「スティーヴンス・ジョンソン症候群」って何?~市販の風邪薬にも潜む危険な副作用
回答:100万人に1~5人と稀だが、市販薬でも起こる副作用
「スティーヴンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson Syndrome):SJS」は、眼や皮膚に急激な炎症を起こす症状で、半数以上は薬の副作用によって起こります。
100万人に1~5人程度と非常に稀な副作用ですが、適切な対処をせずに放置すると重篤な経過になることがあります。早めに気づき、適切な対処をすることが大切です。
薬を使った直後から、以下のような症状が現れた際には、すぐに病院を受診するようにしてください。
※SJSの初期症状 1)
1. 眼の違和感(眼を開けづらくなった、充血した、まぶたが腫れた)
2. 粘膜の異常(唇のただれ、喉の痛み、排尿時の痛み)
3. 皮膚の異常(広い範囲に、赤い斑点、水疱ができた)
4. 38℃以上の高熱
通常、薬を服用して2週間以内に発症することが多く、早ければ数時間、遅ければ1ヶ月経過してから発症する例もあります。
1) 厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル「スティーブンス・ジョンソン症候群」
回答の根拠:市販薬で起こる危険な副作用の代名詞
この副作用は非常に危険で、発症した場合は原因薬を中止すると共に、原則入院して加療する必要があります。早く気づいて適切な対処ができた場合、非常に効果的な治療をすることが可能です。
しかし、治療開始までに時間がかかった場合、死亡率が40%にまで高まるともされ2)、診断と治療開始のスピードが極めて重要です。
2) メルクマニュアル 「スティーブンス-ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死剥離症」
また、この副作用は、市販の総合感冒薬、解熱鎮痛薬でも発症する恐れのあるものです。たかが風邪薬で、と油断せず、薬は常に細心の注意を払って使用しましょう。
~注意事項~
◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。
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