『クラリス』ドライシロップの味が苦い、良い飲ませ方はない?
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回答:バニラアイスや練乳・プリン、ココアパウダーが良い
『クラリス(一般名:クラリスロマイシン)』や『クラリシッド(一般名:クラリスロマイシン)』のドライシロップは、「バニラアイス」や「練乳」・「プリン」・「ココアパウダー」と混ぜると、飲みやすくなります。
しかし、酸性のものと混ぜるとコーティングが剥がれてしまうため、強い苦味を感じることがあります。また、薬剤の粒が口に残っていると苦味を感じる原因になるため、服用後は水で口をゆすぐことをお勧めします。
回答の根拠①:酸性のものと混ざると、コーティングが剥がれる
『クラリス』は、薬自体に強い苦味があるため、「ドライシロップ」製剤にはイチゴ味のコーティングが施されています。
このコーティングは酸に弱いため、酸性の飲料や食品と混ざるとコーティングが剥がれ、中の苦味が現れることになります。特に、「オレンジジュース」は他の薬であれば飲みやすくなることの多い飲料ですが、『クラリス』には適さないことに注意が必要です。
※クラリスドライシロップと相性の悪い飲料(酸性飲料)
・オレンジなど柑橘系の果汁のジュース
・スポーツドリンク
・乳酸菌飲料
また、薬を噛む・すり潰す、あるいは口の中に薬が残っているといった状況でも、苦味を感じることがあります。
薬との混合にも注意
小児用の『クラリス』や『クラリシッド』とよく合わせて処方される『ムコダイン(一般名:カルボシステイン)』や『アスベリン(一般名:チピペジン)』といった薬と混ぜることでも、コーティングが剥がれて苦味が現れます。
子どもに薬を飲ませる際、1回に飲む薬を混ぜ合わせてから服用させることも多いですが、『クラリス』や『クラリシッド』に関しては個別に服用させることをお勧めします。
薬剤師としてのアドバイス:薬との相性はバラバラ
子どもの薬は、ジュースやアイスクリーム・ゼリーと混ぜて服用する方法を勧められることがよくあります。しかし、薬によって相性はバラバラで、前の薬を飲みやすくなった飲料・食品が、今回の薬にも適しているとは限りません。
薬が変わった際には、その都度、飲みやすいものは何かを薬剤師に確認することをお勧めします。
※「オレンジジュース」と混ぜた場合
『クラバモックス』→飲みやすくなる
『クラリス』→飲みづらくなる
※「バニラのアイスクリーム」と混ぜた場合
『クラリス』→飲みやすくなる
『タミフル』→飲みづらくなる
(ただし、お腹の調子が悪い時に冷たいものは避ける)
※「スポーツドリンク」と混ぜた場合
『タミフル』→飲みやすくなる
『クラリス』→飲みづらくなる
ポイントのまとめ
1. 『クラリス』は、酸性飲料や他の薬と混ぜると、苦味が強くなることがある
2. 『クラリス』には、「バニラアイス」や「練乳」・「プリン」・「ココアパウダー」が適する
3. 薬によって、飲みやすくなる・飲みにくくなるという相性はバラバラ
+αの情報:ハチミツは1歳になってから
1歳未満の乳児が「ハチミツ」を摂取すると、乳児ボツリヌス症を起こすリスクがあります。
漢方薬などの苦い薬は「ハチミツ」と混ぜて服用する方法が紹介されることもありますが、1歳未満の乳幼児には摂取させないよう注意してください。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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