択肢になります。
しかし一方で、「モデルナ社製」の方が副反応も強めに出る傾向にあり、特に日本での”心筋炎疑い”の報告は、10~30代前半くらいまでの若い男性がモデルナ社製のmRNAワクチンを接種した際に、頻度が高めです6)。そのため、10~30代前半くらいまでの若い男性は「ファイザー社製」のワクチンを選んでもらった方が無難です。
1) N Engl J Med.386(2):105-115,(2022) PMID:34942066
2) JAMA.327(7):639-651,(2022) PMID:35060999
3) UK Health Security Agency:2021年12月31日の資料(※PDF資料)
4) JAMA.327(12):1181-1182,(2022) PMID:35147657
5) Clin Infect Dis . 2022 Sep 18;ciac763. doi: 10.1093/cid/ciac763. Online ahead of print. PMID:36124762
6) 厚生労働省「副反応疑い報告の状況について(令和3年12月24日)」https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000872666.pdf(※PDF資料)
考え方の基本
・基本的に大差ないので、どちらでも早く打てる方でOK
・効果で見ると、「モデルナ社製」の方がやや優勢
・安全性で見ると、10~30代前半くらいまでの若い男性では、「ファイザー社製」の方が心筋炎のリスクは低そう
※ブースター接種に関しては、モデルナ社製のmRNAワクチンの接種量が従来の100μgで行われたデータが多い(※実際の接種量は50μg)のですが、できる中和抗体の量は100μと50μgでそれほど差がない(https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.01.13.22268861v1)というデータもあることから、現状では50μgでも100μgでも大勢に違いはないと考えられます。
◆【考え方】「オミクロン株」や「ブースター接種」について
2021年末から新たな問題となっている「オミクロン株」に関しても、それなりの輪郭は見えてきつつあります。”現段階でわかっていること”を簡単にまとめておきますので参考にしてください(今後の調査によって細かなところは変わってくる可能性があります)。
・「オミクロン株」の特徴 1)
感染力は強い一方で、「デルタ株」に比べると入院や救急搬送(≒重症化)のリスクは58~67%ほど低く、重症化リスクは相対的にやや低下している可能性があります。しかし、相変わらずインフルエンザよりも死亡リスクは数倍高く2)、自分の人生を賭けたギャンブルをするには危険な感染症であることに変わりはありません。
注1)「デルタ株」=従来株に比べて2~3倍近く重症化のリスクが高い3)ものに比べて…という話であることに注意が必要です
注2)ワクチン未接種者にとっては、「オミクロン株」の重症化リスクはそれほど変わっていない、20~25%ほど低くなったに過ぎない可能性があります4)
注3)「重症化リスクが低くなった」とは、「重症化の心配がゼロになった」という意味ではありません
注4)重症化しなければ「ただの風邪」程度で済む、というものではありません
注5)重症化リスクが1/2になっても、感染者の数が2倍になれば重症者の数は同じになり、医療のリソースを同じだけ消耗します
注6)様々な後遺症のリスクまで弱まったかどうかはわかりません(変異があっても基本的に同じウイルスのため、”同じようにリスクがある”と考えるのが妥当です)
・「オミクロン株」に対するワクチンの効果 1,5)
2回目のワクチン接種から2週間後には…
「発症予防」の効果は60%近く得られそう
「入院予防」の効果は90%近く得られそう
→十分に有効
2回接種から半年が経過すると…
「発症予防」の効果は10%程度にまで落ちそう
「入院予防」の効果は50%以上維持されてそう
→重症化はそこそこ防げそうだが、発症は防げない可能性が高い(わりと頼りない)
3回目接種(ブースター接種)をすると…
「発症予防」の効果は80%近く得られそう
「入院予防」の効果は90%近く得られそう
→3回目接種(ブースター接種)が、発症や重症化を防ぐ有効な選択肢になる
→実際、3回接種を済ませると、2回接種だけの人に比べて発症が1/3程度になるという報告がある6)
→3回目接種の副反応は1~2回目までと同様7)で、特別に増えることはない
→ファイザーとモデルナの交差接種をしても問題ない7,8)
→ただし発症予防の効果はまた時間経過で弱まる可能性1)があり、今後の方針は注視
→もし感染しても、排出されるウイルスの量が1/5程度にまで減る9)ため、「感染を広げない」効果は十分に期待できそう
3回目接種(ブースター接種)から4ヶ月が経過すると…
「発症予防」の効果は66%程度は維持されてそう5)
「入院予防」の効果は78%程度は維持されてそう5)
→ブースター接種の有効性も時間経過によって低下してくるが、その弱まり方は緩やかな可能性がある(※4回目接種が必要な人は限られるかもしれない)
1) UK Health Security Agency:2021年12月31日の資料(※PDF資料)
2) Clin Infect Dis . 2023 Oct 26:ciad660. doi: 10.1093/cid/ciad660. Online ahead of print.PMID:37883521
3) CMAJ.193(42):E1619-E1625,(2021) PMID:34610919
4) UK Imperial College COVID-19 response team「Report 50: Hospitalisation risk for Omicron cases in England」(※PDF資料)
5) MMWR Morb Mortal Wkly Rep.71(7):255-263,(2022) PMID:35176007
6) JAMA.327(7):639-651,(2022) PMID:35060999
7) https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.10.10.21264827v2.article-metrics(※査読前論文)
8) 厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0100.html
9) Nat Med.28(7):1491-1500,(2022) PMID:35395151
考え方の基本
・「オミクロン株」は、重症化しやすかった「デルタ株」に比べると、相対的にやや重症化リスクは低くなっていそう(「デルタ株」に比べて、という点に注意)だが、インフルエンザよりは明らかに危険
・「オミクロン株」に対してもワクチン接種が有効だが、2回目接種から時間が経つと発症予防の効果はかなり弱まってしまいそう
・ブースター接種(3回目の追加接種)をすることで、「オミクロン株」の発症や重症化を大きく減らせそう
◆【考え方】子どもへのワクチン接種について
5~11歳へのワクチン接種も始まることで、色々と心配されている方も多いと思います。確かに、日本では子どもが新型コロナウイルス感染症にかかっても軽症であることが多く、重症化率は高くはありません。そういった意味では、成人よりも接種のメリットが相対的に低いことは確かですが、子どもでも重症化しないわけではありませんので、感染者が増えれば重症化する子どもは出てきてしまいます。
特に、日本の子どもの感染状況を調査した報告では、14.9%の子どもで38℃を超える発熱、酸素飽和度の低下、頻脈や息苦しさといった”ただの風邪よりも強めの症状”が現れ、2.1%の子どもは酸素投与が必要な中等症にまで至っている、という報告があります1)。また、軽症で済んだ子どもでも厄介な後遺症に悩まされるケースも報告されています2)。変異株の影響によって細かな数字は変わる可能性がありますが、悲観的になる必要はないものの、”ただの風邪”ほど軽いものでもない、というのが実情です(5~11歳の子どもでは、オミクロン株はデルタ株より入院リスクが2.3倍高い3)というデータもアメリカから出ており、決して油断できるものではありません)。
これに関して、オミクロン株流行期に5~11歳の子どもがmRNAワクチンを2回接種しておくことの効果は、下記のように報告されています4)。さらに、副反応も成人より少なめ(例:発熱は2回目接種でも13.4%程度)だったことが確認されています5,6,7)。
※5~11歳の子どもに対するmRNAワクチンの効果(2回接種)
・感染予防
7~14日 :70.6%
15~29日:66.3%
30~59日:60.2%
60日~ :42.7%
・入院予防
7~14日 :87.8%
15~29日:84.5%
30~59日:80.4%
60日~ :(まだ未確定)
(※1回接種から14日後には44.2%ほど)
…感染予防の効果は確かに時間経過によってやや落ちていきますが、それでも”無意味”になるわけではありませんし、特に重症化/入院を防ぐ効果は長続きが期待できそうです。
さらに子どもの場合、新型コロナに罹患すると、発症から2~6週間後ころに全身(特に心臓)に炎症が起きる危険な合併症「COVID-19関連多系統炎症性症候群:MIS-C」を起こすことがあります。これは、発症すると60%以上の人がICU入室を余儀なくされるほど重篤な合併症ですが、mRNAワクチンの2回接種で80~90%近く防げることがわかっています7,8)。
あわせて、学業や生活などに大きな悪影響を与える後遺症のリスクも、mRNAワクチンの接種によって42%ほど軽減できることがわかっています9)。
…なお、この後も長期追跡の調査は数多く行われていますが、中でも44週間(約10ヶ月間)の追跡調査では、mRNAワクチン接種によって以下のような効果が得られ、感染・発症・重症化・後遺症のいずれのリスクも大きく軽減してくれることが確認されています10)。
(44週追跡した際のmRNAワクチンの効果:5~11歳)
・感染予防:74.3%
・軽症の発症予防:73.5%
・中等症~重症化の予防:75.5%
・ICU入室の予防:84.9%
・MIS-Cを含む心臓合併症の予防:72.0%
こういった観点から、5~11歳の子どもがワクチン接種をすることは十分に良い選択肢と考えられます。巷に出回る”ワクチンに関して不安を煽るような情報”に惑わされることなく、かかりつけの医師や薬剤師とも相談して判断するようにしてください。また、それと併せて周囲の大人が接種を済ませることで子どもを感染から守る、という考え方も必要です。
若い人で多い心筋炎のリスクは?
また、若い世代で気になる心筋炎のリスクも5~11歳では非常に低いこともわかっています11,12)。むしろ、感染・発症した場合に起こる心筋炎では20%程度が致命的な状態に至る、60%程度で心機能の低下が起こる13)ことから、こと心筋炎のリスクだけを比較しても”ワクチン接種をしておいた方がより低いリスクで免疫を得られる”ことになります。
※ワクチン接種と、実際に罹患して起こる心筋炎の違い 13)
・致命的な転帰:ワクチン接種による心筋炎では稀だが、罹患して起きた心筋炎では23%程度
・心機能の低下:ワクチン接種による心筋炎では12%、罹患して起きた心筋炎では60%
・心機能の回復:ワクチン接種による心筋炎では数日程度でほぼ全例が回復するが、罹患して起きた心筋炎では数ヶ月経過しても25%程度が回復しない
ワクチンの効果が「マイナス」になると大騒ぎしている人がいる件について
一部の人が、1つの査読前論文(※内容を専門家がきちんと検証していない論文)のデータをもとに、5~11歳の子どもではワクチンの効果がマイナスになって”感染しやすくなる”と大騒ぎしていますが、これは色々と早とちりです。このデータは、ワクチン接種者と非接種者の背景(年齢や居住地など)が揃えられておらず、たくさんのノイズが混ざった数字になってしまっているからです。実際に論文でも著者が”研究の限界点”としてその点を述べています。
一方、こうした年齢や居住地、流行状況などの背景を揃えた調査では、5~11歳に対するワクチンの有効性は接種14~67日後の期間で46%程度だった、という結果が得られています14)。こちらの方がより正確なデータが得られる研究デザインで行われていること、更に論文も専門家による査読が済んでいることから、根拠とする情報の信頼性としては圧倒的に高いものになります。
また、これ以外にもきちんとデザインされた多くの調査で”効果がある”ことは既に確認されているため、先述の研究で得られた「ワクチンの効果がマイナスになった」というデータが示しているのは、「ワクチンが有害であるからそうなった」ではなく「何らかのノイズの影響でそうなった」と考えるのが妥当です。
「小児の急性劇症肝炎はワクチンが原因だ」という主張について
2022年4月、小児で原因不明の急性劇症肝炎が多く報告されていることが話題になり、これが「mRNAワクチンを接種したことが原因だ」と主張している人が居るようです。
しかし、最も症例数の多いイギリスでは、全症例がmRNAワクチン未接種であることが確認されています15)ので、関係はないと考えるのが妥当です。
オミクロン株はインフルエンザ程度だから怖くない?
そもそもインフルエンザもそれなりの致死率・合併症がある油断できない感染症ですので、ワクチン接種によって避けられた方が良いです。なお、12歳未満の子どもを対象に、オミクロン株(BA.2)とインフルエンザのリスクを比較した調査では、オミクロン株(BA.2)の方が死亡リスクは2.1倍、神経学的な合併症は1.6倍、クループというしんどい咳が2.0倍起こりやすいということがわかっています16)。
実際に罹患した方が免疫ができる?
6~11歳の子どもでも、mRNAワクチンを接種した方が、実際に新型コロナ罹患するよりも強固な免疫を獲得できることがわかっています17)。この点からも、ワクチン接種を推奨しています。
1) J Pediatric Infect Dis Soc.10(12):1097-1100,(2021) PMID:34487185
2) Nat Med.27(9):1607-1613,(2021) PMID:34163090
3) CDC:Hospitalizations of Children and Adolescents with Laboratory-Confirmed COVID-19 — COVID-NET, 14 States, July 2021–January 2022
4) N Engl J Med.387(6):525-532,(2022) PMID:35857701
5) N Engl J Med.386(1):35-46,(2022) PMID:34752019
6) MMWR Morb Mortal Wkly Rep.70(45):1579-1583,(2021) PMID:34758012
7) JAMA Pediatr.176(8):821-823,(2022) PMID:35675054
8) Clin Infect Dis.76(3):e90-e100,(2023) PMID:35924406
9) Pediatrics . 2024 Jan 16. doi: 10.1542/peds.2023-064446. Online ahead of print. PMID:38225804
10) Ann Intern Med . 2024 Jan 9. doi: 10.7326/M23-1754. Online ahead of print. PMID:38190711
11) N Engl J Med.386(21):2011-2023,(2022) PMID:35544369
12) CDC:COVID-19 vaccine safety updates: Primary series in children and adolescents ages 5–11 and 12–15 years, and booster doses in adolescents ages 16–24 years Advisory Committee on Immunization Practices January 5, 2022(※PDF資料)
13) CDC:COVID-19 vaccine safety updates: Primary series in children ages 5–11 years(※PDF資料)
14) MMWR Morb Mortal Wkly Rep.71(9):352-358,(2022) PMID:35239634
15) https://medriva.com/mysterious-cases-of-severe-hepatitis-outbreaks-in-children-continue-to-rise-rise/
16) Emerg Microbes Infect.11(1):1742-1750,(2022) PMID:35730665
17) Sci Transl Med . 2022 Jul 26;eabn9237. doi: 10.1126/scitranslmed.abn9237. Online ahead of print. PMID:35881018
考え方の基本
・子どもが重症化することは稀だが、重症化しないわけではない
・重症化しなくても、風邪より強めの症状~中等症に至る、後遺症が残ることは割とある
・mRNAワクチンは、オミクロン株に対してもしっかり感染や重症化・後遺症を防いでくれる
・mRNAワクチンの副反応は、成人に比べるとやや軽そう
◆その他、よくあるデマやコメントについて
・ワクチンを接種したら5年後に死ぬ
→ワクチンが完成したのは2020年の秋頃なのに、どうやって「5年後に死ぬ」ことを2021年春の時点で確認したのでしょうか。時空が歪んでいます。
・ワクチンを接種したら6年後に死ぬ
→なんで1年伸びたんですかね…そのうち「10年後」とかになると思いますが、どうせなら「100年後」と言えばそれは確かな事実になるのに。
・ワクチンを接種したマウスは2年後に全て死んだ
→マウスの寿命は2年くらいです。天寿を全うされたようです。
※最近はネコに改変されているようですが、ネコは今回のワクチン開発に使われていません。
・ワクチンを接種すると5Gに接続される
→意味がわかりません。もし本当に接続されたらWi-Fiは要らなくなって便利ですね。
・ワクチンには思考を奪い取るマイクロチップが入っている
→入っていません。まずシリンジに入りません、針も通りません。
・ワクチンを接種した部位に磁石がくっつく
→手品師じゃあるまいし、鉄板でも埋め込まない限り、磁石がくっつくわけないでしょう。
・ワクチンを接種した部位に100円硬貨がくっつく動画がある!
→日本の硬貨はどれも磁石にくっつきませんけども。
・ワクチンを接種すると、触れた電球が点灯するようになる
→ピカチュウでもないのに、むしろどうやったら点灯するのか教えてください。
・ワクチンを接種したところからトマトが生える
→すみません、もう意味がわかりません。もし生えたら呼んでください。
・ワクチンを接種した人から、ワクチンの匂いがする
→そもそもワクチンにそんな微量で強い匂いを発するような性状はありません。不快な匂いを感じるのであれば、鼻に何らかの疾患がある可能性が高いので、耳鼻科を受診することをお勧めします。
・ワクチンを接種すると「スパイク蛋白」が増えるから危険
→ウイルスに感染したら「スパイク蛋白」どころかウイルスそのものが無秩序に増えてもっと大変なことになります。
・ワクチン接種で髪の毛が抜ける
→「脱毛」は、むしろ新型コロナウイルス感染症に罹ったときの後遺症として報告されています(Sci Rep.11(1):16144,(2021) PMID: 34373540)。
・ワクチンにはカリウムが含まれていて危険
→カリウムは元々体内にもたくさん存在している物質ですので、特に害はありません。ちなみに、ワクチン1回接種で体内に取り込まれるカリウムの量は、バナナを1.5mg(0.0015g)を食べたときと同じくらいの量です。たぶんそのバナナは見えないくらい小さいです。
・ワクチンにはグラフェンが、シェディングが云々・・・
→それ言ってる人、ここまで挙げてきたようなデマをさんざん流してきた人たちですよね。新しいデマを思いついただけです。無視しましょう。
・ワクチンに含まれる成分を、2万倍の量で投与したらマウスが死んだ
→水でも醤油でもお酒でも、普通の2万倍飲んだら死ぬと思います。その物質の実用上の安全性とは何の関係もありません。何事も”程度の問題”です。
・ワクチンのせいで変異株ができる
→残念ながら、変異はワクチン未接種者の体内で起こりやすいことがわかっています(Nat Commun.14(1):1793,(2023) PMID:37002233)。そもそも変異は、ヒトとヒトの間で感染を繰り返す中で起こりますので、ワクチンによって感染や発症を減らしてくことが変異を防ぐことにも繋がります。
ちなみに、アルファ株やベータ株、デルタ株が出てきた頃(2020年9~10月)はまだワクチンは普及していませんでしたが。
・ワクチン接種で自閉症になる
→この情報の基となった論文は、不正・捏造があったとして2010年に既に撤回済みで、著者も医師免許剥奪の処分を受けています。有名なデマです。
・「デマだという根拠」を示してください!
→根拠がない誤情報をデマと呼びます。議論の順序として、まずはそちらが自説の裏付けとして信頼に足る根拠(例:公的機関の情報、査読済みの学術論文など)を示すのが先です。なお本記事では各所、公的機関の情報や査読済みの学術論文を根拠として明示しております。
・英語の論文とかで煙に巻いてて不誠実!
→有用なデータが英語の査読済論文として多く公開されているだけで、別に英語だからすごいわけでもなんでもありません。医療の世界では、こうやって根拠となるデータを示しながら自分の意見を述べるのが”ごく普通”の話です。自分にわからないからといって「煙に巻いている」と人のせいにしないでください。
・「基本的には」とか「妥当と考えられます」とかで濁してて不誠実!
→むしろ、「絶対」とか「100%」と断言している医療情報の方が、科学に不誠実で危険です。そのような情報は避けることを強くお勧めします。
・こんな文章、素人の自分ですら「間違いだらけ」なのがわかる!
→具体的にどの部分がどう「間違い」なのか、根拠を添えてどうぞご指摘いただければと思います(実際にミスを指摘された部分は修正対応・記録しています)。
・自分はワクチン未接種でも元気だからコロナは茶番!
→「地雷原を無警戒に歩いたけど平気だった!」…というのは、単に「運が良かった(リスクを回避できた)」という話であって、「そこが地雷原ではなかった」ことの根拠にはなりません。この世界的大流行の中、その幸運だけに賭けるのはやや分の悪い勝負かなと思いますので、「地雷を踏んでも大ダメージを受けないためのリスク管理」としてのワクチン接種を推奨しています。
・コロナはただの風邪!
→そもそも「風邪」とは、ウイルス性の軽い上気道炎のことを指します。上気道とは、鼻や喉のことです。つまり、新型コロナウイルスによる人体の侵攻が、鼻や喉といった浅い領域で終われば、”結果として「風邪」と呼べる”だけです。なお新型コロナは、一般的な風邪よりも重症化や後遺症のリスクが高く、”結果として「風邪」では済まない”確率が高いため、警戒や予防をオススメしています。
・自分の周りにコロナの人なんか居ないから、コロナは存在しない!
→自分の周りになかったら世の中に存在しないとは、凄い世界観ですね。私の周りにはワニもライオンも居ないので、ワニやライオンの存在は否定されました。
※新型コロナウイルスの存在は色々な論文で確認されています →例: N Engl J Med . 2020 Feb 20;382(8):727-733.
・自分は見たことない、聞いたことがないから違う!
→「自分の見聞範囲が森羅万象をカバーできている」前提でお話が始まることに驚いております。神様でしょうか。
・役所が「コロナウイルスが存在しない」と認めた書類がある!
→「うちの役所に”そういう資料はない”」と書いてあるだけのやつですね。「地球が存在することを証明する書類」や「”貴方”が存在することを証明する書類」みたいなものも存在しないと思うので、どうぞお試しください。
・私は「隠蔽された真実」「絶対に表に出ない情報」を知っている!
→「隠蔽されていて表に出ない話」なのか「貴方でも見聞きできるような話」なのか、まずは設定をどちらかに絞ってください。
・私は目覚めたんだ!だから真実がわかる!
→最近までずっと寝てらしたんですね。的外れで寝ぼけたことを仰っている理由がよくわかりました。他のみんなは昔から起きてちゃんと勉強してきたんです。中学校の教科書くらいから勉強し直してきてください。
・ワクチンが有効かどうか、多数決しましょうよ!
→なぜワクチンの有効性が多数決で決まるのでしょうか。なんでも多数決するのは小学校までにしてください。よしんば多数決で決まるとしても、日本国民の8割以上が接種していますので、有効ということになりますけども。
・ワクチンについて未知なことがたくさんある!
→「未知(世の中でまだ明らかになっていないこと)」と「無知(自分が知らないだけのこと)」は明確に区別しましょう。ここでは、既に明らかになっているデータからデメリットよりもメリットの方が大きいと評価できるため、接種を推奨する、というお話をしております。
・和歌山でワクチン接種した児童が死亡した!
→いい加減なことばっかり言っている医師の流した、明らかなデマです(読売新聞:10月12日)。
・人に勧める前にお前が打て!
→職場が変わった都合で医療従事者枠での優先接種を受けることはできていませんでしたが、2021年6月26日に1回目、7月24日に2回目、2022年2月28日に3回目、2022年7月29日に4回目を、都道府県の大規模接種会場でモデルナ社製のワクチンを接種済みです。5回目(オミクロン対応)も2022年12月23日、6回目も2023年7月28日に接種済です。
・そんなにワクチン接種して、今後どんな体調不良が現れるか楽しみですね
→ワクチン接種回数が増えれば重症化リスクが低くなることは既知の事実です(よくある誤解㉟)。なお、”危害の願望”を抱いていることが、まず人としてかなり低レベルであることを自覚してください。
・ワクチン接種後、ブログが更新されてないから死んだ
→死んでません、仕事が忙しくて更新できていないだけです。生存確認したい方はTwitterをご確認くださいませ。
・名前くらい明かせ!
→実名はあちこちに書いてあるのですが、見えないんでしょうか。
・虫唾の走る文体だ!
→違うと思う部分があるなら根拠を添えてご指摘ください。それができないからといって”罵倒”するようでは、小学校低学年レベルです。
・こんな文章を読まされて血圧があがった!
→読んでいただきありがとうございます。文字を読んだだけで血圧が上がるようなら、循環器内科を受診することをお勧めいたします。
・なんで医療従事者のためにワクチンなんか打たないといけないのか
→ワクチンを接種するのは、自分と自分が接する人を守るためですよ。
・〇〇でコロナを治療できるから、予防なんてしなくて良い
→予防と治療は両輪です。どちらかだけで良いものではありません。現状、治療薬は使える状況が限られる、死亡までをしっかり防いでくれるものはない、といった理由から、ワクチンによる予防が非常に重要な状況です。
なお、ネット等で「コロナに効く」と標榜して販売されているものは基本的に全て薬機法違反、つまり違法商品なので近付かない方が良いです。
・イベルメクチンがあるからワクチンは要らない
→一部の界隈で神格化されている「イベルメクチン」ですが、既に多くの研究で
効果なし(PMID:34215210)、副作用だけ増えそう(PMID:34999239)、イベルメクチンを処方された人の方が死亡率が高い(PMID:35729025)などといったデータが出ています。また、日本の治験でも興和、北里大学ともに有効性が確認されなかったことも発表しています。これらの事実を無視して「効果がある」と主張するのは、完全なトンデモ理論です。
なお、これまで「イベルメクチンが有効」という論文もありましたが、内容に不正や捏造・盗用があったとして撤回されています。
・コロナで、もともと寿命だった人が死んでいるだけ!
→世界各国で平均寿命が明らかに縮まっている(PMID:36253520)ので、その理論には無理があると思います。
・ワクチンで癌が進行する!ターボ癌だ!
→そんな事実、傾向は一切確認されておりません。「ある」と主張している人が居たら、その人は「存在しない話」を勝手にでっち上げて喋る人だ、ということです。なお、ワクチン接種者の方が、非接種者より”コロナ以外での死亡”も少ない(PMID:34710075)ので、ワクチン接種で何らかの病気が進行するという理論にはそもそも無理があります。
・国立感染症研究所がワクチンに効果がないことを認めた!
→ワクチン接種しても感染することがある、という話をしているだけで、効果がないとは一言も言っていません。そんな風なデタラメな切り取り方をされて、国立感染症研究所も怒ってますよ。
・ワクチン推奨していたらニュルンベルク裁判で死刑になる
→ニュルンベルク言いたいだけやろ。脅迫状まで送ってきたものに関してはしかるべき対応を行っています。なお、送り元の団体は詐欺や不法侵入・生活保護不正受給などで逮捕者が相次いでいますので、犯罪者なのは自分たちの方でしたね…。
・厚生労働省の職員は9割がワクチン接種をしてないのに!
→投稿医師が「ネットにあった情報をコピペしただけ」というとんでもない弁明をした話ですね。既に毎日新聞がファクトチェックをして”根拠不明”のデマ情報だと評価していますので、ご確認ください。
(毎日新聞 2021年12月27日)
「厚労省の9割がワクチン未接種」は根拠不明 投稿医師の驚きの弁明
https://mainichi.jp/articles/20211225/k00/00m/040/096000c
・〇〇だから危険という意見もあるのに、なぜ推奨するのですか?
→その「〇〇だから」の〇〇の部分、しっかりと信頼に足る資料(公的機関の情報や査読済みの学術論文)を根拠としてまず示した上で述べてください。信頼に足る根拠や妥当な根拠によってリスクが指摘され、それがメリットを上回ると評価された場合には、薬剤師として推奨しません。
例1:市販薬の痛み止めに含まれる催眠鎮静薬に対する反対意見
例2:臨床試験もせず新薬に過剰な期待を寄せることに対する反対意見
例3:やたら成分をドカ盛りする総合感冒薬に対する反対意見
・ワクチンを推奨している時点で、中立でも公平でもない
→中立や公平というのは、立場を曖昧にすることではありません。中立、公平な視点から科学的根拠を評価し、有益と判断できれば推奨する、有益でないと判断すれば推奨しない、という立場をとるのが、中立や公平というものです。なお繰り返しになりますが、有益でないと判断したものは推奨しておりません。
例1:市販薬の痛み止めに含まれる催眠鎮静薬に対する反対意見
例2:臨床試験もせず新薬に過剰な期待を寄せることに対する反対意見
例3:やたら成分をドカ盛りする総合感冒薬に対する反対意見
・こんなよくわからないワクチンを、なぜ推奨するんですか?
→どんなデータがあれば”よくわかったワクチン”になるのか、貴方の基準を教えて頂けますと幸いです。どんなデータがあっても”よくわからない”と主張するのであれば、それはただの感情論です。
・論文を鵜呑みにしていて疑う姿勢が足りないんじゃないですか?
→知識や考えもなく、何にでもケチをつけたり、何でも逆張りすることを「疑う姿勢」とは言いません。ましてや、論文が疑わしいといって「個人の感想」を鵜呑みにするのでは、本末転倒です。論文で示されたデータや仮説にも様々な限界(例:バイアスが入り込む可能性)はありますが、それらが具体的にどのくらい結果を歪める可能性があるか?という点も踏まえながら、”判断材料の1つ”として論拠にしているだけです。
・論文じゃなくて現実を見ろ
→現実に起きたことを、きちんと整理して統計学的に評価してまとめたものが論文です。
・論文なんてただの仮説に過ぎない
→ある意味その通りですが、論文に書かれているのは科学的・倫理的・統計学的に検証済の仮説です。そんなことを言っておいて、「論文にすらなっていない個人的な感想や憶測」を重視するのは何故でしょうか。
・黒塗りの論文なんかアテにならない
→この記事で引用している論文に黒塗りの箇所なんて存在しませんが、もし本当に「黒塗りの論文」があったら教えてください。
・色々な意見があって良いのではないですか?
→色々な意見はあって良いですが、明らかな事実誤認やデマ情報は必要ありません。「バランスの良い食事をしましょう」と言われて下水を飲んだり毒キノコを食べたりしないのと同じです。両論併記は、両方の意見が科学的根拠に基づいたものであることが前提条件です。
・なぜワクチン接種を強制するのですか?
→”強制”は一切しておりません。薬剤師として、よほどの理由がない限りは接種した方が良いよ、と”推奨”しているだけです。デマ情報を使って「ワクチンを接種させないように”強制”・”強迫”・”業務妨害”している方」からこれを言われることには、強い違和感があります。
・同調圧力でワクチン接種を勧めないでください、さもないと…
→同調圧力ではなく、これまでに得られた知見を客観的に評価すると、ワクチン接種のメリットが圧倒的に上回ると考えるのが妥当だから推奨しています。”接種を辞めさせるような圧力”をかけることはやめてください。
・ワクチン接種が進む国で感染が拡大しているのに・・・
→はい、「ワクチン接種が進む国」に住む「ワクチンを接種していない人たち」の間で、感染拡大や死亡例が多発しています(参考記事)。
・国民の多くがワクチンを「接種しない」と言っています
→既に日本人の80%以上がワクチン接種をしていますが、”多く”とは具体的にどういった数字を意味するのでしょうか。
・製薬企業や国の言いなりになってワクチン接種するのは愚か、自分の頭で考えろ
→ワクチン接種をした人たちが「自分の頭で考えていない」と決めつけた理由や根拠は何でしょうか。たとえば私は「自分の頭で考えて接種する」と判断しております。なお、『下手の考え休むに似たり』という言葉もあります。
・ワクチンは100%安全とは言えない、リスクがゼロとは言えない
→「買い物に行くのは100%安全とは言えない」、「隕石に当たって死ぬ可能性もゼロとは言えない」・・・リスクの”程度”を無視して良いなら、何とでも言えます。こちらは、現時点で得られたデータからリスクの”程度”を比較して、ワクチン接種の方が圧倒的に小さなリスクで確実な免疫を得られる、というお話をしております。
・ワクチンは劇薬だから危険
→劇薬に指定されていることと、臨床でその医薬品がハイリスクであることとは、実はあまり関係がありません。また、リスクがあるから使ってはいけないのではなく、リスクがあるから正しく知って正しく扱うことが大事だというのは、火や刃物の扱いと同じ考え方です。
・ワクチンを万能みたいに言ってて恥ずかしくないんですか?
→誰も万能だなんて言ってもないですし、思ってもないです。いくら効果が高いとは言え100%ではないですし、時間が経つと発症予防の効果は弱まりますし、そもそも「注射」しないといけないし、運搬・保管・調製は面倒だし、アナフィラキシーもゼロではないし、副反応でけっこう熱とか出ますし、実際に罹るより低いとは言え心筋炎のリスクもありますし、”万能とは程遠い”と思いますよ。”良い防御手段”だとは思っていますが。
・ワクチンは絶対安全だから何がなんでも接種させようとしているんですね
→本投稿のどこにそんなことが書いてあるのでしょうか。ぜひ教えてください。
・薬剤師なら「副反応のリスクよりも実際に罹患するリスクの方が高いから」くらいのこと言えないんですか?
→この記事の最初の3~5行を読んでください。そう書いてあります。
・重症化するごく一部の人のことなど切り捨てるべき
→まず、その”ごく一部”に自分や自分の家族が入った場合にも同じことが言えるのかどうか。次に、そのような発言をしている人がごく一部なので、貴方もまた同じように切り捨てられる可能性があることについて。最後に、仮にその理屈に従えば、ごく一部にしか起こらない「ワクチンの副反応」のリスクを切り捨てて国民全員にワクチン接種を強制することも是となることについて、それぞれどうお考えなのかお伺いできれば幸いです。
・なぜ薬剤師がワクチンについて語っているんですか?
→ワクチンも医薬品です。薬剤師は医薬品の専門家です。「国民がワクチンに対して正しく理解する」ことが最重要課題となっている今のフェーズで、「国民の不安に耳を傾け、薬の正確な情報を届ける」というのは薬局薬剤師の大事な仕事だと考えております。
・薬剤師ごときに何がわかる!
→貴方が蔑むその「薬剤師ごとき」ですら把握できているこの程度のことを、理解できていないご自分の情報収集能力と知識の無さを危惧すべきと思います。
・こんな話をするようでは、大学でもろくに勉強してないやつだ!
→私は薬剤師免許を持っている薬学修士です。薬剤師として認定も持っております。たぶん貴方よりは確実に「薬学」という学問を修めています。よろしくお願い致します。
・コロナの本を10冊読んだけどお前は勉強不足だ!
→私はコロナ関連の論文だけでも500本くらい読んでますので、たぶんブーメランだと思います。
・そんな偉そうに言うなら現場に立て
→発熱外来の患者さんの対応も行っておりますし、自宅療養者へのお薬のお届け等にも携わっております。
・誠実で勉強家の人ほどワクチンに反対している!
→現実は、9割以上の医療従事者がワクチンに賛同しています。逆に、反対しているのは勉強不足で、客観的に知識が不足しているのにやたら自信だけあって、とにかく言葉遣いが汚くて攻撃的だ、というデータが出ております(参考:よくある誤解㉝)。
・こんな雑な文章で接種する気になんてならない
→それは大変失礼いたしました。貴方のように優れた文才や知識、根気をお持ちの方にこそ、是非このような駄文とは異なる素晴らしい論考を書いていただき、この人類の危機に立ち向かうためのお力を貸していただければ幸いです。
・ざっと読んだけどよくわからなかった
→ちゃんと読んでください。
・ワクチンを売った金で、さぞ良い車に乗ってるんだろ
→私はワクチンを販売しておりません。ちなみに愛車だった11年目の軽自動車は先日ガリバーさんにお売りしましたので、いま車を持っていません。よろしくお願いします。
・ワクチンを売った金で、さぞ良い時計でも買ってるんだろ
→私はワクチンを販売しておりません。ちなみに腕時計は15年以上前にLOFTで買った1万円程度のやつを未だに使っています。よろしくお願いします。
・マスクは熱中症になるからしない方が良い!
→この記事ではマスクの話はしておりません。なお、マスクは確かに不快ではありますが、熱中症の原因にはなり得ません(PMID:37056485)。「マスクを外すことが熱中症対策になる」と誤解し、本来必要な熱中症対策が疎かになる恐れがあるため、その認識は危険です。
・なんでTwitterでブロックしてんだよ、反論できないのか雑魚wwww
→主義主張の内容以前の問題として、そういう方向にアグレッシブな地方文化圏でお育ちのお方と関わりあうことには1ミリの意義も感じないので、ブロックさせていただいております。
・YouTubeの対談に出ろ
→YouTubeの対談は界隈の人たちが好むやり方ですが、”論文を出すなどして真っ当な議論をすることができない”人が、”ルール無用の場外乱闘だったら支離滅裂な屁理屈でも勝ったような雰囲気にできる”からやりたい、という魂胆が見え見えです。科学の議論は、常に論文でデータや考察を示すことで行われていますので、どうぞそちらにご参加ください。
・名誉棄損だ!
→具体的にどの部分が誰に対する棄損でしょうか、後学のため教えていただけますと幸いです。
・これは国が検閲した資料だから国の要望通りに書かれているだけ
→オリックス3連覇したぜイェェェェイ(=゚ω゚)ノ ヒーハーウッヒョォォォ!!!┌(┌^o^)┐< オリホー
…国が絶対に要望・指示しないようなわけわからんこと加筆しておきました。
・その他、ただの暴言や侮辱、誹謗中傷
→一線を超えたものは既に記録の上、弁護士の先生にも共有をしております。中には、Facebookで実名や住所・所属を明かしたアカウントでの投稿もあり、そのユル過ぎる危機管理の感覚に驚いております。気が向けばいつでも法的な対応が可能な準備は整っていることをご承知の方のみ、どうぞご自由に暴言や誹謗中傷をお書き込みください。なお、謝罪があれば記録を削除いたしますのでご連絡ください。
(実例)
・ワクチンを推奨している人は製薬企業からお金をもらっている
→私は1円ももらっておりません。お金で主張が変わると思う方は、ぜひ一度Amazonギフトカード等でも良いのでお送りください。それで私の主張が変わるかどうかを確認できると思います(2024年2月時点では1ptも送られてきておりません)。
・どうしても自分はワクチン接種したくないのですが・・・
→それはそれで貴方の選択・自由と思います。ただし、ワクチンを接種しないという選択をするのであれば、ワクチン接種済みの人に比べて感染・発症・重症化・死亡リスクが圧倒的に高いままの状態が続く、という事実を前提にした生活をする必要があります。なお、どこかのタイミングで気が向いたら、またいつでも接種を検討してみてください(その時のために接種券は保管しておいてくださいね →紛失した方はこちら)。
・このブログも、所詮は一人の薬剤師が書いたただのブログ
その通りです。だからこそ、公衆衛生の専門家たる薬剤師という国家資格を有する者として、実名を公開した上で、更に自分の意見の根拠として主に査読済みの学術論文を明示し、「事実」と「意見」を分けて話をしております。そのため、少なくとも”客観的・科学的に検証することができる内容(反証可能)”ではあると思います。何か気になる点がございましたら、根拠を添えてその旨ご指摘いただければと思います。
本記事を読んで色々な誤解が解けましたら、下記のような、信頼に足る情報源で改めて正確な知識を身につけていただければと思います。
★厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」(無料のコールセンターも設置されています)
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/
★NHK特設サイト「新型コロナウイルス:ワクチンQ&A」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/
★長野県「教えて!!新型コロナウイルスワクチン」https://www.pref.nagano.lg.jp/kansensho-taisaku/vaccine/osiete_pfizer_moderna.html
※たくさんのコメントありがとうございます。いただいたご意見は、基本的にすべて目を通しております。が、コメント欄は無料お薬相談室でもなければ、コロナ禍のフラストレーションをぶちまける場所でもありません。本文やそこで示した根拠を全く読まずにトンチンカンなことを物凄い上から目線で語ってくるコメントも非常に多いため、全てのコメントに返答することはできかねます、ご了承ください。また、アクセシビリティの観点から表示するコメントも制限させていただいております。
※友人から「ちょいちょい本性が出てる」と言われたので、ちょっと口が悪くなっていた部分は書き直したりしてます、すみませんm(__)m
【公開後の大きな修正事項】
・2021年4月19日
mRNAワクチンの臨床試験、PhaseⅠ/Ⅱは2020年4月にスタートしていたというご指摘をいただいたため、その旨を加筆修正しています。
(参考)
https://investors.biontech.de/static-files/53f0968a-279b-4f82-a2fc-d67dcb6e4e91
・2021年7月23日
Phase3の実施期間とエンドポイントの扱いについて誤りがあったため、修正しました。
・2021年8月14日
日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会から、「新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)について(第2報)」が公開されたため、”妊娠の時期を問わず接種が推奨される”という表記に更新しました。
・2021年8月17日
よくある誤解⑦についての表現を修正しました。
・2021年8月19日
回答の根拠②について、COVID-19流行当初の古いデータの数字になっていた部分がありましたので、現在問題となっているデルタ株に関する記述に更新しました。
・2021年8月22日
「よくある誤解㉘:副反応がなかったら抗体ができない」を追記しました。
・2021年8月23日
「よくある誤解㉙:ワクチンを接種すると、かえって重症化する(例:ADE)」を追記しました。
「よくある誤解⑳:ワクチンを接種すると”無症状”が増えるので、むしろ感染が拡大する」にデルタ株の情報を追記しました。
・2022年1月22日
オミクロン株(B.1.1.529)について、年末に発表されたイギリスのデータをもとに、現段階でわかっていることを踏まえて加筆修正を行いました。また、変異株についてはアルファ株、デルタ株、オミクロン株をそれぞれ分けて記載しました(参考文献の管理が大変になってきたため、各段落ごとに数字をまとめ直しました)。
・2022年1月23日
最近の関心事である『「ファイザー」と「モデルナ」の違い』、『「オミクロン株」や「ブースター接種」』、『子どもへのワクチン接種』に関しての考え方をまとめた段落を追記しました。
・2023年2月10日
よくある誤解㉟として「ワクチン接種回数が増えれば増えるほど、重症化しやすくなる!」を追記しました。
・2024年2月9日
よくある誤解㊱として「ワクチン接種でギランバレー症候群になるから接種しない方が良い」を追記しました。その他、新しい文献報告をもとに加筆修正を行いました。
こちらのサイトで勉強させていただきました。
少し前ですがレプリコンワクチンのニュースを耳にしました。
こちらのワクチンについてもこれまでのmRNAワクチンと同様推奨のスタンスでしょうか?
そうですね、世界的に使用実績の豊富なmRNAワクチンがある現状で、敢えて新しいレプリコンワクチンを選択する必要性がどこまであるか…は今後のデータ次第なところもありますが、「接種を控えた方が良い要素」というのは特に見当たりません。
レプリコンワクチンに関しては、あまりに世間で悪質なデマ情報が拡散されているので、そのあたりは注意してもらえたらと思います。
(参考)
Meiji Seikaファルマ「次世代 mRNA ワクチン 情報サイト~一般の皆様向けページ」
https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/meiji-rep/for-public/
Meiji Seikaファルマ・小林社長 コスタイベで非科学的主張くり返す専門家に「厳正に対処」 法的措置も
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=77180
こちらの公開当初から大変有り難く拝読しています。
またワクチンを不安に感じていた同僚にも読むようお薦めしたところ、大変分かりやすかったと感謝されました。
本当にありがとうございます。
ところで、ご意見いただけたらありがたいのですが、
現在中学3年生、受験生の子供がいます。既に4回接種済み、4回目は今年の1月に打ちました。
つい最近5回目の接種券が届きました。この5回目をいつ打つべきか悩んでいます。
①現在とても流行っていること・10月は修学旅行や文化祭と行事が多数あるので、今罹りにくくするよう今月中には接種する
②受験は2月のため、その頃に抗体を残したいので、今は待って12月頃に接種する
どちらを選択するべきか、なかなか決めきれずにおります。
お忙しいところ大変恐縮なのですが、よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございますm(__)m
接種のタイミングについては、”最も防御効果の高い時期”をいつに合わせるのか、色々と調整が難しいところがあると思います。
その状況であれば、近隣の流行状況や各イベントの重要性を踏まえながら選ぶことになりますが、正直なところどちらを選んでも間違いではないと思います。
ただ、感染防御効果も半年ほどは続くことを踏まえると、「12月まで待つ」ことはしなくても良いのではないか、という気はします。
(私であれば、10~2月あたりに効果を期待して、9月下旬~10月初旬ころに接種しておくかな、と思います)
すみません、ここならワクチン接種反対で有名な陰謀論動画について解説があると思ったのですが、そう言ったのは掲載されないでしょうか?
内容は「YouTubeで見たバズってる動画」なんですけれども…
・厚生労働省職員や学会の有名医師がそろって記者会見で「ワクチンは危険でした」と涙ながらに謝罪会見する動画
・医師だけでなく製薬会社の博士も登場
・その動画を元に国会で追及があり、「詳細は分かりません」とかわす厚生労働省がNHKの国会中継で流れる
・なんと国会議員の4割しかワクチンを打ってない事が判明するも黙ってる
・「そう言えば上記の話、全然続報聞かないよね」とホリエモンやひろゆきが蒸し返す
という合わせ技で「メッチャようつべでバズってるけど知らないの?!ワクチン危険だよ!!」って言われて(一体どこの話なんだろうか…)となりました。
反論する情報も持ち合わせてないので、どうにか調べていただけないでしょうか…
まず、それらの情報について、根拠として信頼に足る客観的な数字・データ・出典はありましたでしょうか?恐らく、客観的根拠の裏付けが全くされていない話かと思います。つまり、「誰かが適当に言っているだけ」の与太話に過ぎません。
言っている人の頭の中にしか存在しないので、調べようにも調べようがありません。
反論とは、論に対するレスポンスです。論でないものに反論はできません。
「まずはそちらが自説の裏付けとなる客観的根拠を示すのが先です」というお話かと思います。
客観的根拠が示されて初めて、その解釈が妥当かどうかの”議論”ができるようになります。
いつも信頼させて頂きつつ拝見しております。
薬学の専門的な知識が無い私にとっては、この明快かつ理路整然としていて、かつ尋常じゃない情報量のこのサイトが半ば私のコロナ対策指針の拠り所です。本当にありがとうございます。(もちろん厚生労働省の呼びかけも参照にしてはおりますが)
新しく塩野義製薬から、治療薬「ゾコーバ」が開発され、緊急承認をされたというニュースを耳にしました。私がいつも拝見している医師や薬剤師の先生方のTwitterでの反応は、ゾコーバに対してあまり歓迎的では無かったようにお見受けされました。
fizz先生はゾコーバについてどのように見ているか教えていただきたいです。
また、もし良ければファイザー社やモデルナ社のワクチンと、今回の塩野義のゾコーバ(もちろん治療薬とワクチンは持つはたらきや使う意味が全く違うのでこのような比較の仕方をするのは適切ではないかもしれませんが)は、エビデンスや、信頼できるかについてどのぐらい違いがあるか(イベルメクチンはとても信頼性の高く有効な疥癬の治療薬かつコロナウイルスには特別効果があるわけでなく、治療薬として適切ではないことはここのサイトにてある程度理解させていただきました)教えていただきたいです。
ご多忙な中自分の業務に加えてこのように情報発信をしてくださってる先生、本当にありがとうございます。勝手ながら心の中で応援させて頂いています。
ゾコーバに関しては、効果は確かに「ある=統計学的にプラセボと有意差がある」というデータが発表されています(※この統計処理についてもかなり疑義がありますが)。
ただ、その効果が”どの程度”なのかという実態を見てみると、「症状が回復するまでの時間が192.2時間かかるところ、167.9時間に短縮する」くらいの効果です。重症化や死亡を防ぐという効果は今のところ確認されていません。
この程度のメリットと、「催奇形性がある」「相互作用が多く色んな薬と併用することにリスクがある」「新薬なので未知のリスクがある」「しかも値段が高い」というデメリットを天秤にかけると、ほとんどのケースで『デメリットの方が大きい』と判断されるだろう、ということで、”現状では基本的にほとんど出番はない”と考えています。
…承認までのプロセスに関しても「データが公開される前から国会議員が”他を圧倒する有効性”みたいなデタラメを言う」、「統計学的に有意差があるのは確かだけど、物凄く都合の良いようにいじくりまわしてようやくついた程度の有意差」「効果の実態とかけ離れたメディア報道」などなど、色んなところに「薬の有効性や安全性よりも売り上げ重視」の患者軽視の姿勢が透けて見えること、以前に塩野義製薬は『ゾフルーザ』という薬で同じことをやらかしていること等から、物凄く警戒しています。
児島さま
記事の内容がとてもわかりやすく、参考にさせていただいております。
恐れ入りますが、可能であればひとつ質問させてください。
乳幼児(0歳6か月~4歳)向けのワクチン接種に関して、
何か信頼できる論文などはございますか?
乳幼児向けのワクチン接種に関しては、下記のWebサイトに情報がわかりやすくまとまっていると思いますので、参考にしてもらえたらと思いますm(__)m
(仕事が落ち着いたら本投稿にも追記したいと考えています)
☞日本小児科学会「生後6か月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=466
☞厚生労働省「新型コロナワクチンについて:乳幼児接種(生後6か月~4歳)」
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/infant/
きちんと治験のPhase3までに検証されているだってさ。モルモット使ってないのによくいうよ。人体実験の結果、死亡者を意識的に0にしたからだろうけどね。目を覚ましたほうがいいんじゃない?薬剤師会の小飼さんよ。
すみません、意味がわからないので日本語でお願いいたします。
phase3は臨床試験なのでモルモットなんか使うわけないでしょう。
それと私は薬剤師会に飼われてはいません。むしろクソ高い会費をとられて腹立ってます。
あと私は毎日薬剤師として地道に勉強してますので、”目覚める”とか言って”何者かになった気分”に浸る必要がありません。遠慮させていただきます。
知念先生のTwitterから、当サイトを拝見させて頂きました。
私には、8歳、5歳、2歳の息子がいるのですが、特に5歳の次男の発育が悪く、3歳平均の体重しかないことからワクチン接種について量が多すぎるのでは。という考えを持っていました。
また、8歳の長男については、3月に新型コロナに罹患したこともあって、ワクチン接種を控えておりました。
3男のワクチン接種も承認されたことですし、この際全員に接種させたいと思います。
素晴らしい記事をありがとうございます。
参考にしていただきありがとうございますm(__)m
こちらの公開当初から大変有り難く拝読しています。有益な記事をありがとうございます。
間もなく4回目のワクチン接種をするのですが、10月中旬以降からオミクロン向きの新しいワクチンの接種がはじまる、といったニュースが流れていて、それまで4回目は待ったほうが良いのか…?と悩んでおります。
お忙しいところ恐縮なのですが、ご意見伺いたいです。よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
4回目のワクチン接種ですが、「既存のワクチンを今接種する」or「オミクロン株対応のワクチンを待つ」かの判断は色々と悩ましい問題かと思います。
個人的には、下記のように考えています。
・リスクの高い人 → 今4回接種を検討する
・そうでない人 → 待っても良い
…既存のワクチンの4回接種でも、3回接種に比べて、高齢者では「感染予防19%、発症予防31%、重症化予防40%」という効果(BMJ. 2022 Jul 6;378:e071502.)が、健康な若い人でも「ブレイクスルー感染を65%減らす」という効果(JAMA Netw Open. 2022 Aug 1;5(8):e2224657.)が、それぞれ一定期間期待できます。
今のこの感染拡大の状況では、もし発症・重症化してしまった際に十分な医療を受けられない可能性がありますので、感染リスクの高い生活をしている人や、重症化リスクの高い高齢者や持病のある人、あるいは感染したくない!という人は、いま「防御効果を重ね掛けしておく」ことは非常に意義のあることかと思います。
(※私や、私の親族の高齢者は4回接種を済ませています)
…一方であまりリスクのない人の場合、3回接種を済ませていれば「重症化」をそこまで心配する必要はありません(ゼロではありませんが)。この重症化予防の効果はかなり高いものが長続きしますので、引き続きの感染対策を行いながらオミクロン株対応のワクチンを待つ、という戦略も十分にアリかと思います。
現状、特に専門機関などから基本指針のようなものは発表されていませんが、「自分が感染した際の重症化リスク」や「自分の日常生活での感染リスク」、「どのくらい感染したくないか」、「ワクチン接種後の発熱などで仕事の休みをとれるか」…などの事情から、どちらが良いかご検討いただければと思いますm(__)m
こんばんは。
ワクチンの「有効性」「有効率」というものがよくわかりませんでした。
『回答の根拠①:mRNAワクチンの効果』で
>ファイザー社製のmRNAワクチン『コミナティ』は
新型コロナウイルス感染症の発症を大きく減らす(有効率:94.6%)ことが
臨床試験で示されています1)。
とあります。
私はワクチンの有効率に関する知識は持っていないので
上記を読むと「100人中94.6人の発症を防止した」とおもってしまいます。
しかしながら、
>この臨床試験は
参加者を約18,000人ずつランダムに2つのグループに分け
片方のグループにはワクチンを接種、
もう片方のグループにはプラセボ(偽薬)を接種して
112日間追跡したものです。
その結果、プラセボ接種群では169例が発症、9例が重症化したのに対し、
ワクチン接種群では発症は8例、重症化は1例に抑えられています1)。
と続く文章を読んで、びっくりしました。
つまり、母数はどちらも約18000人で
ワクチン接種した人の発症は8例
ワクチンを接種しなかった人の発症は169例
ということだったんですね。
ということは、つまり、
そもそも、ワクチンを接種しても接種しなくても、
『感染発症する人の数は少なかった(それほど多くなかった)』
というふうに理解しましたが、間違いないでしょうか?
なぜニュースなどでは、94.6%という数字だけが報じられて
臨床実験に参加した方々の母数や、発症者数は言わないんでしょうか。
>上記を読むと「100人中94.6人の発症を防止した」とおもってしまいます
それは普通に数字の扱い方として誤りです。ワクチンの効果は、「ワクチン接種をすることで、何もしないのに比べてどのくらい防げるのか」という視点で評価する必要がありますので、回答の根拠①のように算出します(これは他のワクチンや薬でも同様です)。
>そもそも、ワクチンを接種しても接種しなくても、『感染発症する人の数は少なかった(それほど多くなかった)』というふうに理解しましたが、間違いないでしょうか?
こちらも「よくある誤解㉗」に記載したとおり、「Phase3の試験が行われた2020年7~11月当時のイスラエルの条件下で112日間追跡した場合」の数字です。図書館すら使えないような厳戒態勢で過ごせば112日間の間はそのくらいの数字になるだけです。こちらも本文にきちんと記載しておりますので、一度目を通していただければ幸いです。
こんにちは、はじめまして。
詳細な情報提供をどうもありがとうございます。
8歳の子どもを持つ母親です。
まもなく日本でも
5~11歳の子どもへの接種が認可になりそうなので
いろいろ調べているところです。
こちらの冒頭に
『日本で承認されているmRNAワクチンには、
新型コロナウイルスへの感染・発症・重症化・死亡リスクを
大幅に減らす効果が確認されています』とあります。
これは、ワクチンを接種すると
自分が感染したり、他人に感染させたりすること自体を
大幅に減らす効果があると理解してよいでしょうか?
厚労省のサイトなどで
その旨明記してあるページがありましたら
教えていただけると助かります。
どうぞよろしくお願い致します。
>ワクチンを接種すると自分が感染したり、他人に感染させたりすること自体を大幅に減らす効果があると理解してよいでしょうか
はい、良いです。理由や根拠、データについては「回答の根拠①」、「よくある誤解①」、「よくある誤解⑳」などにも記載しておりますので、参照していただければと思います。
こんにちは。
近々ワクチン接種の予定ですが、アレルギー持ちなので不安です。いつもここを読ませてもらって心を落ち着けています(^^;
質問なのですが、ワクチン接種日(接種前)に普段飲んでいるアレグラなどのアレルギーのお薬を飲んでも大丈夫でしょうか?以前NHKのニュース記事で事前にアレルギーの薬をかかりつけ医からもらって飲んでいたら、じんましんなどの皮膚症状が早くに出なくて、アナフィラキシーだとなかなか気づかず危ないところだったとありました。私的には飲んでいた方がアレルギー(アナフィラキシー)が抑えられるのかと思っていたので驚きました。
当日は薬を飲んでいった方がよいのか飲まない方が良いのか迷っています。
お忙しいところ恐縮ですが、アドバイスいただけるとありがたいです。
活用していただいてありがとうございます。
基本的に、アレグラ等の薬を「ワクチン接種前に一旦中断しておいた方が良い」ということはありません。ただ、そのアレルギーの内容によっては接種後の観察時間を少し長めにとる等の対応を考える必はあるかもしれません。そのため、薬を飲んでいることは接種会場で医師・薬剤師にお伝えいただければと思います。
もし心配でしたら、そのアレグラを処方してもらっている病院で一度相談してもらっても良いかと思いますm(__)m
先生こんばんは。10代大学受験生です。
この間は返信ありがとうございました。
先生のおかげで9月3日にワクチン1回目(ファイザー)を打つことができました。
しかし、1回目は腕の痛みの副反応だったのですが、2回目の副反応が心配です。
色々情報を調べてみると、やはり不安になることがあり、2回目接種を躊躇してしまいます。
また、あるYouTuberの方が今回のワクチンと血栓との関係や、心筋炎は軽い程度と言われているけれど、実際は最悪エクモを使わないといけないみたいなことを言っておりとても不安です。
(※根拠なく不安を煽る動画と判断しましたので、リンクは削除しました)
この方は今まで数多くの患者さんを見てきた救急病院の看護師の方で話を聞いてみると『確かになあ』と納得することがありました。
この方が言っているんが本当なら厚労省はなぜ心筋炎は軽くて済むみたいなことを言っているのでしょうか?
もうどの情報を信じて良いのかわかりません。
先生、返信よろしくお願いします。
色々と不安に思う心中、お察しします。が、ワクチン接種をするかどうかの情報源として、ワクチンの危険性を語るYouTubeを視聴することは、今後も一切辞めることを強くお勧めします。
本文中にも記載しましたが、本当に何かワクチンの危険性に気づいた科学者が投稿するのはYouTubeではなく学術論文です。なので、もし本当にリスクがあるならYouTubeではなく学術論文が発表されます。
現状、YouTubeでワクチンの”危険性”を語っているものは、学術的には検証する時間すら無駄、くらいのものしかありません。そのような動画の再生数稼ぎに貢献などせず、一切無視してください。世の中のまともな医療従事者は誰も、学術論文の出典や裏付けのないYouTubeを情報源・判断材料にはしません。する必要も価値もないからです(明日の天気を調べるのに、天気予報と誰かの個人的主観で語られた予言YouTubeを同列に並べて情報源にしないのと同じです)。
また、これも本文中に記載しましたが、若い世代であっても、心筋炎は感染・発症した場合の方が何倍もリスクが高く、ワクチン接種のメリットが圧倒的に上回るということは何万人規模の調査によって確認がされています。
心筋炎が軽くて済むと言っているのは、これも大規模な調査によって「軽くて済む」ことがわかっているからです。「ECMOが必要になった」という事実はありません。もしそう述べているのであれば『どんな公的機関から、あるいは論文として発表されたデータなのか』を必ず確認してください。公的機関や論文の裏付けがない話に、いちいち「耳を傾け不安を煽られる」必要はありません。
『誰が言っているか』ではなく『何を根拠に言っているか』を確認する習慣をつけてもらうのが良いと思います。
これも本文に記載しましたが、今のデルタ株に対しては、1回接種だけでは期待できる効果はかなり低くなります。不安を煽って面白がっているYouTubeに惑わされ、取り返しのつかない事態を招く人が出ないことを願っています。
また、そうやって悩んだ場合には、このようにインターネットで相談するのではなく、いつもお世話になっている主治医を含めて、複数の医師・薬剤師に相談することを強くお勧めします。
詳しいご説明ありがとうございました。
授乳中で接種を見合わせておりましたが、抗体が母乳を介して赤ちゃんに行く、と知り接種してまいりました。
しかし、Twitterで授乳中のお母さんが接種後に赤ちゃんが亡くなったというニュースを見かけました。
何万分に1度の確率なのかもしれませんが、不安で不安で仕方がありません。
スパイクタンパク質が乳汁に移行し、これを赤ちゃんがうまく分解できず副作用が起きた、と記載してありましたが、
①スパイクタンパク質は乳汁に移行するのでしょうか?
すぐにアミノ酸に分解されないのでしょうか。
②接種後は何日か授乳を見合わせた方がいいのでしょうか。
授乳について調べましたが、抗体が移行する可能性についての記事しかでてきませんでした。。
自分のリスクは覚悟の上打ちましたが、子供がどうにかなってしまうのかと思うと怖くて仕方がありません。
お忙しいかとは思いますが、ご返信いただけましたら幸いです。
①移行しません
→むしろ移行させようと思っても困難ですし、万が一、移行しても問題はありません。もし、少量のスパイク蛋白を乳児が摂取しただけで重篤な事態に陥るのであれば、そのスパイク蛋白を含むウイルスそのものも少量を取り込んだだけでも乳児はすぐに重篤なことになるはずです。そのような事態は起きていませんので、「このリスクを考える必要は全くありません」。
②見合わせる必要はありません
→こちらは本文にも記載した通りです。
・・・色々と調べて不安になるお気持ちはわかりますが、そういった得体の知れない体験談は役に立たないどころか、今後もそうやって事あるたびにあなたの不安を煽るだけです。そのような有害な情報を流すアカウントはミュート・ブロックしておくことを強くお勧めします。
はじめまして、この春から都内で働いている社会人4年目の者です。今回Fizzさんのこの記事を見つけ、1時間以上かけて読み耽っていました。職場にも友達にも、「ワクチンは5.10年後何があるかわからない」「コロナは陰謀論」等言っている人がいて悲しくなっていました。結果的に私は、2回モデルナのワクチンを接種することができましたが、不安は残っていました。ですが、この記事を見てたくさんあった不安の種をひとつ一つ丁寧に、根拠に基づいて説明しているのが本当にありがたかったです。
職場の人も友達も「コロナが無ければこんな事言わなかったのにな、」と思う気持ちもあります。しかし現状できることを小さいながらも続けていくことが本当に大切だと思います。これからも感染症対策を続けて頑張ります。
まとまらない文章になってしまいましたが、居ても立っても居られずコメントしました。
これからも定期的にこの記事を見にこようと思います。
最後に、この記事を書いてくださり本当にありがとうございます。
一刻も早いコロナウイルスの収束を祈っています。
お体ご自愛くださりますように。
医者に賛否両論はない、とありますが医療従事者が400名以上、ワクチン反対の署名活動をしてるようです。さすがにこちらの記事のように断言するのは問題がありませんか?根拠を添えてる質疑応答が多い中で、この項目は扇動してるような印象を受けました。
その署名の中心人物らが、普段からどのような言動や商売をしている人たちかを調べたことはありますでしょうか?
「医療従事者が」としていますが、その資格確認はどのような方法で行われていたかを調べたことはありますでしょうか?
本文中にも記載しましたが、”まともな医療従事者”で全面的に反対している者はいないという点、また既に世界から多く発表されているデータ等に基づいて多くの専門家が示している「科学的根拠に基づいた見解」と「ただの感想」を並べることを”賛否両論ある”とは言わないという点は、誇張でもなんでもありません。
初めまして。私が考えていたワクチンへの不安を、全て取り払ってくれるひとが居た…!!!と決して大袈裟ではない感動と、ワクチン接種への決意をしたのも束の間。
下記のような記事を目にして、またもや不安ループへと逆戻りしてしまいました。
お忙しいとは思いますが、先生のお考えを宜しくお願いします。
※つけていただいたリンク先には不適切な情報を含むと判断しましたので削除しています。
ADEに関して、新型コロナウイルスのワクチンではそのようなリスクも兆候も報告されていません(信頼に足る情報源から発せられたものがありません)。動物実験の段階でも否定されていますし、日本でも世界でもワクチン接種者の重症例は大きく減っていますので、そのようなリスクは現実的ではありません。心配する必要はないと評価するのが妥当と思います。
こちらのQ.4-8も参考にしてください。
https://covnavi.jp/category/faq_public/
こんばんは。
来週コロナワクチン(モデルナ)を打つ予定の大学受験生です。今回の内容とてもわかりやすかったです。
しかし、副反応について色々調べてみたら、失明に関してイギリスで300人失明したという記事を見つけました。
またさらに気になって調べてみたらTwitterなどで結構「失明した」という話が出ていて怖いです。実際にこう言う話が出ていると言うことらしいのですが、先生はこれに関してどう思いますでしょうか?
(2021年8月17日:修正版です)
現状、有害事象(因果関係がないものも含めたもの)として視力障害はいくつか報告がありますが、これがワクチン接種によって起きたと断言できるような根拠はありません。そのため、基本的には「たまたまワクチン接種後というタイミングで起きたもの」=「ワクチン接種によって増えるものではない」可能性が高いと思われます(よくある誤解⑥と同様の考え方です)。
今後、もっとデータが集まった際に関連性が見出される可能性がないわけではありませんが、少なくとも「失明している人が続出」というような事態は起きていませんし、何億回とワクチン接種が進む現時点で「関連しているのかしていないのかよくわからないくらい」しか起きていないということは、もし関連があっても極めて稀で、「ワクチン接種のメリットを覆すほどのリスク」とはなり得ないだろうと評価するのが妥当と思います。
・・・つまり、このリスクを仮に判断の天秤に乗せたとしても、「接種するメリットの方が上回るので、接種した方が良い」と評価できることに変わりはない、ということになります。
記事、読ませていただきました。証拠となる学術データまで付いており大変勉強になりました。
「n年後の副作用が怖いし、接種は暫く後でもいいかな」と思っておりました。が、記事を読んで納得し、考えを改めすぐにでも接種しようと思います。
その上で質問なのですが、モデルナとファイザーの2種類のワクチン、どちらがよいのでしょうか。
巷ではデルタ株にも有効だの半年後のワクチン有効率が何とかだのと目にします。多分一概にこっちが良い!とは言えないと思うのですが、その辺り参考に出来そうな論文など教えて頂けると幸いです。
コメントありがとうございます。そう言って頂けると頑張って書いた甲斐がありますm(__)m
感染が落ち着いている状況ならまだしも、現在のデルタ株などの流行状況からは「特に理由のない様子見」はかなりの”悪手”となってしまう可能性が高いと考えられますので、機会を得たタイミングで接種しておくのが良いと思います。
ファイザー社製とモデルナ社製のワクチンについては、これまでに厳格な使い分けが必要なほどの”顕著な差”は報告はされていませんので、現状では「早く接種できる方を選ぶ」のが最適解かと思います。
・・・強いて言えば、下記のような差はありますので、参考にしていただければと思います。
■1回目接種と2回目接種の間の期間
ファイザー:3週間、モデルナ:4週間
→同じ日に1回目接種をした場合、迎撃態勢が整う(2回目接種完了から2週間が経過)のはファイザーの方が1週間早くなります。
■得られる効果と副反応
およそ同等、とされていますが、デルタ株に対してはモデルナの方がやや優性かもしれないというデータ(https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.08.06.21261707v2 ※査読前論文)が出てきているところです。今後の情報によっては何かしらの優劣はつくことがあるかもしれませんが、ファイザーの効果がヘボい、というわけでは決してないので、「予約をとれるかどうか」が最優先事項で良いと思います。
なお、発熱や頭痛といった副反応も、モデルナの方が多い傾向にあるようですので、その辺との兼ね合いもあるかと思います。
情報が古い気がします 半年~1年ぐらい前時点での情報のまとめの気が。
イスラエルで3回目接種が決まったのは接種後半年ちょっとで効力が落ちてきたから。
また当初の有効率は95%でしたがデルタ株に関してはかなり低い(60%とか)いろいろデータ出てきています。
デルタ株に関しては2回目2週間経っても周囲へ感染を広げる効果はそれほど軽減されないとか、重症化は防げても感染率はワクチン未接種者とそれほどかわらなくなってきた、など。
ワクチンによる死亡者も海外ではすでに何例も認められているのに死亡者はないと断言するのはいかがなものかと。
他にも随所にハテナマークがつく箇所があります。
ワクチンのメリットについては大きいと思いますし自分もワクチン予約済みですが ワクチン接種者を増やしたいからなのか
意図的に情報をゆがめたり 都合のいいことしか書かないのはどうなのかなぁ?と思いました。
そういう姿勢がワクチン接種への不信感を助長していると思います。
>半年から1年前の情報
参考文献をご覧いただければわかる通り、2021年に発表された論文も数多く引用しておりますので、そこまで古い情報ではないと考えております。そもそも、ワクチンができたのは2020年末です。1年前はまだワクチンは存在しなかったことも付け加えさせていただきます。
>デルタ株に対しての効果
はい、その点は本文(よくある誤解㉒)にも記載しておりますので、読んでいただければと思います。
>死亡者はないと断言
本文中のどこで断言しているのか、教えていただけますと幸いです。
>意図的に歪めたり
日々更新される情報や新しい論文等にも目を通しておりますが、それでも至らない部分はあるかと思います。事実に反する部分や偏っている部分があれば、具体的にどこがどういった風におかしいのか、根拠も添えて教えていただけますと幸いです。
わかりやすく理論的で理性的な解説ありがとうございます!思い込みで食いついた方々へ細かく返事されてるのが痛快でした。笑
科学的根拠が上がっていない話で「プロテインとビタミンCを摂取しておくと副反応が軽減される」というものを聞きました。
薬剤の分野ではないかもしれませんが、何か根拠となる情報をお持ちだったら伺いたいです。よろしくお願いします。
読んでいただきありがとうございます。
「プロテインとビタミンCを摂取しておくと副反応が軽減される」という情報についてですが、全く科学的根拠のない話なので気にしなくて良いですが、特に害もないので「お肉や果物をしっかり食べる」くらいであれば試してもらっても良いと思います。
・・・ただ、1点注意してもらいたいのは、タンパク質とビタミンCであれば大して害もないのですが、往々にしてこうした根拠のない情報は次第に「高額なもの」や「危険なもの」を勧めるようになってきます(例:100mLで5万円のナントカ水を飲むと良い、医療用医薬品の〇〇が良い、など)。そのため、そういった”不確かな情報を収集してしまう習慣”そのものを見直した方が、今後のためになるかと思います。
はじめまして。コメント失礼いたします。
本記事、拝読いたしました。
大変わかりやすい解説をありがとうございます。
1点、解消できなかった悩みがあるのですが、無症状感染者がワクチン接種をした場合、
より強い副反応など影響が出てしまうといったことはあるのでしょうか?
感染を自覚していない場合、ワクチン接種は可能かと思うのですが、
自覚がないだけで実は感染していた場合、
ウイルスが入り込んでいる身体にワクチン接種をすることになりますが、問題はないのでしょうか?
上記のことが気に掛かり、PCR検査で陰性を確認してから、ワクチン接種を行うべきかとも考えております。
お忙しいところ恐縮ですが、ご教授いただけますと嬉しいです。
確かに、感染歴のある人では副反応が強めに出る可能性がある・・・という報告はあります(N Engl J Med . 2021 Apr 8;384(14):1372-1374.PMID:33691060)が、感染歴のある人も確実な免疫獲得のためにワクチン接種を受けた方が良い、というのが基本になります(よくある誤解㉔)。
万が一、感染している状態でワクチンを接種しても、特に害があるわけではありません(感染による発熱なのか副反応による発熱なのかがわかりにくい等のデメリットはありますが)ので、わざわざ検査をしてから接種に行く、ということはしなくて良いと思います。・・・が、直前にリスクの高い行動をとった等で感染している可能性が高く、接種会場に行くまでの間や接種会場の人たちに感染させないため、という目的であれば、検査をする意義はあるかと思います(接種に従事している人たちは基本的にワクチン接種済みと思われますが、接種に来ている人たちは未接種の状態なので)。
授乳婦です。
ワクチン接種と授乳について悩んでいます。
このページやこびなび(https://covnavi.jp/category/faq_public/)の授乳について等読みました。参照している文献(24)は同じだと思うのですが、母乳中のmRNA移行について、7名の母親の母乳しか調べられていないというところに、移行しないと結論づけるには少なすぎるのではないかと不安を覚えます。母乳育児を続けたいのですが、どのように解釈すれば接種を前向きに捉えられるでしょうか。
7人調べて「誰も移行しなかった」という話が、たとえば700,000人調べたら「1人くらい移行した」という話になるかどうかを心配されているのかと思います。
その場合、万が一「mRNAが移行する」と「具体的に何が困るのか」を考えてもらえたらと思います。
そもそもmRNAというのは非常に壊れやすいものです。実験で扱う際には、息をふきかけただけで壊れるようなものです。しかも、ワクチン接種するのはごく微量です。それが母親の体内で長く留まって、なおかつ母乳の中に移行する可能性は、そもそも非常に低いです。実際に7人調べて、皆無だったわけです。
でももし万が一、母乳に移行したとしても、それが乳児の唾液などの消化酵素をくぐり抜けて体内に留まることは、至難の業です。
さらに、天文学的な確率で、mRNAが乳児のそのまま胃袋に届いたとしても、胃酸で分解されてしまうので、それが乳児の身体に何か影響を与える可能性はありません(「mRNA」と聞くとなんだか危なっかしいようなものに聞こえるかもしれませんが、小麦の細胞にも、キャベツの細胞にも、魚の細胞にも、生きている細胞には何らかの「mRNA」は含まれています)。
以上を踏まえて、「恐らく移行はしない」し、「天文学的な確率で万が一移行したところで、何か害があるわけでもない」ことから、母乳育児は続けてもらって何の問題もないと薬剤師として評価をしています。
はじめまして。インターネット上の情報の中で一番詳しく、分かりやすいもので参考になりました。
1点質問があるのですが、ワクチン接種後も感染リスクはあるため、対策を続ける必要があるとのことですが、その場合、ワクチン接種のメリットである、周囲の人を守れるということと矛盾するようにも感じてしまうのですが、どのように理解すれば良いでしょうか。
初期のウイルスであれば上記メリットも確かにありましたが、デルタ株の流行後は、周囲の人に感染させないというメリットは薄まってきているように思います。これも誤情報に惑わされてしまってるのでしょうか。教えていただけたら嬉しいです。
「ワクチン接種で周囲の人を守れる」と「ワクチン接種後にも感染対策を続ける必要がある」は矛盾した話ではありません。本文にも記載している通り、ワクチン接種で感染や重症化のリスクは減らせますが、完璧なゼロにはできないからです。
また、デルタ株の影響で「ワクチンの効果がやや弱まっている」ことは事実ですが、「効果がゼロになった」わけでもありません(よくある誤解㉒)。そのため、ワクチン接種には周囲の人を守るという意義は引き続きありますし、流行が続いている間は感染対策を続けていく必要があります。
「シートベルトをしていても交通事故に遭ったらケガをする」からといって「シートベルトが無意味」とはならないのと同じ話です。なんでも0か100かではなく、”どの程度の効果があるのか”で考えるようにしてください。
現時点でできる限りの根拠を示した正しい事実に基づいて、ワクチンの安全性の理解や自分が接種するかの判断をしたいと考えておりました。
ですが、「コロナワクチン」などと調べても不安を煽るような情報が根拠を示さずたくさんでてきており非常に判断に困っていました。
この記事を読んで、何週間も前に届いて開封すらしていなかったワクチン接種券の封筒を手に取り、自分で理解し納得した上で接種に向けて行動しようと思えました。
ありがとうございました。
初めまして、来月接種を予定している大学生です。
ブログを拝読しました。どのサイトよりもワクチンについて丁寧に解説されており、大変勉強になりました。
ところで、つい先ほどイスラエルにてファイザー製のワクチンの予防効果が大きく低下しているとの記事を読みました(どの株については書かれていませんでしたが、恐らくデルタ株なのでしょうか。)以下がURLですが、信憑性の薄い内容でしたらリンクは切って頂いて構いません。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4322177.html
依然として重症化予防に対しては高い水準があると記されていますが、もし本当に予防効果が39%程度であるなら、ワクチン接種後も変わらず感染を恐れながら生活しなければならないのかと不安に感じてしまいます。
来月接種するのはファイザー社製の予定です。私の自治体や所属では摂取するワクチンを選ぶのは難しいのですが、モデルナ社製の方が良いのかななどと考えてしまいます。
一方、Fizz-DI様のブログや厚生労働省のHPには感染予防効果が90%以上あると記されています。
医学に関しては素人で、イスラエルが単に外れ値なのかなどは私には判断がつきません。
Fizz-DI様のご意見をお伺いできればと思い、コメントさせて頂きました。
ご教授頂ければ幸いです。
コメントありがとうございます。
>イスラエルのデータ
色々な制限下で行う臨床試験と違って、リアルワールドのデータは様々な要因によって影響を受けるため、効果の数字は変動しやすい傾向があります。変異によって多少の効果減弱があることは確実視されていますが、「どのくらい減弱するのか」については、他の研究などとも合わせて総合的に考える必要があるかなと思います。
>感染を恐れながら生活
新型コロナウイルスが怖いのは、インフルエンザ等と違って簡単に医療を逼迫させてしまうことです。つまり、多くの人がワクチンを接種して重症化を防ぐことができれば、医療逼迫は起こりにくくなります。
元々、ワクチンを接種していても感染や発症は100%防げるものではないので、医療が逼迫している間は感染しないようにかなり注意する必要があります(もし発症・重症化してしまった場合に助からない可能性が高くなる)。が、多くの人がワクチン接種を済ませれば、そういった機会はどんどん減ってくると思います。
>ファイザーかモデルナか
特に目立った違いは今のところ報告されていないので、どちらでも早く接種できる方で良いと思います。
初めまして、今週の土曜日に学校でワクチンを受ける大学生です。分かりやすくワクチンについてまとめて頂きありがとうございます。若い人は副作用が出る可能性が高いと聞いて少し不安なのですが、副作用が出た時に備えて市販の解熱剤、アセトアミノフェンを用意しておくべきでしょうか?あと、私は今まで解熱剤をほぼ飲んだ事がないのですが、接種後、発熱、痛みが出たら我慢せずにすぐ飲むべきでしょうか?
読んでいただきありがとうございます。
接種後の熱や痛みに対しては、こちら別記事にまとめてありますので参考にしていただければと思いますm(__)m
https://www.fizz-di.jp/archives/1079144537.html
一気に拝読致しました。
仕事柄及び高齢の両親と同居の為、順番が来たら接種するつもりでしたが、副反応や未来の「何か」など不安感はありました。
日頃から情報リテラシーには留意している分、情報は鵜呑みにはしない、反対意見にも耳を傾ける、ようにしており、今回も、様々な臆測や噂に自分から触れておりました。
多くの人が、多分大丈夫だけど、多分全面的に信用して何かあったら、多分後悔するかもしれないから、多分真実を隠ぺいされないよう騙されないようにしたほうが多分安全なのでは的なボヤっとした恐怖感を持っていて、デマも蔓延してしまったと思います。
不安感は知識不足に起因していたのだなあ、と中途半端な自分(記事中の厚労相のサイトすら読んでおりませんでした)を反省し、接種に対してより前向きになりました。
思い返してみても、こちらの記事を論破できるような反対意見には出会っておりません。
もしかしたら、「何か」あるかもしれない事は否定出来ませんが、今ある事実や科学やデータと並べるほどでは無いと、自分の中での接種に関する議論は終了できました。
数ヶ月に渡るモヤモヤを解消してくださりありがとうございます。
同じような方が減りますように。
医師です。ワクチン接種に不安を感じる方、反対する方への対応に難しさを感じていました。そんな時だったので、この素晴らしい記事を感動しながら読みました。平易でわかりやすく、そして科学的で、そして何より大事なのが意見が異なる人に対してもきちんと尊重していることです。そして、本文のみならず、ワクチン反対派の人が攻撃してくるコメント欄でも鮮やかに対応されていることにも驚きました。一気に読みました。この記事に出会ってよかった。
ありがとうございます、先生にそう言っていただけて光栄です。
薬剤師として、国民が抱えている疑問や不安・誤解に対して、できるだけわかりやすく、気軽に正確な情報に触れられる機会を増やせたら良いなと思っています。
これからもそう思ってもらえるよう、精進しますm(__)m
現在、看護師としてワクチン接種業務に従事しております。
やはり根拠のないデマを信じている方が多くて…。
その度、説明するのが大変で困ったりすることがありました。
こちらはわかりやすく、すんなりと頭に入りました。
ぜひ参考にさせていただきたいと思います。
とても根拠が明確に示されていて納得できる内容でした。私は母がワクチンに反対していて、父は賛成派です。完全に板挟み状態なのですがどうすれば良いのでしょうか?母の意見はワクチンは5年後くらいに受ければいいのでは?若く将来があるのにリスクを負う必要がない、5年後も本当に安全なら受ければいいという意見です。私自身筋肉注射は痛そうで怖いし、変な噂も聞くと余計怖さが増します。しかし、周りの人に迷惑をかけたくないので受けたいと思ったのですが、どう説得すべきなのでしょうか?
コメントありがとうございます。
まず大前提として、ご両親とも貴方のことを想っての意見だと思いますので、どちらも無下には扱わないようにしていただければと思います。
その上で、
①ワクチンを打たずに5年過ごしている間に、どこかで感染するリスクが高い(ワクチンのリスクより、感染症のリスクの方が遙かに現実的)
②若い人でも、感染すると肺へのダメージ・後遺症などのリスクがある(よくある誤解4、18)
③自分が感染すれば、自分の周りに居る家族や友人に広げてしまう(社会的な行動制限なども生じる)
・・・という点を踏まえると、基本的にはワクチン接種をすることをお勧めします。
もし何か議論をしてみるとするならば、「5年後まで待つことでワクチンのどんな安全性が確認されるのか?」という点と、「5年の間に実際に新型コロナウイルス感染症に感染してしまった場合に負わなければならない不利益」を、それぞれ具体的に書き出してみて、それらを比較してみてはいかがでしょうか。その際、根拠のない噂話はきちんと排除して議論をしていただければと思います。
ちなみに、筋肉注射は少しチクっとするだけで痛くないです。
とても読みやすい文章で、ワクチン接種の不安が薄れました。ほとんどのデマへの回答はあったのですが、ワクチンを打つと「失明する」可能性があるというのもデマなのでしょうか。実際に身内の方がワクチン接種後失明されたお話も聞き、ネットでもそういった例が300例以上あると挙げられていて、それがとても不安です。
心筋炎のような稀で軽い副反応リスクもしっかり拾えている現状で、失明するといったような大きなリスクが見落とされることはまず考えられません。
実際、そういった症例は信頼できる場所からは全く報告されていませんので、根も葉もないデマということで捨て置いてもらってOKです。
科学的正しさのみを以て「陰謀論を信じる愚か者」と切り捨てるだけでは社会分断は埋まらず、ひいては最も重要な集団免疫の獲得にも支障があると考えます。それぞれにデマを信じたくなる環境的理由があるのかもしれません。
その点先生の、まず相手の不安に寄り添われる姿勢には敬服します。本来こういった専門知識と大衆理解の橋渡しをするのが政治やメディアの役割だと思うのですが…。
大変な時期かと思いますが、お体ご自愛ください。
イベルメクチンの方がこのワクチンよりも有効だという話についてどうお考えですか?
そもそもの感染・発症から抑えるワクチンと、発症してからしか使えない治療薬では、まず比べる基準が異なります。また、イベルメクチンは臨床試験でもまだ有益性は示されていません(効果的でなかったという報告ならあります→例PMID:33662102)。
今後、ワクチンと治療薬の両方が揃えば良いとは思いますが、臨床試験で90%以上の感染・発症予防効果、さらに重症化や死亡を減らす効果が示されているワクチンに比べて、まだ臨床試験で十分に有益性も示されていないイベルメクチンの方が効果的というのは、明らかにズレた話と思います。
イベルメクチンについて、長尾和弘医師が根拠のない情報を流布している認識でいいですか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/50ec3280bee65b5a3699e8c082e09775628273a0
イベルメクチンに関しては、現状「効果がありそう」とされた報告がなく(以前はありましたが捏造が発覚して撤回されました)、一方で多くの研究で「効果が無さそう」という結果が得られています。また、まだ論文になっていませんが、軽症者を対象にかなり大規模に行われた試験でもその有用性は否定されています(https://www.latimes.com/business/story/2021-08-11/ivermectin-no-effect-covid)。
・・・このような、「効かなかった」という実績しかない、「効果がない」と証明されつつあるような薬を使おうというのは、全く理解できません。国民に「薬害」しか与えない危険な発想と思います。
20)のファイザー公式資料で「妊娠中の場合、または妊娠を計画している場合は、医療提供者と選択肢について話し合ってください。」(google翻訳)と書かれているのが気になっております。
妊娠中のリスクが妊娠していない人と変わらないのであれば、なぜファイザーはこのような文言を書いているのでしょうか?
更新が追いついていない面もあると思いますが、そもそも薬の説明書きというのは、妊娠中には使ってはいけない薬には「使わないでください」とハッキリ書かれています。
それ以外は、何も書かれていないか、「相談してください」と書かれているのが一般的です。
はじめまして。
とても読み応えがあり、分かりやすい情報をありがとうございました。ワクチンに対してそこまで心配をしていませんでしたが、否定的な方の意見によくある誤解②〜④の話題は出てきて、その意見を見て「確かに…」と思うこともありましたが、こちらの内容を見てとてもスッキリしました。
私は数ヶ月前にコロナに感染して現在も味覚障害のみ後遺症が残っています。一部の方は動くのも辛いと言う人もいますし、味が無いだけならまだマシかなと思っているのですが、味噌汁を飲んだ時に出汁の味がしないのは辛いなと感じます。もう数ヶ月間、味噌汁は味噌の匂いがする塩辛い汁にしか感じませんし、出汁ってどんな味だっけ?と思うようになりました。味覚障害の治療を受けていますが、いつ治るか分かりませんし、もしかしたらそれこそ一生治らないかもという漠然とした不安も抱えています。
ワクチンに否定的な方が「若い人は死なないからワクチン受けなくて大丈夫!」と言っているのをよく見て「死なないかもしれないけど辛い障害が残ってもいいの?」と思っていましたが、先生の「死ななければ何も困ることはない、と考えているのであれば、それは大きな誤解です」と言う言葉にとても励まされました。本当にありがとうございます。他の方も言ってますがAmazonギフトカード送りたいです!
本当に分かりやすく良い情報をありがとうございました。
まだまだ大変な日が続くと思いますが、くれぐれもご自愛くださいませ。
とても参考になります!
いつもありがとうございます。
ファクトチェックをお願いしたいものがあります。
Twitterでコロナワクチンはロット別に死亡者数や重症者数に偏りがあるとの内容が拡散されています。
これについてお考えを聞かせて頂きたいです。
信頼に足る情報源からそのような事実、あるいはそのような兆候を示唆する報告・データも一切ありませんので、無視していただいてOKです。
どこの誰かわからない人のYouTubeやSNSではなく、公的機関や専門機関からの情報、学術論文としてそういったリスクが報告されたら、改めて検証します(現状存在しないので、もしリスクがあったとしてもごく僅かで今から心配する必要はありません)。本文中(よくある誤解㉕)にも記載しておりますが、ワクチンの危険性について何か気がついた科学者・医療従事者が投稿するのは学術論文です。
この記事にはいたるところに誘導と言うか意図的に不確かなものを断言している箇所や、事実とは異なる部分がありますね。。。一個一個指摘しようと一旦思ったのですがあまりに多すぎて書ききれないので諦めました。コメントの返信についてもです。
ワクチンを打った人にも、これから打とうとしてる人にも。そしてワクチン打ちたくない人たちにもあまりに不利益な内容と感じてしまいましたよ。
誠に失礼な言い方をすれば、ファイザーの関係者かと思ってしまうくらいです。
残念でした。
>いたるところに誘導と言うか意図的に不確かなものを断言している箇所や、事実とは異なる部分
いたるところにあるのであれば、後学のため、どうぞ1つくらいは具体的にご提示いただけますと幸いです。でなければ議論ができません。
>ファイザーの関係者かと思ってしまう
貴方がそうやって何の根拠もなく自分の思い込みだけで物事を決めつける方だ、ということはよくわかりました。ご自分で仰っている通り、大変失礼です。
「ファイザーの薬を飲んだことがある」という意味では、ファイザーの関係者かもしれません。
ちなみに私はモデルナ社製のワクチンを接種しました。残念でした。
児島先生、Covid-19ワクチンに関する大変にわかりやすくまた、正確な情報をありがとうございました。大阪市で昨年4月より新型コロナ感染症(中等症)専門入院病院となった大阪市立十三市民病院で、医療安全管理部(感染管理部含む)の責任者をやっている井上透と申します。ワクチンをうつかどうかについては、最終的には自己判断にまかせるものですが、正確な情報をもとに判断してもらえない現状に憂いを抱いておりました。
大阪では多くの死亡患者が出ましたが、これは一般に言われている重症病棟の不足だけが原因ではなくて、重症化しても挿管・人工呼吸管理を希望されない高齢者の方のクラスターが多かったことも原因と感じています。高齢者施設の職員や入所者へのワクチン接種が早く進むことを願っています。
この度は貴重な情報の発信をありがとうございました。
児島先生の益々のご活躍とご健康を祈念いたしております。
井上先生、コメントありがとうございます。
先生のような立場の方からそう言っていただけるのは大変光栄です、ありがとうございます。
この1年半、COVID-19対応やマスク・消毒薬騒動等で尽力している多くの医療従事者の方々を傍目に、あまり世の中に貢献できる機会がないのを歯がゆく感じておりました。
・・・が、ワクチン接種が重要な課題となってきた今、「ワクチンについての正確な情報を発信し、国民の不安を解消する、理解を促す」というのは、私のような薬局薬剤師がまさに職能を発揮する場面だと考え、WebやSNSを使った情報発信にも努めているところです。
まだまだ大変な状況が続くと思いますが、先生もご無理なさいませんよう、どうぞご自愛ください。
知識に乏しい私でも理解しやすい内容であり、エビデンスが参照しやすく見やすいです!こんなに明瞭に纏めるのは大変だったと思いますし、最新の情報が出る度に加筆修正されている努力に感服いたします。児島さんのサイトに出会えて良かったです。ありがとうございます。
明確な根拠のないデマで不安を煽られていましたが、ワクチンに対する不安がぐっと少なくなりました。
他の方もコメントしていますが、Amazonカード送りたいくらいです。笑
また質問なのですが、私は現在7ヶ月の子に授乳中です。ワクチン接種により私が付けた免疫は子供にも移行するでしょうか?
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2778766
イスラエルでの研究で母親がつけた抗体が母乳移行する可能性があるとネットの記事で読み、期待してしまっています。
これから若い人(授乳中のお母さん)へも接種が始まるので、もしこの他にも研究されていたりするものがあればぜひ纏めていただきたいです!お願いします!
コメントありがとうございます、そう言っていただけると光栄です。
Amazonカードはお気持ちだけいただいておきます、ありがとうございます(笑)
ご提示いただいた論文にある通り、母親がワクチン接種することで母乳中にIgA/IgG抗体が検出されるようになるようです。
これが具体的にどのくらい子どもの感染・発症予防に役立つのかまでは未だわかりませんが、「害はなく、もしかすると有益かもしれない」という状況ですので、ちょっと期待はしつつ今後の報告を待ってみようかなと思っているところです。
また時間を見つけてこの項目も追記しようと思います、情報共有ありがとうございますm(__)m
初めまして。
厚労省のワクチン説明には発症予防と書かれています。
現時点では感染予防効果は十分には明らかになっていません、とも実際書かれていますので、感染予防効果があると書くのは間違いではないでしょうか?
ワクチンを接種した人が発症せずとも感染するのであれば、その状態で町を歩く、家で家族と過ごす、というのは現状の無症状者が感染を広げるのとなんら変わりがないと思われますが、いかがでしょうか?
またその場合、ベネフィットがリスクを上回る高齢者がワクチンを打つのは理解できますが、いまだ死者がいない20代以下の若年層が心筋炎やアナフィラキシーなどのリスクのあるこのワクチンを打つ理由がわかりません。
そのあたりどのようにお考えでしょうか?
>厚生労働省の資料に「発症予防」と書いてある
更新が追いついていない面もあると思います。回答の根拠①で紹介した通り、感染予防効果は既に論文として報告されていますので、「感染予防効果はない」と書く方が不自然と考えます。
>発症せずとも感染する
「よくある誤解⑱」に記載している通り、ワクチン接種によって無症状感染者も減らせますので、ワクチン接種が感染を広げることはないと評価するのが妥当と思います。
>20代以下の若年層
これも「回答の根拠①」に記載している通り、感染・発症した時のデメリットは「死ぬ」ことだけではありません。若年層であっても重症化するリスクはありますし、軽症であっても高熱や咳といったしんどい症状は現れますし、味覚・嗅覚障害や息切れの後遺症リスクもあります。更に、発症している間は自由に行動もできませんし、家族や友人に感染させるリスクもあります。ワクチン接種による軽度の心筋炎(よくある誤解⑧)やアナフィラキシーといった”十分に制御可能なリスク”は、これら発症・感染した際のリスクを圧倒的に下回るため、ワクチン接種をした方が良いと考えます。
誠実な方でよく勉強もしていらっしゃることは十分理解できます。
また、このブログも「良かれと思って」やってるのだと想像します。
しかし、ありがちなミスですが、
①証拠がないと頭から信用しない
②学術論文など権威を妄信する
傾向にあることは紛れもない事実かと思います。
逆に申し上げると、ここには新しい事実は何一つ書かれていません。
単に権威のまとめサイトといった印象しかありません。
そもそも今回はその「権威」という部分に疑義が生じているのだから、
「権威だから正確だ」「庶民の意見はエビデンスがない」などと
自分が初めて気が付いたように庶民に書いても無意味だと思いませんか?笑
////////////
最後に一つだけいいことを教えます。
【権威側が嘘のエビデンスを作るのは簡単でも、庶民側がその反証を一つ一つ作るのは困難です】
ミサイルを撃つ方と撃ち落とす方、どちらのコストが高いかお考えになって、改めて庶民の目線に立って作成していただけるととても助かる人が増えると思います。
なぜそんなに上から目線なのかわかりませんが、何を議論しているのか理解できないなら無理にコメントされなくて良いかと思います。
>①証拠がないと頭から信用しない
証拠がないから信用しないのではなく、信用に値する証拠がないものは議論の俎上にすら乗らないだけです。なにも根拠が全てではありませんが、それは何の根拠もない与太話を信じるという意味ではありません。
>②学術論文など権威を妄信する
別に盲信しておりません。論文で示されるのはあくまで1つの仮説です。ただ、「論文にすらなっていないような与太話を根拠に議論することはない」だけです。
>ここには新しい事実は何一つ書かれていません
そりゃそうでしょう、むしろここに”私だけが知っている真実”なんかがあった方がおかしいです。あくまで「これまでに示されている事実」=「薬剤師なら当たり前に知っていること」を、「一般の人にもわかりやすく伝える」ために書いている記事です。
>「権威」という部分に疑義が生じているのだから
そもそも私は「権威」ではなく「根拠」をベースに話をしていますので、権威に疑義が生じようが語る内容は変わりません。あと、貴方の中で感情的な疑義が生じているだけのことを、まるで世の中で疑義が生じていることのように語らないでください。
>最後に一つだけいいことを教えます。【権威側が嘘のエビデンスを作るのは簡単でも、庶民側がその反証を一つ一つ作るのは困難です】
その通りです、私が世の中に出回る荒唐無稽なデマに対して、一つ一つ根拠を示しながら反論するのがどれだけ大変だったか、少しでもわかっていただけば大変嬉しく思います。
ご返信ありがとうございます。
①mRNAワクチンの実績
説明の仕方が悪く申し訳ありません。
治験の実績はわかりましたが、そもそもmRNAワクチンという種類のワクチンが実際に医療現場で使われた十分な実績があるのかということをお聞きしたかったです。
一般人の感覚としては治験はあくまでテストであり、mRNAという種類のワクチンが本番で本当に問題なく使えるのかという点が気になります。
②ワクチンの接種量
確認不足で申し訳ありません。
他のワクチンも同様であるということですね。
③死亡例について
すみません言い方を変えます。
若い世代は今すぐに打つ必要はあるでしょうか。
回答でもおっしゃっているようにデータが観測されていないのでわからないという所が実情かと思います。
それであればしっかりと自粛している人たちはワクチンを打つのをしばらく待ってリスクを正確に判断できる様になってから打つ打たないを改めて検討するという方がいいのではと思います。
ご丁寧に返信ありがとうございます。
①
先ほども述べましたが、実用化した後の実績として、本文中で紹介している60万人規模に接種したイスラエルのデータの他にも、接種が進む国や地域から数多くの有効性・安全性を示すデータが論文として公開されていますので、十分に「問題なく使える」と評価するのが妥当と思います。
貴方はどのようなデータがあれば「問題なく使える」と評価するのかを教えていただけますでしょうか。
③
若い世代とは具体的に何歳未満のことでしょうか。
承認の通っていないような年代が今すぐ接種する必要はないと思います。承認されてからで良いです。
接種対象とならない世代を守るためには、接種対象となる世代がワクチン接種をすることが大事だということは本文中でも述べております。
繰り返しになりますが、今後も徹底的な自粛や隔離を完璧にし続けられるだけの忍耐力と経済力のある人は、ワクチンを接種せずに自粛を継続する方針でも良いと思います。が、ちょっとした隙から感染することもありますし、そもそも大変なのでお勧めはしません。
詳細な説明ありがとうございました、大変勉強になりました。
ただ、本記事を読んでも自分で調べてもわからない部分があるので
もし知見がありましたらご教示ください。
①mRNAワクチンの実績
mRNAワクチンの研究はずっと前から進められてきたとの情報がたくさんありますが
具体的にどれくらいワクチンとしての実績があるのか、日本人の利用例はあるのかなどの情報にたどり着けません。
実際にどれくらい安全な実績があるのかデータなどありますでしょうか。
十分な実績がなければリスクありと判断せざるを得ないと考えます。
②ワクチンの摂取量
ファイザー・モデルナなどのワクチンは体の大きな外国人向けに作られているため
日本人の体型に対して摂取量が多いのではないかという情報を見ました。
こちらについての見解はありますでしょうか。
③死亡例について
死亡例について死因はワクチンのせいでは”ないかもしれない”ですよね。
十分な因果関係が解析されていないのでリスクが不透明だと感じています。
コロナに感染する確率、重症化する確率、死亡する確率とワクチンを打った後に死亡する確率
を考えると、しっかりと自粛していれば感染が収まるまでワクチン打つのを待つという方が
若い世代には懸命に思うのですが、このあたりはどうお考えでしょうか。
①mRNAワクチンの実績
回答の根拠①で示したとおり、3万人規模の臨床試験で有効性・安全性が確認され、60万人を対象にした調査でも有効性・安全性が確認されています。
これに加えて日本人を対象にした治験を行った上で承認がされているワクチンで、さらに、いま全世界でも接種が進んでいる中で顕著なリスクも観察されておりませんので、十分な実績があると思います(むしろここまで実績のある薬は珍しいくらいです)。
逆にお伺いしますが、貴方はどんなデータがあれば「十分な実績がある」と評価するのでしょうか。
②ワクチンの接種量
ワクチンの接種量を調整する必要はないと考えます。
本件、コメント欄でも一度回答しておりますが、わかりやすいURLも提示しておりますので、こちら参考にしていただければと思います。
https://mi-mollet.com/articles/-/28668?page=4
③死亡例について
記事内でも説明しておりますが、もしワクチンが原因で死亡するのであれば、接種者の死亡率が高くなります。そのため、ワクチン接種者と非接種者で死亡率に差があれば「ワクチンが原因の死亡が起きているかもしれない」と疑うことになります。現状、そのようなデータは観察されていないので「ワクチンが原因の死亡が起きているとは考えにくい」ということになります。
「ワクチンが原因かもしれない」と疑う根拠もないのに「ワクチンが原因かもしれない」と言うのは、妥当な主張とは言えません。
若い世代でも重症化はしますし、後遺症も残る可能性があります。またそこから家族や友人に感染を広げる原因にもなります。そのリスクは、ワクチン接種のリスクに比べて圧倒的子大きいと考えるのが妥当です。
若い世代が老いて死ぬまで自粛を続ける、飲み会やイベントのない世界がアリと言うなら、貴方の「感染が収まるまでしっかり自粛」をしていれば良いと思いますが、私はそれが良いとは思いません。
はじめまして。ワクチン接種について副作用や反対派の意見を読んでから不安を抱いていましたがこの記事を読んで不安や疑問が解決されました。ありがとうございます。
1点だけお伺いしたいのですが、私は今20代前半の女子大学生で、大学でのワクチン接種がもうすぐ始まるということで順番が来たら打ちに行こうと考えています。
しかし、既に接種した友人がワクチン接種後に不正出血をしたというお話を聞き、またネットでも同じ症状の方が多くいらっしゃることを知り不安に感じています。テレビではワクチン接種後の不正出血についての説明は無く、一般的な副作用では無いのかわかりません。ワクチン接種と不正出血の因果関係や安全性が確認できるデータがありましたら教えて頂きたいです。
読んでいただきありがとうございます、公的機関や専門機関の情報とあわせて、正確な情報の収集をしていただければと思います。
ワクチン接種と不正出血に関しては現状、ワクチン接種者と非接種者を比べて「ワクチン接種者の方が顕著に多い」という報告も、「ワクチン接種によって不正出血が増えるかもしれない」という可能性を示唆する報告もありません。そのため、心配する必要はないと判断するのが妥当と思います。
これだけ色々なことが騒がれているワクチンですので、接種した後は普段気にならないような体調の変化でも「もしかして・・・?」と気になる人が多いと思います。そういったバイアスによって表面化している現象かと思いますm(__)m
はじめまして、一通り拝見させて頂きました。
非常に分かりやすく、査読済み論文なども添えられており読み応えもありとてもよかったです。
私自身は「ワクチンはぜひ順番がきたら打ちたい」と日ごろから思っておりました。しかし多くのデマや事実無根の風説に呆れている自分もまたワクチンへの知識が薄いと思い、勉強を始めました。
しかし時節柄か、中々思うような本に出合えず難儀していたところに、このように丁寧な記事は僥倖でした。
1人の人として、執筆者様はじめ医療従事者の方々には頭が下がるばかりです。何ができるというわけではありませんが、関係者様方には感謝と敬意を表さざるを得ません。応援致しております。
今日友達から、厚労省のページにワクチンは劇薬、治験もまだって書いてあるし薬事法未認可だから危ないよと言われ、さすがにそれは間違った情報ではないかと思って自分で調べようと思っていたので、こちらの記事がとてもありがたいです!
SNSを見ていたら同じような情報が広がっているみたいでした…
劇薬というのはアストラゼネカ社のワクチンの添付資料のところに書いてありましたhttps://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/670227_631341FA1024_1_02
この劇薬と書かれているのはどう考えたらいいか、もしよろしければ教えていただくことはできないでしょうか。
疑問を解消していただけたようで良かったです。
自分が接種する/しないという判断をする際には、その判断をするリスク・ベネフィットの天秤から「誤解」や「油断」「思い込み」といった要素はできるだけ減らして、正確な情報に基づいて行っていただければと思います。
「劇薬」というのは、あくまで制度上の分類であって、臨床での「薬としての安全性」とはあまり関係ないことがほとんどです。
下記にその理由はまとめていますので、参考にしていただければと思います。
https://www.fizz-di.jp/archives/1007556497.html
・・・もし「劇薬だから危険!」が通用するなら、「カフェイン」も一部は劇薬なのでお茶や珈琲も危険になります。
危険だから使ってはいけない、のではなく、危険だからこそ正しく理解して正しく使う必要がある、というのは火や刃物と同じ考え方です。
ワクチンを接種するか悩んでいました。でも生きているだけでコロナ感染のリスクがあること、ワクチンを打たないリスクが思っていたより大きいことを感じ打つ決心がつきました。反ワクチンの方々の、人体実験だ、公的機関の値は信用出来ないなどのコメントを見て、反対に目が覚めてしまいました。このレベルの意見に踊らされていたのだなと……
読んでいただきありがとうございます。
また、真っ当な情報に当たることの大切さも感じていただけたとのこと、薬剤師冥利に尽きます。そう言っていただけただけでもこの記事を頑張って書いた甲斐があります。
偽情報というのは、人間の恐怖や嫌悪感、驚きといった感情を刺激するため、より斬新に感じられ、拡散されやすい傾向にあります(Science. 2018 Mar 9;359(6380):1146-1151.)。これは人間の性なので、ある程度は仕方のないことだとは思います。ただ、医療の「判断」をする際には改めて、冷静な情報、公的機関の情報等を踏まえて行っていただくのが良いと思いますm(__)m
陰謀論やワクチン反対派の方の言ってる内容のおかしさは理解していましたが、ニュースなどを見ていると不安になる一方だったので、丁寧な説明を見てワクチン接種に対し前向きな気持ちで向き合えそうになってきました。
こちらで質問することは大変失礼なことと存じておりますが、肥満傾向にある人がワクチンを接種すると血栓が出来やすくなり、脳卒中等を引き起こしやすくなるという話を耳にしました。
肥満の人はコロナでの重症化リスクがあるという話は厚生労働省からも提示されているため、肥満傾向にある人は早めのワクチン接種が望ましいと考えていたのですが、肥満の人はワクチン接種に対し何らかのリスクがあるのでしょうか?
恥ずかしい話ですが、私と母は肥満であるのですが、70代の母がその話を鵜呑みにしてワクチン接種をキャンセルしてしまいました。
ワクチン接種前日はよく睡眠を取り、十分な水分補給が必要という話も聞いたようで、よりいっそうワクチン接種すると血がどろになって血栓が出来やすくなるなるのでは!と思っているようです。
コロナに感染した方がリスクは高いとは説明しているのですが、もし可能ならば肥満の人がワクチン接種に関するデータか何かあればお教えいただけないでしょうか?
読んでいただきありがとうございます。
「血栓ができやすくなる」というのは、いま日本で接種が進むファイザー社製・モデルナ社製のmRNAワクチンではなく、アストラゼネカ社製のワクチンの話です(よくある誤解⑧)ので、基本的に日本でこのリスクを心配する必要はありません(※感染・発症した場合には血栓症リスクが高まります)。
副反応で発熱した際などには特に高齢の方は脱水を起こしやすくなるので、確かに水分補給は大事です。・・・が、これからの暑い季節、水分補給は誰にとっても大事な話ですので、特にワクチン云々とは関係なく、適切な水分補給は心がけていただければと思います。
現状、肥満は新型コロナウイルス感染症の重症化リスクであることが報告されていますが、ワクチン接種の副反応が体格によって顕著に異なるといった報告はありませんので、他の人と同じように考えていただくので良いと考えています。
強い不安を抱きながらワクチン接種をするのは精神衛生上もよろしくないと思いますので、誤解は解きつつ、けれど正論を押しつけはせず、少しずつ対話を重ねていただければと思いますm(__)m
同じく薬剤師の者です。
誤解やデマを、そこに捉われる原因から適切に反論、解説されており、
その説明の的確さに感服致しました。
「因果関係不明」をはじめとした医学上の表現については、
実際の考え方と、一般の方が語感から受け取る印象が乖離しやすいものも多く、
そこから不安を抱えられる方がとても多かったため、
こちらの記事はそういった方への説明の仕方にも参考になります。
本文およびコメント欄での返信すべて目を通させて頂きました。感謝しかありません。
『ワクチン自体にもリスクはあるが打たずに感染した場合のリスクの方がより大きいため打てる機会があればさっさと打とう』という当方の考えが補強された気がしてすっきりしました。
一部過激な反ワクチン派の無理筋な批判コメントにまで冷静かつ丁寧に返信してらっしゃる筆者様は大人だなぁ…と苦笑いしつつ、有用な情報を今後も発信してくださるとありがたいです。
義理のお父様から「ワクチン接種で今後ますますコロナ患者が増えるぞ〜」とか、それに絡めて子宮頸がんワクチンに関して「受けないほうがいい!ありゃ副反応がひどいからね」と言われて辟易していたところだったのですが、自分の考えは、査読付き論文や公的な情報に照らし合わせて間違っていなかった、、、と思うことができました。
ワクチン接種の順番が回ってくることを気長に待とうと思います!
わかりやすい記事をからありがとうございましたm(_ _)m
情報をわかりやすく説明していただきありがとうございます。
母がペニシリンアレルギーで接種にかなりの不安を訴えています。
本人がかかりつけ医や市や県などに問い合わせをしたのですが、情報が無いらしく混乱しております。
最近では色々と調べては危険な情報ばかり拾い、精神が不安定にさえなっています。
こちらで質問すべき事ではないと思いますが、ペニシリンアレルギーとワクチンについて何か情報がありましたら教えていただけると幸いです。
ペニシリンアレルギーは「ペニシリン」に対するアレルギーですが、mRNAワクチンに「ペニシリン」は含まれていないので、基本的には関係ないと考えられます(ペニシリンと類似した構造を持つ物質も含まれていません)。また、現状ペニシリンアレルギーの人で副反応が多かったというような話もありませんので、問題ないと考えて良いと思います。
「そばアレルギーだけどエビを食べても大丈夫か」という疑問と同じように、慎重になるのは良いけど禁止する必要もない、というところです。
ご本人が凄く心配されているとのことですので、接種会場では「アレルギーが心配だ」という旨を現地の医療従事者に伝え、経過観察の時間を少し長めにとる等の対応をしてもらうのが良いのでは、と思います。
ただ、そのペニシリンアレルギーは何年前にどういった症状が現れたものなのか等がわからないと個々の判断は難しいと思いますので、主治医の先生の指示に従っていただければと思います。
SNS等で流布している様々な誤解に対する分かりやすい回答で、真に受けてはいなかったものの、日々感じていた不安な気持ちが薄れました。
質問なのですが、ワクチン接種を迷っているという知人から、その不安要素としてファイザー社副社長?による危険性の主張を聞きました。
個人的には否定派の信憑性を高めるため利用されている(正しい書き方か分かりませんが…)といった印象で気にもとめていないのですが、何の根拠もなしに知人に言っても自身の感想となってしまうので、客観的にその主張は正しくないというものがありましたら教えていただきたいです。
その副社長が「何を根拠にして論を述べているか」が大事だと思います。
海外のファクトチェックでも、そのファイザー社の副社長の言説は「根拠のない誤情報」と既に評価はされていますが、私が確認した限りでも何ら信頼性のある根拠は示されておらず、聞き流して良い話だと判断しています(例:よくある誤解⑩⑪)。
下記URL、医師らが監修した記事で本件については詳しく書かれておりますので、参考にしていただければと思います。
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/vakzin-fc-2
返信ありがとうございます。
記載された記事も確認し、やはり1つの誤解として拡散されていたのだと理解できました。
今後も接種関連の情報が知りたい時は、積極的にこのサイトを訪れようと思います。お忙しいとは思いますが応援しています。
ワクチンについてこんなにもしっかりと情報を確かめている記事を見たことがなかったため、読了後とてつもない満足感に包まれております。
以前からワクチン接種については前向きに検討していましたが、さらにその気持ちを強めることができました。ありがとうございます。
コロナウイルス感染症についてのニュース、および情報はそこらかしこに溢れていて、これまで以上に「真偽」を見極める・確かめる必要のある状況だなと日々感じております。
これまでも情報の取捨選択や一次ソースの確認など、いろいろと気をつけていましたが、より一層気をつけていこうと思います。
(載せてくださっていた参考文献やサイト、執筆者など、今後調べる際に参考にさせていただきます。)
薬剤師さんとのことで、今この状況下でとてもお忙しい中、このような有益な記事を執筆してくださったことに心から感謝します。どうかご自愛くださいませ。
インフルエンザのワクチンについての質問も多いのですが、
・ワクチンを接種したのに発症したことがある
・ワクチンを接種していなかったのに発症しなかった
・・・こういった”個人の体験談”だけでワクチンの有効性を語るのにはどういった問題があるのか、といった話は下記記事にまとめてありますので、参照していただければと思います。
https://www.fizz-di.jp/archives/1073916148.html
情報ありがとうございます。
疑問などを的確に説明してくださって大変分かりやすかったです。
質問ですが現時点でワクチンの接種後何か気を付けた方が良いでしょうか?
私の父は職業も相まってワクチン接種に意欲を示していますが基本平日は運動量が多い職業なので何か気をつけるべきことがありましたら教えてくださると幸いです。
コメントありがとうございます。
ワクチン接種後の注意点ですが、一般論としては下記のようなところを気をつけていただければと思います。
・2回目接種の後は発熱や倦怠感・頭痛が出やすいので「おやすみ」にしておく
・何かの持病があって薬を服用している場合は、発熱して食欲がなくなった時などには薬をどうすれば良いかを主治医と相談しておく
・もし寝込んだ場合でも、水分補給はしっかりとすること(飲水制限がなければ)
・ワクチン接種後に深酒はしない方が良い
・・・その他、特殊な事情がある場合は、事情をよく知っているかかりつけの医師・薬剤師と具体的な注意点を相談していただければと思います。
実はネット記事とチラシ情報でワクチン不安になっていました。
落ち着いた丁寧な説明で、この先のワクチン接種に安心できました。
本当に、ありがとうございます。
なんなんだろなこの何かやれば止めれば感染拡大が止まるコロナが消えていくみたいないい回しする連中
お前みたいなのが一番「悪」だろ
コロナは変異し続け拡大は止まらないしワクチンは後追いで株によって効かないし副反応も当然でる
人生で感染しないやつなんて存在しない未來しかない
ワクチン打つなり感染したその時、運の悪いやつから死んでくだけだよ
私は薬剤師として、現在までに得られている知見から考えれば「ワクチン接種が進めば感染拡大は抑えられそう(だけどまだまだ油断はできない)」という話をしているだけなのですが、貴方からは「悪」に見える・・・ということは理解しました。
mRNAワクチンは現時点で確認されている変異株には有効そうだということ、更に変異はヒト-ヒト間で感染を繰り返すことで起こるためワクチン接種によって感染を抑制することが大事だ、というお話は本投稿内(よくある誤解⑱)でも述べさせていただいた通りですので、読んでいただけますと幸いです。
「ワクチンを接種する」のと「感染する」のを比較すると、「ワクチンを接種する」方が相当に安全かつ楽に免疫を獲得できます。貴方の仰る”運悪く死んでしまう”というリスクを少しでも減らすためにはワクチン接種をした方が良いですよ、というお話をしております。
反対派ではないです。まだ慎重に考え進めている最中です。こちらに書かれていたことは全て既知のもので目新しいものは何もありませんでした。つまり、ご説明されていることは全て理解した上での質問というか問いかけになります。
5年後10年後の未来について、私が気になるのはこの部分だけです。貴方も「わからない」と正直に書かれていらっしゃいますが、そのわからない部分がどうしてと引っかかるのです。使用期間としては長い歴史をもつインフルワクチンですら子ども達の受験期以外は打っていません。私のように不安に思う人のために論理的に5年後のコロナワクチンの安全性について実際のデータを元にご説明いただけますか?…できないですよね、まだ実際に人体に使われ始めて1年足らずですので。これが一部の人には割り切れない不安をもたらしています。私を含めそういう人たちには既知の情報を長々と書かれてもあまり効果は無いのです。なぜならその部分は理解できていて、その上で5年後10年後が不安だと言っているからです。
接種に後ろ向きなひとたち
不安に感じる、ということは何も悪いことではありませんし、その不安はワクチンについて正しく理解した上での感情だと思います。
が、気になるのは、そこまで長期的な影響を心配するのであれば、なぜ「感染・発症した場合の長期的な影響」は心配されないのでしょうか?若い人でも、たとえ軽症であっても、肺がダメージを受ければ二度と元には戻りませんし、後遺症で元の生活に戻れない人もたくさん居ます。「データを示して説明しろ」とのとこですが、「よくある誤解④」の部分に記載しています通り、「感染・発症した場合の長期的な影響」については明らかな悪影響のデータがあること、「ワクチンの長期的な影響」についてはデータはないがほぼ考えられないこと、それぞれ比較して考えていただければと思います。
(参考)
https://news.yahoo.co.jp/articles/070cfba2b8b347e0ee263e640553d3a9abcd0554
なお、インフルエンザのワクチンも、可能であれば毎年接種することをお勧めします。
https://www.fizz-di.jp/archives/1073916148.html
負けずに頑張ってください。
ここにコメントを丁寧にご返信くださっていることが残っているおかげで、
「ああ、ワクチン反対派、誰もまともな反論してないな」って気づくきっかけにも
なると思います。
科学的根拠に基づいたワクチン反対派がいるなら僕はそれを否定しません。
ただ「雰囲気と感情」だけのワクチン反対派が目を覚ましてくれることを祈り。
とてもじゃないが仕事の依頼したくありません
デマ情報のURLは、公衆衛生上の問題があるため削除させていただきます。
なおデマを広めるようなお仕事は私もやりたくありませんので、ご依頼いただかなくて結構です。薬剤師として国民の健康に資する仕事を今後も続けてまいります。
コロナやワクチン接種について分からないことだらけで、
日々色々な情報と噂の違いも判断出来ずに困っていました。
とても分かりやすく家族にも共有した次第です。
家族の一人が先日1回目の接種を済ませたところでして、
本人は副反応もなく元気に過ごしているのですが、
接種直後から薬品のような強い体臭を感じることが多々あり、
接種後にはよくあるものなのか疑問に思い調べてみたものの、
該当するものが見当たらずこちらにコメントをさせて頂きました。
コメントありがとうございます、参考にしていただきありがとうございます。
ぜひ、厚生労働省等の情報とも照らし合わせつつ読んでいただければと思います。
薬品のような体臭とのことですが、ワクチンの成分や作用メカニズムから考えても、これまでの報告を踏まえても、恐らく無関係と思います。
もし万が一、これが何かワクチンと関連していたとしても、現状元気に過ごされているのであれば特に気にする必要はないと思います。
ただ、ワクチンとは無関係に「体臭が急に変わった」というのは何らかの体調変化の兆しである可能性もあります。そのような変化が何日もずっと続く、その体臭がどんどん強くなっていく、といったことがあれば、一度病院で相談されるのが良いかと思います。
何かにつけて不安を感じてしまいがちな状況なので、ご意見を頂いて安心しました。
2回目の接種に向けて様子を見たいと思います。
ご返信ありがとうございました。
はじめまして。貴ブログを拝読させていただき、島嶼ワクチン非接種派でしたが近々接種しようかと思っています。
とは言え、ワクチンの危険性を訴える文章はあちこちで見かけ、まったくの素人の身としては本当に大丈夫なのかなと一抹の不安も感じざるを得ません。
すぐ上で同様の質問に回答されていて、過度の不安を覚えるぐらいならワクチン関連の情報は調べない方がいいというのも正しいと思います。
しかし、以下のまとめブログのように頻繁に更新され、麻痺や皮膚異常など恐怖を煽るような画像や動画のURLも一緒だと半信半疑ながら引っかかるものがあります。
ttps://note.com/info_shinkoro/n/n8e88da9471ac
(あらかじめリンクは外しております)
麻痺や皮膚異常や失明といったリスクはデマか、限りなく低い可能性という認識でよろしいのでしょうか?
ちなみにかかりつけ医(精神科。現在パキシル12.5㎎定期服用中)に電話でワクチン接種(介護施設勤務で今月中にファイザー製接種予定)の可否を尋ねた所、「まったく問題ないですよ」とのお言葉はいただいています。
ご多忙中まことに申し訳ありませんが、返信いただけますと幸いです。
コメントありがとうございます。
専門知識がなければどの情報が信頼できるのか判別できず、不安が強まってしまうこと、本当に大変な状況と思います。
貴方の状況を詳しくご存知であるかかりつけ医の「まったく問題ない」というアドバイスを大事にしてもらえたらと思います。
>麻痺や皮膚異常や失明といったリスクはデマか、限りなく低い可能性という認識
それで良いと思います。少なくとも、これだけ世界中でたくさん接種されている現状でも実際にそのようなリスクが顕著に増えるといった兆候は観察・報告されていません。「新型コロナウイルス感染症に罹患してしまった」際のリスクと比べれば、「ワクチン接種で免疫を獲得」する方が圧倒的にリスクが小さく、ワクチン接種の有益性が上回ると考えるのが妥当です。
>半信半疑ながら引っ掛かるもの
そのお気持ちはわかります。であれば、一度「新型コロナウイルス感染症に罹患した場合」の危険性や大変さを訴える情報も合わせてご覧になってはいかがでしょうか。
「ワクチン接種で”起こるかもしれない”こと」と「感染・発症して”実際に起きたこと”」とを比べて「どちらがより安全に免疫を獲得できるのか」を比較してみるのも、良い比較になると思います。
身内や知り合いが、ワクチン接種後に重篤な症状になったり死亡したといった内容のツイートをまとめているサイトを発見して非常に不安になりました。本当にこのワクチンは注っても大丈夫なものなのでしょうか?
全部を確認したわけではありませんがアカウントは実在してるようです。
これらが事実なら現在厚生労働省が発表している死亡者数85名どころでは済まないと思います。
すでに数百名が亡くなっているかもしれません。
ttps://ameblo.jp/sunamerio/entry-12678158714.html?frm_src=favoritemail
色々な情報が出回っていて不安になってしまっている心中、お察しいたします。
その上でのアドバイスですが、貴方は「明日宇宙人が攻めてくる」というツイートを集めたブログを見ても不安にはならないと思います。
貴方が”これが事実なら”とご自分で仰っている通り、「事実かどうか」「どのくらい信頼に足る情報なのか」をまず評価することが大切です。
ただのツイートを並べただけの情報を”事実かもしれない”と考えてしまうのは、恐らくいま色々な不安が強く、その不安の裏付けとなるような情報ばかりを集めてしまう状況だからと思います。
これは不安を感じている人間なら誰でもやってしまうことです。私でもなります。
一度、ワクチンについて調べるのを止めるか、あるいは目を通すにしても冷静な情報(例:→ https://covnavi.jp/ )だけにすることをお勧めします。
「ワクチン接種後に死亡した人がいる」という事実から、「ワクチンが原因で死亡した」と結論付けるのは、あまりに短絡的です。「カレーを食べた後に亡くなった」「空気を吸った後に亡くなった」…という話を聞いて、いきなりカレーや空気を危険なものだとは考えないと思いますが、基本的にはそれと同じ考え方です。
今は、「ワクチン接種の帰り道に交通事故に遭った」というような”ワクチンとはほぼ無関係のもの”まで、ワクチン接種後に起きた好ましくない出来事は”全て”を国が集めて調べています。本文中にも記載していますが、大事なのは、そういった出来事が普段よりも増えていないかどうか、を見ることです。その調査で、現状は「ワクチン接種者の方が顕著に死者が多い」といった兆候は日本でも世界でも観察されていません(世界でこれだけ接種が進んで観察されていないので、今後も顕著なリスクが明らかになる可能性は極めて低いです)。
「ワクチンを接種して死んでしまうリスク」というほぼ心配する必要のないリスクを心配するあまり体調不良になったり、寝不足になって仕事でミスをしたり交通事故遭ったりしては、元も子もありません。
私の友人知人には医師・薬剤師・看護師が多いですが、私の知る限り全員がワクチンを接種して全員が今日も普通に生活をしておりますので、今日はそれだけ耳に入れて、しばらくワクチンの話題からは距離をとっていただくのが良いのかなと思います(ワクチン接種を決断するまではまだ時間もあると思いますので、落ち着いたら改めて読みに来ていただければ嬉しいです)。
なお現状、こうした「接種後の死亡・副反応」を装ったデマ投稿が非常に多いという事実は知っておいてもらえたらと思います。
参考: https://kumanichi.com/articles/233560
有益な情報をまとめてくださって本当にありがとうございます
お忙しいところ本当にありがとうございます。
コロナワクチンのデマを流す、危険性ばかり主張する、そんな人ばかりで本当に悲しいし悔しいです。
そういった意見を調べもせず簡単に受け入れてしまう人が多い。
私の10人程度の小さな職場では「ワクチンを接種したくない」人が多いです。
絶対に嫌がられるでしょうが、それでも私は職場にこのサイトをシェアします。
2回目を受けた医療従事者です。周りから「2年後に死ぬ」や「子供を残して死ぬつもりか?受けないほうが良かった」等色々言われて参っていました。分かりやすく納得できるものを見つけて不安が軽減しました。本当にありがとうございました。
こちら、しっかり海外の論文等読まれている方の反対意見です。
ttps://note.com/nakamuraclinic/n/nd6f4ca0d5038
昨年だと散々陰謀論扱いされていたコロナ生物兵器説も、最近になってそれを示唆するリーク情報が出回っていたり、確かにトンデモも多いですがもはや陰謀論を陰謀論wwwと笑っているような状況ではないと思います。
※有害な内容と判断したためリンクは切っています(by 管理人)
拝読いたしましたが、何の根拠もなくご自身の憶測で無理矢理にこじつけた話ばかりで、科学の議論の俎上に載せるに値しないと判断しました。以下、その理由をいくつか説明します。
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1:「マスクで低酸素脳症になる」という主張
根拠となる公的機関の情報や査読済みの学術論文が1つも示されていません。”がんになる”とまで書かれていますが、例えば「マスクをしていた人としていなかった人とを比較して、がん発症が多かった」というような臨床試験の結果を根拠として示していただかなければ、その主張の妥当性を客観的に評価することができません。つまり、根拠もなく「増える」とだけ書かれても、それは「便所の落書き」と同じで、”議論の俎上に載ってすらいない”ということです。
なお、「マスクをつけたくらいで低酸素脳症にはならない」という検証結果を示した論文を1つこちらで共有いたします。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33125030/
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2:「治験の参加者が死にまくっている」という主張
これも、何一つ根拠となる情報が示されていないのですが、何を根拠にそう言っておられるのでしょうか。これがもし、ただの妄想ではなく事実だとするなら、その情報は私も確認する必要がありますのでその根拠となる公的機関の情報や査読済みの学術論文を教えていただきたく思います。
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3:「ワクチンを打ったら改造人間になる」という主張
こちらで示されている論文は「ウイルスに感染した場合」の話で、「ワクチンを打った場合」のものではありません。つまり、この論文を根拠にして”改造人間になる”と主張するのであれば、それは「ウイルスに感染したら改造人間になる」という意味なので、むしろ感染を防ぐためにワクチンを打たないとヤバいです。
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4:「イベルメクチンは現場では効く」という主張
私も効けば良いなとは思っていますが、残念ながらまだそのような明確なデータは示されていません。「現場で効いた」「現場で効かなかった」という経験をたくさん集めて客観的に評価したのが臨床試験です。主観的な経験談だけで物事を語るのは科学の議論ではありません。根拠以前の問題です。科学的根拠がないのに「現場で効く」と言われても、こちらが困ります。まず、この方が「効くという根拠」を示してもらわなければ、話が始まりません。
なお、「臨床症状の短縮には有用でなかった」という臨床試験の結果ならあります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33662102/
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5:「流産率が12.6%」という部分
自然な状態でも10~15%くらいは流産は起こってしまいます(参考: http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa23.html )ので、むしろワクチン接種では何も影響してなさそうだということがわかります。ワクチンに対する安心材料になると思います。
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…これ以降は、ウ〇コがどうとか書いてあって、読むに値しませんでしたので、これで終わらせていただきます。少なくとも上記5点において、”医学”や”薬学”という観点からは明らかなデマや議論にすら値しない主張、論文の誤読です。これを書いている方は、論文等をしっかり読めている人でも全くないと思います。
先週、大阪大学および日本医療研究開発機構から発表された以下
新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見―COVID-19の重症化に関与する可能性―
https://www.amed.go.jp/news/release_20210525-02.html
についてはFizz-DIさんはどのようにお考えでしょうか?
旧型コロナでもADEの知見はあったようですので懸念されていたことだとは思いますが
ワクチン賛成派の方のご意見を伺いたいです
すみません、返答が乱雑だとご指摘いただいたため、改めて返答を書かせていただきます。
私は免疫学者ではないので細かな免疫反応の詳細なメカニズムまでは詳しく議論できませんが、現状、何十万人にもワクチンを接種した結果として感染や発症・重症化は「減っている」ことが報告されているため、「現行のワクチン接種が徒になって感染・重症化しやすくなる」といったことを現場レベルで心配する必要はないと考えております。ただ、こうした観点からより有効性・安全性の高いワクチンが開発されれば良いなとも思っています。
※2021年6月28日追記
in vitroの研究から示唆されていた本件ですが、in vivoの研究で否定されたという報告がありましたので、添えておきます。
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(21)00756-X
高校の時、化学とってなかったけど、わかりやすかったです。親が陰謀論に頭をやられてしまってたんですが、これでいい武器を手に入れられました。
雑多に情報を摂取するんじゃなくて、ちゃんとした情報をもとに考えないと意味ないなーと思いました。(陰謀論は”情報”に含んではいけない)
大変わかりやすかったです。
順番が来たらワクチンを打とうと思ってましたが、某ポータルサイトでワクチンの記事を読もうとすると
必ずと言っていい位にワクチンに対するネガティブなコメントがたくさんあって、
その強い主張にだんだん不安も覚えてしまいました。
ここのサイトを見つけてホッとしています。
おそらく私のように不安を煽られてしまう人も少なくないと思います。
このような形で言われているような誤解を一つづつ解いてくださると本当に助かります。
また不安を覚えた時にこちらを見て心を安定させます。
ありがとうございました。これからも頑張ってください。
ワクチンに関する色々な情報を大変わかりやすくまとめていただき、ありがとうございます。
一応、医学関係のデータ解析屋をやっているので、ワクチンの重症化予防効果について、少しだけコメントさせていただきます。
ワクチン分野では、ワクチン接種群の重症例の割合と、ブラセボ接種群の重症例の割合を比較して、ワクチン接種群の方が重症例の割合が小さければ、「重症化予防効果」があったと表現するのが一般的のようです。
でもこれは、厳密には「重症COVID-19発症予防効果」と表現するべきではないかと思います。
そして統計学的には、ワクチン接種群のCOVID-19発症例中の重症例の割合と、プラセボ接種群のCOVID-19発症例中の重症例の割合を比較して、ワクチン接種群の方が重症例の割合が小さい時は、「重症化予防効果」があったと表現するのが良いのではないかと思います。
ファイザーの論文に記載されたデータから計算すると、「重症COVID-19発症予防効果」は確かにあるのですが、「重症化予防効果」はほとんど観察されていません。
そのため、よく言われる、
「ワクチンは、たとえ発症しても重症化を防ぐ効果がある」
という表現を信用して、ワクチンを接種した人が運悪くCOVID-19を発症した場合、「自分はワクチンを接種したので、重症化する可能性は低いから大丈夫だ!」と安心してしまうのは危険ですから、注意する必要があると思います。
我田引水で恐縮ですが、詳しい説明は、僕の個人的ウェブサイトの次ページをご覧ください。
http://www.snap-tck.com/room04/c01/vaccine/vaccine008.html
コメントありがとうございます。
「COVID-19を発症してからの重症化抑制」と「重症COVID-19の発症抑制」の違いについて、詳しく教えていただきありがとうございます。
現場レベルでの議論では意識したことはありませんでしたが、確かにこの2つは厳密には少し違ったものであることが少し理解できました(たぶん)。
他の研究で既に重症化軽減の効果は示されてはいますが、最初の研究の結果をどのように表現するとこの部分も齟齬なく伝えることができるか、いただいたURLも参考にしながら少し文章を見直してみたいと思いますm(__)m
いい記事をありがとうございます。
私も医療従事者の1人です。
ただ、家族に陰謀論にのめり込んでいる人がおり、
先程どれだけ医療従事者差別・ワクチン接種者差別をされて辛いかを本気で話しましたがダメでした。(私のしんどさより、”真実(という陰謀論)”の方が重要みたいです。)
今後、お互いがいない者として扱おうという話になりました。「コロナワクチン」が家族を引き離すのではなく、「人の気持ちを考えられない」ことが家族を引き離しました。
愚痴になってしまいましたが、今後も適切な情報発信を頑張ってください。応援しております。
私は信用しません。そもそも公的機関のデータが信頼出来る根拠がありません。
貴方が信用するしないは貴方の自由ですが、私は薬剤師として、そのような個人的な「感覚」や「思い込み」「先入観」だけを根拠に薬の評価をするわけにはいきません。そんなことをすれば、患者に身体的・経済的な負担を与えたり、必要な治療から遠ざけてしまったりすることになるからです。そのため、できるだけ信頼に足る、客観性のあるデータに基づいて物事を考える必要があります。
その際、現状で最も確からしく、判断材料として妥当な情報源となるもの1つが公的機関や査読済みの学術論文で示されたデータです。それが全てというわけでも、絶対というわけでもありません。「評価・吟味するに値するこれらの情報をベースにして考える」ということです。
そのため、私の主張に変だと感じるところがあれば、同じように公的機関の情報や査読済みの学術論文などの「評価・吟味するに値する情報」を根拠として添えて、ご意見をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
※ただの誹謗中傷コメントを返信されましたので書き込みを制限させていただきました。
コロナワクチンについて、体格差の違う欧米人と同じ量を接種するのはいかがなものかというコメントをよく見かけます。
この度、接種できる年齢も引き下げられ、量については特に問題はないということなのだと思いますが、専門家の方から見て、ワクチンの接種量についてはどう思いますか?
他の多くの専門家と同様に増減の必要はないと考えますが、その詳しい理由についてはこちらの記事がわかりやすいと思いますので、参考にしていただければと思います。
https://mi-mollet.com/articles/-/28668?page=4
ファイザー製のワクチンが12歳以上に引き下げられるみたいですね。
でも、小児への接種となると、コメントを見る限りでは、コロナによる死亡率の低さ、ワクチンの用量などの問題から、反対する声も多いようです。
我が家は受験生の子どもがいるので、インフルエンザワクチンと同程度の安全性であれば接種しようと思いますが、実際のところどうなのでしょうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c073c0c4a6589701381b48b27e36248e2b6cc74e
COVID-19に関して、小児自身のリスクは確かにそれほど高いものではないため、ワクチン接種で得られるメリットは高齢者などに比べると相対的にやや小さくなるのは確かと思います。
ただ、ワクチン自体がそこまでハイリスクなものではないこと、小児でも重症化・死亡リスクはゼロでなく後遺症リスクも考えられること、変異株などの出現によって重症化する年齢層が低くなってきていること、たとえ軽症であっても感染すると色々な社会的行動に制限がかかってしまうことなどを踏まえると、個人レベルで考えても、よほどの理由がない限りは接種しておくのが良いと考えられます。
また、小児の間で感染がくすぶっていると、先行して接種している高齢者のワクチンの効果が切れ始めたときに(※まだワクチンの効果がどのくらい持続するか明確なことはわかりませんが)、小児が火種となった家庭内感染などが増えるといったことも考えられます。そのため、社会全体としてもワクチン接種はメリットが大きいと考えられます。
個人的には、子どもに「自分が両親や祖父母に感染させて死なせた」なんてトラウマを与えないためにも、重要かと考えています。
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※2021年6月16日に日本小児科学会から「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」が公開されていますので、こちらも参照してください。
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=374
私はワクチン接種反対派です。このように接種を進めるような記事を書いて、死亡者がでたらどうするつもりですか?
あなたはコロナウイルス及びワクチンの全てを理解していると言えるのですか?
記事には、接種は自己判断というような記載もありますが、あなたの記載からは接種を強く進めるような意図を感じます。
未だによくわからないコロナウイルスやワクチンに関して記事を書くなら中立を貫かれては如何ですか?
>反対派です
そうですか、それも別に構わないと思います。ただ、貴方と貴方が接する人の感染・発症・重症化・死亡・後遺症リスクは高いままの状態が続きますので、これからも感染症が流行している間は厳重な感染対策を続けられることをお勧めします。
>未だよくわからないワクチン
去年末には臨床試験のデータが公開され、今年には何十万人規模のリアルワールドでのデータも論文として発表されているワクチンが、なぜ”未だよくわからないワクチン”なのでしょうか。むしろ、何が判明すれば”よくわかったワクチン”となるのか、貴方の基準を教えていただければと思います。
>接種を強く勧めるような意図を感じる
最終的な判断は各々委ねられることになりますが、私は”よほどの理由がない限りは接種することをお勧め”しておりますので、そう感じていただければきちんと日本語が伝わったのだと思います。
中立とは、立場を曖昧にすることではありません。薬剤師としてワクチンが有益であると科学的に評価できれば、それを推奨するのが真の中立だと考えております。
>コロナウイルス及びコロナワクチンの全てを理解していると言えるのか
もちろん全てを理解しているとは言いませんが、世界で行われている主だった臨床試験の結果や査読済みの学術論文には多く目を通し続けておりますので、「現時点で確からしい情報」は広く確認できていると思います。逆にお聞きしますが、貴方は”全てを理解”した上で反対しておられるのでしょうか。
>死亡者が出たらどうするつもりか
これも逆にお聞きしますが、貴方のような反対意見によってワクチン接種の機会を逸し、それによって感染・発症・重症化・死亡したらどうするおつもりなのでしょうか。
素晴らしいまとめありがとうございます!!
一点、セントラルドグマが絶対かどうかについてだけ、HBVのようにゲノムの組み込みが起こることもがある以上、逆転写酵素を持つウィルスとの共感染で絶対に起こる確率がゼロとまでは言生きれないかななんて思ったりはしますが。
コメントありがとうございます。そう言っていただけると励みになります。
逆転写酵素を持つウイルスに関しては確かにご指摘の通りなので、”そういうウイルスが居る”ことは一応の事実として記載しつつ、セントラルドグマに関しても「大原則」という表現をしています。
その、ごく一部分で逆方向に進み得ることは「天文学的な確率の偶然が重なった場合、理論上はゼロとは言えない」というレベルのもので絶対にゼロとは言えないですが、「ワクチンとして接種したmRNAがヒトのDNAに組み込まれて自分がウイルスというものになる」みたいなことは”ゼロ”と強めに否定しても差し支えないかなと考えて今の表現を選びましたm(__)m
副反応を気にして、2回目のワクチン接種を行わなかった知り合いがいます。3週間後に2回目の接種ができない場合、速やかに2回目接種を行うようにとの情報を目にしました。
2回目の接種が何ヶ月も先になったとしても2日目を摂取して2週間後には3週間後にすぐ接種した時とほぼ同様の有効性は期待できるのでしょうか?
また、そのようなデータはあるのでしょうか?
今のところ、しっかりとデータがあるのは「3週間後に2回目の接種をした」場合のものだけです。
そのため、これから外れた場合にどうなるのかは「わからない」というのが実情です。
ただ、やむを得ない事情によって12週間以上の間隔があいてしまった場合にも十分な抗体価が得られる(むしろ抗体価は高くなるかも)というデータも得られつつあり、もしかすると今後は「3週間間隔」という基準が変わってくる可能性はあると思います。
1回接種だけでは有効性は70%程度とかなり落ちる可能性がある(※δデルタ株では30%)ことも踏まえると、何らかの事情で3週間以上の間隔があいてしまったとしても、どこか良いタイミングで2回目の接種を受けた方が良いと思われます。
医療関係者です。
とても読みやすい文章であり、途中に挟まれるスライドもシンプルかつ美しく惚れ惚れしました。
少しでもワクチンへの誤解がなくなると良いなと思っています。
素敵な記事でしたのでアマゾンギフトカード贈りたいくらいです!
両親が反ワクチンを強く主張しており、大変困っていたところこの記事を発見しました。私では上手く説明できなかったワクチンのことを、細かく丁寧に説明してくださっていて大変読みやすいです。ありがとうございます。
分かりやすかった!
ありがとう!
これを書いた方、身分証明っぽいものはあるんですかね?
ワクチン反対派の人達が、身元を明かして動画作ったりしてるのに、こんなんで信用できると思ってるんですか?
これを書いている者ですが、実名も顔写真も公開していますし、薬剤師免許の有無も厚生労働省のデータベースで確認していただいて大丈夫です。
また、私の主張には全て公的機関の情報や査読済みの学術論文を根拠として添えておりますので、何か違うと思われる部分は同じように公的機関の情報や査読済みの学術論文を添えてご指摘いただければと思います。
以上、よろしくお願いいたします。
とても分かりやすい記事をありがとうございました。
自分もDI業務を主としている薬剤師です。
他人に分かりやすく伝えるという点がまだまだ修行不足なので、とても参考になりました。
ありがとうございます、そう言っていただけると嬉しいです。「どう表現すればきちんと伝わるのか」は日々ずっと悩んで考えています、引き続き精進します。
ページ下方には筆者のプロフィール書いてあるし、顔も出てますね。薬剤師免許があることは以下のURLから確認できます。
https://licenseif.mhlw.go.jp/search_iyaku/search.do
コメント欄からちょっと下に行けば筆者の方の実名含むプロフィールが載っているのに「身元を明かしてないのに信用できない」はないのでは…
調べる以前のレベルですよ
反論するとしたら、査読を受けた論文を根拠として示しているんだから、
「この研究からこの結論を導き出すのはおかしい」「この研究は国内の臨床に当てはめられない」
という方向ですね。お前は誰だ!名を名乗れ!という攻め方は筋が悪い。
そのためにはまず根拠として引用している論文を一読しましょう。議論はそれからです。
ご親切なことに 1) 〜 24) それぞれの一番最後に論文へのリンクを貼ってくれています。PMIDの後の数字です。
なぜ論文をありがたがっているか?
極論、XXが効いた!効かなかった!なんて発表は誰でも好き勝手に主張できるわけです。本当に?って疑問も湧いてくるかと思います。ただ、査読付きの医学雑誌に掲載されたということは、他の専門家のチェックを受けてOKが出たことを意味しているそこそこ信頼できます。そうして集められた知見から信用するしないをご自身で熟考なさってはいかがでしょうか。
英語が得意で全部スラスラ読めるなら結構ですし、そうでなくても自動翻訳サイトでタイトルとAbstractの部分だけでも目を通せばざっくり。最近の自動翻訳はDeepLとか普通に読める日本語が出てくるので驚きます。完全に余計なお世話ですが大学に行くとそうういう勉強ができて楽しいですよ。
素敵な本文をありがとうございます。とても勉強になりました。
素朴な質問ですが、ファイザーとモデルナ社製mRNAワクチンはどのような違いがあるのでしょうか?また、できればアストラゼネカ社製のワクチン等のワクチンの違いも教えていただけたらと存じます。
来月か再来月にモデルナ社製mRNAワクチンを接種する予定で、そこまで心配はしておりませんが、本文に提示されている論文がファイザーを基準になっているものが多いと思い、コメントいたします。
自分で調べた限りでは、ファイザーとモデルナ社製mRNAワクチンは信頼性が高く、「基本的に同じ」ということですが、専門的な方からのご意見がいただけるとより安心できそうです。恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
ワクチン接種率が高まって、感染リスクが軽減し、これ以上新型コロナウイルス患者が増えないことと、医療現場の方々への負担が軽減されることをお祈りします。
ファイザー社製とモデルナ社製のワクチンは、どちらもmRNAワクチンで、発症を95%近く抑えるという効果はほぼ同等です(回答の根拠①)。
感染や重症化に対する効果もまだちゃんと論文にはなっていませんがほぼ同等という結果が得られてはいます。
なので、接種できるならどちらでもOKです。
「アクエリアス」か「ポカリスエット」か、「御座候」か「大判焼き」か、「きのこの山」か「たけのこの里」か・・・くらいの感じです。
忽那先生が詳しい解説記事を書いてくださっているので、こちら参考にしていただければと思います。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210613-00242740/