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抗真菌薬 薬の塗り方

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水虫の薬は、いつまで使い続けるべき?~水虫の薬の目的と、症状が治まっても1~2ヶ月の根拠

回答:菌が完全に居なくなり、医師からOKをもらえるまで

 水虫の薬(抗真菌薬)は、水虫の原因である「白癬菌」が完全に居なくなるまで使い続ける必要があります。

 痒みや痛みなどの症状が無くなったからといって薬を止めてしまうと、生き残っていた「白癬菌」がまた増えて、水虫の症状をぶり返すことになります。
水虫の薬はいつまで~症状が治まってからも
 水虫をぶり返さないためには、症状が治まってからも1~2ヶ月は薬を使い続け、「白癬菌」を完全に退治してしまう必要があります。

回答の根拠:症状が治まっても、「白癬菌」は残っている

 「抗真菌薬」の塗り薬を使うと、薬の作用によって皮膚表面の「白癬菌」は死滅します。そのため、痒みなどの症状は、比較的すぐに治まります。

 しかし水虫を発症している場合には、既に「白癬菌」は大量に増え、皮膚の表面だけでなく角質層の奥まで入り込んでいます。
 そのため、ここで薬を止めてしまうと角質層の奥で生き残った「白癬菌」が再び増殖し、水虫を再発してしまうことになります。
水虫の治療~自覚症状と再発の循環
 つまり水虫を完治させるためには、自覚症状が無くなってからも1~2ヶ月は薬を使い続け、皮膚表面だけでなく角質層の奥にいる「白癬菌」まで退治してしまう必要があります。

皮膚の新陳代謝には1~2ヶ月かかる

 皮膚はおよそ40~56日で生まれ変わる新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返しています1)。

 1) Br J Dermatol.86(1):14-9,(1972) PMID:4551262

 そのため、菌が感染していない新しい皮膚と入れ替わるまでのこの期間は、症状がなくとも薬を使い続ける必要があります。
 実際にガイドラインでも、自覚症状の有無に関わらず最低でも1ヶ月間は薬を塗り続けるよう言及されています2)。

 2) 日皮会誌.119(5):851-62 「皮膚真菌症診断・治療ガイドライン (2009)」

薬剤師としてのアドバイス:水虫の治療は、正しい方法で根気よく

 水虫の治療は、正しい方法で根気よく続けることが、最終的に最も近道です。症状が治まったからと治療を止めてしまうと、再発を繰り返し、いつまで経っても完治しません。

 このとき、水虫の治療でよく起こる間違った治療方法が、「痒い部分にだけ薬を塗る」ことと、「片方の足にしか薬を塗らない」ことです。

 どこかで水虫を発症している場合、「白癬菌」は痒みなどの自覚症状が無い部分にも感染しています。症状のある場所だけでなく、薬は足全体に塗るようにしてください。
 また、二足歩行でヒトが歩いている限り、床を介して「白癬菌」は両足に感染します。片方の足にしか症状がなくても、必ず薬は両足に塗るようにしてください。

 

~注意事項~

◆用法用量はかかりつけの主治医・薬剤師の指示を必ずお守りください。
◆ここに記載されていることは「原則」であり、治療には各々の環境や状況により「例外」が存在します。

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